3章24
俺が槍で切り裂くと相手は血しぶきを上げながら倒れる
「はっ!雑魚め!」
俺の戦闘技術はかなり上達している。もはやこの程度の相手に後れを取ることはない。
まぁ戦っている相手はサボテンの魔物カクタスなんだが
あれから100回近くアーサーとの戦いをやり直したが、俺が最高の動きをできたとしても、どうにもあと1手足りない感じがする。
初太刀を躱しても、俺の攻撃が届く前にアーサーの切り返しが間に合ってしまう
かといって黒刀龍滅を更にオトリに使うと肝心なフィニッシュアタックが素手になってしまい、殴りつけた後に切られる
一撃あたえるところまでは辿り着いたので、大きな前進ではあるが、決め手とならなかった
んーーどうしたものか
「悩みごとかい、リューヤン?」
「格上を戦闘で屈服させるにはどうすればいいかと思ってさ」
「僕だったらスピードでかく乱して隙をついて抑え込むかな」
軽々と言ってくるが確かにエールは速い。アーサーと比べても素早さだけなら分があるんじゃないか
「エールは戦士っていうよりシーフとか忍者っぽいな」
「なんだいシーフとか忍者って」
それぞれの特徴をエールに説明すると、シーフ的な人はこの世界にもいるらしい
「で、忍術は魔法で代用できるとして、手裏剣とか使って牽制すると戦闘の幅が広がるかもな」
「すごいんだね忍者って!他には?」
エールの食いつきがすごい。忍者は全男子のあこがれだから気持ちはわかる
「手裏剣がないときは身近な物で代用したらしい。例えば礫を投げてみたり」
もちろんアーサーにも投げてみたがこれ見よがしに石を持ってたら警戒されて全然当たらなかった
「他にはどんな物を武器にするんだい?」
「他かぁ。まきびしとか、あとは含みば・・・あ」
「どうしたの?」
「含み針か」
俺は遠くからこちらに向かってくるカクタスを見つめながらアーサー攻略の新たな一手を得た
興奮からか心臓の鼓動がうるさい
「ねぇまきびしって何?含み針って何?」
あと忍者に興奮したエールがうるさい




