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3章21


死に戻りシャトルランを繰り返して気が滅入ってきたので、

数日前の日常を少し満喫することにした


凄まじい速度で切りかかってくる奴や

どんな攻撃も見切ってくる奴や

とんでもない剛力で薙ぎ払ってくる奴がいない平和な世界。なお、すべて同一人物である。


あの危険人物に比べれば、魔物すら可愛く見えてくる。


と、油断していたら、攻撃をくらって怪我をしたのはご愛敬だ

エールからは割と怒られた



俺は道すがらアーサー攻略方法についてエールに尋ねてみた。

エールは、会ったこともない自分の親と闘う方法を問う俺をたいそう訝しんでいたが、

長時間におよぶ聞き取り調査の結果、有益な情報をいくつか得ることができた。


・俺は魔族に雰囲気が似てるから闘うなら普通は慎重になること

・少なからず視界を狭めてしまう魔法は避けて、肉弾戦でよく相手を観察するだろうこと

・しょっぱなで槍を投げてきたら誰でも驚くこと


たしかに死に戻りを繰り返してもアーサーは魔法を使ってこなかった。

血気盛んに切り刻もうとしているようにしか見えなかったが、あれでも観察していたらしい。


「槍を投げるのってそんなにおかしいのか?」

槍投げってオリンピックでも種目になってるくらいメジャーなはずだ


「武器を投げてどうやって闘うっていうのさ」

やや呆れるエール


「ピクシーだってナイフとか投げてただろ?」


「あー、あれは魔力の低い者や接近戦が苦手な者が使う道具っていう認識があるからね」


「女が使うものってことか」


「性別関係ないよね?」

ちょっと怒られた。違うらしい。ちゃんと話は聞いてたはずだが


「投擲なんて決定打にならないし、道具を持ち運ばないといけないから普通は使わないよ」


「じゃあ遠距離からの攻撃は・・あー魔法使えばいいのか」

納得した。


近距離:得意武器でたたかう

遠距離:魔法をぶっぱなす


投擲:素早くて弱い魔物をたくさん狩るときならギリ使うかな?レベルとのこと


徒手空拳もできなくはないそうだが、素手と武器ならどちらが強いかは自明の理ということだ


素手でピストルに勝てるのか?という問いは、達人(装備なし)vs素人ピストルを前提としているのであって、どちらも達人ならばピストルを持っている方が圧勝だろう



つまり、あいつは遠距離武器に関してほとんど無知ということだな?

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