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3章20


「上段突き!」 払ってグサッ


「中断突き!」 払ってグサッ


「下段突き!」 払ってグサッ


突いているのは俺で、払っているのはアーサー。つまり、グサられてるのは俺だ。戦闘不可避と諦めた俺は思いつく特攻を片っ端から試している


死に戻りのいいところは俺の好きなタイミングに戻れるところだな。ゲームでもクイックロード機能があるものは稀だから評価できる。


悪いところは、ここはゲームの世界ではなく、異世界ながら現実ということだ。

クイックロード(ただし死んだときに限る)は、精神的にも肉体的にも楽ではない。


だが、この理不尽な相手にはゲームとでも思っていないとやってられない。人はこれを現実逃避と呼ぶのだろう


槍を振り回してグサられること数十回になった


突いても払ってもフェイントしても当たらない。途中から「倒したらクリア報酬にあの強そうな大槍がもらえるかな」「一族に伝わる勇者の装備とかを譲り受けるイベントかな」などと思考も現実から逃避し、投げやりな攻撃な仕方になってきているのを自覚した



ん・・・?



投げやりな攻撃?



「おりゃ」 カキンッ ・・ボテッ グサッ



投げ槍攻撃。はじかれますよね。知ってた。



だが、ほんの少しだけ進歩したかもしれない。俺が槍を投げつけるとアーサーは回避するために大槍を振り回して一旦攻撃を中断する。


俺の槍をいなしながら突き刺してくる攻防一体の「払ってグサッ」とは違い、防御に専念する時間が生まれる。


この数瞬の隙をついて、次の攻撃につなげ、うまいことなんとかして、なんやかんやでクリティカルでミスティカルな攻撃が弱点に直撃すれば勝てるのではないだろうか(遠い目)


これあと何回 コンティニュー(死ねば)すればいいの?


アーサー ステータス

こうげき とてもつよい

ぼうぎょ とてもつよい

すばやさ とてもつよい

わざ 

近接攻撃カウンター「払ってグサッ」



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