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3章16


集落を発ってしばらく歩いたところで、魔物とエンカウントした。久しぶりのソロでの戦闘だ。


カクタスAがあらわれた

カクタスBがあらわれた

カクタスCがあらわれた


小学生くらいの大きさはあろうかという巨大で丸いサボテンに手足が生えたような魔物があらわれた。

エールと一緒のときにも遭遇した魔物だから要領はわかっている。こいつらは動きは多少早いが防御力は大したことないから俺でも倒せる。


「おーりゃあ!」


俺は鉄の槍を振り回しカクタスAを切り裂く。横からカクタスBとCが迫ってくるが、俺はカクタスAを切り裂いた勢いのまま、その横を走り抜け、最初にカクタスたちと対峙した時と同じような位置関係に戻った。


「よしっこの繰り返しだな」


一撃で倒すことはできなかったが、俺が切り裂いたカクタスAの腹?のあたりからは紫色の体液が流れ出している。このままヒット&アウェイを繰り返せば勝てる。ずっと俺のターンだ



それから数分かけて俺はなんとかカクタスたちを葬ることができた


「はぁはぁ、もう、限界、いてっ、くっそ」


倒しきるまでに数回攻撃をくらってしまった。掠った程度のあたり方だったので大けがはしてないが、身体に刺さったぶっとい針を引き抜くのはそれなりに痛かった。


だが、痛みよりも今は疲労が勝っていた。ヘトヘトだ。エールがいたときは魔法やら素早い動きやらであっという間に魔物を駆逐できていたが、ソロプレイヤー(魔法縛り)だとそうはいかない。


素手で1対1のボクシングでさえ3分に1回休憩があるのだ。槍を振り回しながら縦横無尽に駆けまわる数分間がどれだけしんどいかわかっていただけるだろうか



しばらく休んでから再びオラクルを目指して歩きだした


疲労は抜けきっておらず傷も痛むが、高揚している自分にも気づいた。これまでエールにおんぶにだっこで旅をしていたが、自分1人でもなんとか魔物を倒し、旅をできていることが少しうれしい。


なんだかんだで魔物がいる世界というのにも慣れてきたことを実感した。


「エールぬきでも他の誰かを誘って世界旅行はアリかもしれないな」


完全に1人旅をするほどの自信はないが、仲間と助け合いながらの旅なら余裕をもって楽しめそうな気がする。ククルを誘えば一緒に来てくれるだろうか


そんな妄想をしながらさらに数時間移動したところで、俺は死んだ




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