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3章6


翌朝


俺は隣でぐっすり眠るククルを起こさないようにこっそりと寝床を抜け出す。


宿を抜けて朝日を浴びながら伸びをしているとエールも同じように伸びをしながら現れた。


「やぁ、リューヤン今日はやけに朝が早いね、何かあったかい?」


エールがにやにやしながら俺に聞いて来る。

俺はにこにこしながらこう答えた


「なにも、なかった」


「ん?」


「なにもナカッタ」


「え?」


「な゛に゛も゛、な゛がっだ」


俺は奥歯が折れそうなほど噛みしめながら答えたのであった。



~昨夜~


突然のククルのお泊り発言に動揺する俺


ククルはといえば俺と目も合わせずにさっさと横になってしまった。


仕方なく俺も明かりを消してベッドに横になる。


ベッドの端で向こう側を向いて横になるククル。元々1人用のベッドなので身体が触れるか触れないかぎりぎりの距離感だ。


なるべくククルに触れないように横になったが数分して、体重で腕がしびれてきた。

しかし後ろに転がれるほどのベッドの余裕はなく、前に転がればククルに覆いかぶさることになる。床に落ちるか、女に落ちるかの2択を迫られているのか


据え膳食わねばとも言うし、ここはやはりククルに・・・夜更けに男の部屋を訪れるのはいそういうことだろうし・・


とも考えたが、所詮はDT。どうしていいのかわからず、しびれる腕は諦めてひたすらククルの背中を見つめることしかできなかった。




どれくらいの時間そうしていただろうか。すでにしびれを通りこして腕の感覚がほぼ麻痺したころになると、ククルがすーすーと寝息を立て始めた。


俺は腕が限界という心の言い訳をしながら、そっとベッドから抜け出して、ククルの顔が見える位置に移動した。


そこにいたのは天使なのかと見間違うほどかわいい寝顔の少女だった。

横向きに寝ていることで自然と寄せられた胸も絶妙な角度で俺に主張してくる。


これ今からでもヘタレ挽回していいっすかね?


そう決心してそうっと手を伸ばしてみるとククルがむにゃむにゃと寝言をいったりするので俺は慌てて手をひっこめる。


体の突起をのぞきこもうと顔を近づけたところ、俺の鼻息がかかったのこかククルが顔をしかめたので、慌てて飛びのく。


そんなやり取りを何度かしている間に気づいたら空が白く変わり始めていた。


え、俺一晩中ククルのこと視姦してたの?徐々に明るくなっていき今からナニかをするのは不可能だと察し、俺は涙を拭きながら部屋を出ることにした。


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