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3章2

2日続けての投稿。この後はちょっとペースダウンしながら続けていきます。


俺はエールやククルたちと狩りに出るタイミングに戻った。

それぞれの装備を確認した後、俺はエールにそっと耳打ちをしておく。エールは抗議の視線を送ってくるが、俺が真面目な顔で見つめ返すと、やれやれといった表情で納得してくれた。よし、これでなんとかなるだろう


その後は、前回と同じ流れで俺がエールの魔法であぶられて喧嘩をし、豚の魔物ピッグスを狩りまくり、サンドイッチを食べながらピクニックをしていた。


そして


「グヮヮァアアアアアアア!!!」


にっくき熊の魔物が現れた。ここで同様しては俺の作戦が台無しだ。戦闘は前回を踏襲してククルたちを逃がして俺とエールが囮となる。


熊との戦闘で俺は5回吹っ飛ばされ、膝をついて座り込む。


「リューヤン!?」

「エール!すまん、粘ってくれ!」


エールは熊と1対1で戦っているが、少しすると熊が蜂を呼びだした。


「リューヤン!」エールが訴えるように俺の名を呼ぶ


「まだだ!」俺は祈るようにエールに叫び返す。


エールが歯を食いしばって戦っていると、ククルとピクシーが参戦し、ピクシーの投げナイフが底をつく


「まだだぞ!」情けない顔で俺をチラ見するエールに叫ぶ。


そして・・


予言師が灯す希望(オラクルフレイム)」ククルの極大魔法が飛び出し、あたりを焼き尽くす。


その瞬間に俺は熊に向かって素早く走り出す。


「エール!いまだ!」


エールは熊に向かって閃光熱フラッシュファイアを放つ。


「お前のウィークポイントは把握してるんだよ!」


俺は怯んだ熊の後ろから槍を突き刺す。


「グヮヮォオオオオ!!!」熊は痛みで大きな叫び声を上げる。


しかし、俺はそこで手を緩めない。突き刺した槍を熊の体内深くに刺さるよう蹴り入れる。そして蹴った勢いを活かして即座に退散!俺は熊に背を向けて全力で走る。背中のあたりにサーッと風が通り抜けたような感覚があったが無事に危険域から脱出できた。


熊は数秒暴れまわったが最後は立ち尽くしたまま静止した後、崩れ落ちるように倒れこみ動かなくなった。


「よっしゃああああ!」俺は勝利の雄たけびをあげる。


しかしククルとピクシーの2人は同時に違うことを叫ぶ「エール!!!」


気が付くとエールは地面につっぷして動かなくなっていた。一番近くにいた俺が駆け寄りエールの身体を起こしてやる。


「おい、エール!!」


「リューヤン・・」


俺が声をかけるとエールは苦しそうな声で答える。よかった。息はあるみたいだ。


しかし、エールはまるで最後の力を振り絞っているかのように震える手で、俺の肩をつかむ。瀕死とは思えないほどの力で握られた手には計り知れない強い思いを感じる。


もしかして、エールは・・・


俺の悪い予感を感じ取ったかのようにエールは絞り出すように、低く震えた声で俺に語りかける


「僕だけこんなにボロボロになる作戦を立てたのは何か僕に恨みでもあるのかい?」


エールさんはめちゃくちゃご立腹であった。

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