3章1(邂逅4)
"いらっしゃい~"
適当女神がニコニコと立っていた。
見た目は完璧に近い適当女神に癒されるが、なんだか疲れたな。1週ごとに魔族に殺されていたときは、何となく死ぬ覚悟をしながら生活していたが、今回はまったく予想がついてないところで死んでしまった。それにあと1歩で死なずに魔物を倒せていたことを考えるとかなり口惜しい。
"どうしました~?"
俺が死んだときのことを考えて黙っていると適当女神がキョトンとして小首をかしげながら尋ねてくる。
「もう少し頑張ってたら死なずに済んだのかなぁと思って」
"うふっリューヤンさんはと~っても頑張ってますよ~"
そう言いながら俺の右手に抱き着いてくる。
「あ、えー、っと、そうですか?」
"もちろんですよ~"
適当女神はニコニコしながら体を押し付けてくる。いや、押し付けるというより右手を挟みこまれる感覚が強い。これが優しさに包まれるということか・・
適当女神のほうを見るとうるうるした瞳で俺を見つめている。そして軽くウインクすると目を閉じて口を少しだけ突き出してきた。
これは、もしかしなくてもキスを誘っているに違いない!俺は適当女神に顔を近づけて唇を重ねようとして・・ふと
「あれ、調停神様は?」
完全に今じゃなくていいことを口走ってしまった
"む~リューヤンさんは私より半ちゃんがいいってことですか~?"
それは完全な誤解だし、俺にそっちの気は断じてない。
「いや、そろそろ調停神様が邪魔してくるタイミングかと思ったんですけど、出てこないから逆に気になっちゃって」
調停神なら俺と適当女神を引きはがして「おお!リューヤンよ!あの程度の魔物を相手に死んでしまうとは何事だ!」なんて煽ってくる思ったんだが
"半ちゃんなら~リューヤンさんが願ってくれたので~締め出しに成功しました~"
いつもと変わらない笑顔の適当女神のはずだがなんとなく悪い顔に見えた。確かに今はあいつの癪に障る言い回しは聞きたくない。俺の気分次第で締め出せるのか、知らなかった
"ふふっ、それで~つづきをします~?"
適当女神が俺にピタっと身体をあわせて正面から抱き着いてくる。頑張った俺へのボーナスステージだろう。
とりあえず俺は両手で適当女神の揉む。据え膳は食わねばならない。
しかし、揉みながらも別のことが気になってしまう。
「女神様、あの熊と蜂はいったいなんだったんですか?」
"ときどき~ああいう変わった子が~、んっ、生まれちゃうみたいで~"
レア魔物だったのか。強いわけだ。と考えながら俺は谷間に顔をうずめる。かなりのボリュームのため息がしづらいが、ここで窒息しても本望だ
「そういえば、俺って死ねばいつでもここに来られるんですか?」
いつも死んだ後に気づくとこの白い空間に来ているが、ここに来ないで復活することもある。と考えつつも俺の手は留まることを知らない。俺の意思とは関係なく動き回っているようにも感じなくはない気がするので、右手に寄生生物でも潜りこんだのかもしれない。あっお尻は柔らかくて小さいんですね女神様。くそー寄生生物め、好き勝手適当女神の身体を堪能して
"いつもは~、あっ、無理、なんっ、です~ 時の流れが乱れたっ、とき、んっ、だけ、で、んんっ~"
聞く相手を間違えたという模範例みたいなことをしてしまった。この手の質問は調停神にしないと話が進まないんだった。今日のところは諦めよう。
"あの~ 片手間で触られるのは傷つきますよ~?"
適当女神が俺の手をつかんでムッとしている。確かに他事に気を取られながら女性を相手にするのは失礼だったかもしれない。
俺は心を入れ替えて適当女神の身体と向き合おうと思ったが、視界がぼんやりしてきた。しまった!すでに手遅れだった。
"悪い子には~おあずけです~"




