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2章25

「我ながら死亡フラグみたいなことを言ってしまったな」


興奮してククルに叫んだことを若干後悔しながらエールの元にかけつけた。

エールは熊の魔物の大振りを躱すか槍で受け流していた。


スピードは俺でも目で追えるレベルだが、手を振り回すだけの攻撃のため回転が早く一撃が重いようだ。エールは受け流しながらも苦悶の表情を浮かべている。


「エール、手伝うぞ」


「ははっ、とっても心強いね」


これは皮肉だろうな、俺が戦闘で力になるとは思えない


「で、僕はどうしたらいいのかな?」


あーそういうことか


「残念だったな、予言は留守だっ、ぐわっ」


俺に気づいた熊から強烈な一撃をもらう。なんとか槍で受け止めたものの衝撃で吹っ飛ばされる。


「リューヤン!」


「ぐっ、いて、だいじょうぶだ」


吹き飛んだおかげで追撃をくらわず、飛ばされた衝撃でぶつけたところ以外に大したけがはないようだ。


「俺が囮になる!エールは隙をついて攻撃しろ!」


こいつは魔族と違って即死の攻撃をしてこないんだ。直撃さえしなければなんとかなる。ここが俺の根性の見せ所だろう。俺が囮でエールに攻めてもらうのが最善なはずだ


「よし、やるよ!リューヤン」


エールは一瞬躊躇うような表情をしたが覚悟を決めてくれたようだ。


俺が吹っ飛ばされ、エールが突く。事前に聞いていたとおり熊の魔物は皮が厚いようで攻撃が通りにくく、エールは顔や腹などの弱そうな所を狙っているがなかなか致命傷を与えられない。そして、俺が5回目に吹っ飛ばされたときだった。


「むっ、がっ、く、そ」


打ち所が悪かったのか、はたまた体力ヒットポイントの限界か、足に力が入らず立ち上がることができない。

俺が駆け付けないためエールが集中攻撃をくらっている。


エールはさすが戦闘民族といったところか、攻撃に触れるだけでも危険と判断したのか、素早く躱してほとんど触らせないように立ち回りながら、少しずつダメージを与えている。


熊の魔物は攻撃があたらないことにしびれを切らしたのか、再び大きく咆哮をあげる。

だが、普段から魔物と戦うエールはその程度でひるむことはなかった。誤算があったとすれば、その咆哮はひるませることが目的でなかったことだ。


「マジかよ」


俺たちのまわりに再び蜂の魔物があらわれた。蜂は不規則にエールに向かって飛び掛かるため、エールは必死に逃げ惑う。魔法で焼き払えば打開できそうなものだが・・


「魔力切れか?」


半日狩りをしながら魔法を放っていたせいでエールはガス欠なのかもしれない。

エールが限界なら、もう、これ以上は・・・


氷槍アイシクル!」


俺が諦めかけたそのとき、透き通った声が響き、熊の魔物の背中に大きなつららが突き刺さった。


「エール!リューヤン!助けに来たわよ!」

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