2章23
俺がククルと歩いていくとピクシーが教会の入口で待っていた。
「ククル様おはようございます。準備はできておりますのでいつでも出発できます。」
「そう!じゃあ早速行きましょう!」
やる気満々のククルの先導で俺たちは町の入口まで来た。俺とエールが入ってきたのとは逆側の入口だ。ピクシーは大荷物を持っていたが、入口までくるとククルに武器やら防具やらを装着させていた。甘やかされてんな
リューヤン
・鉄の槍
・布の服
・皮のくつ
黒刀龍滅
皮の袋()
布のマント
ククル
・長槍
・ボディスーツ
・皮の手甲
・丈夫な腹巻
ピクシー
・投げナイフ
・布の服
・丈夫な盾
ククルたちの準備が終わったところでエールが合流した。
「やぁ待たせちゃったかな?」
「いえ、私共もちょうど来たところです」
昨夜はあんなに仲良ししてた2人がよそよそしいフリするのは何か腹立つな。
ククルはふんっと鼻をならしてなぜか俺の後ろに隠れる。悪い気はしない
「じゃあ簡単に今日の予定を話すけど、基本的に豚の魔物ピッグスを探して倒そう。僕とリューヤンが突進を受け止めて、後ろからククルが槍で攻撃するのが一番安全だと思う。他の魔物が出たら僕が囮になるからその間に逃げてほしい」
「あ、あんたに言われなくてもわかってるわよ」
ククルは前もってピクシーから作戦を聞いていたらしい。ちなみに俺は聞いてないぞコラ。
「リューヤン、魔物っていってもピッグスは大したことないから昨日話したことだけ注意しておけば大丈夫さ」
俺がエールを威嚇しているとまぁまぁと補足をしてくれた。エールの説明が雑なのは今にはじまったことではないのであきらめる。
町を出て10分ほど歩いたところに今日最初の獲物が見つかった。豚の魔物ピッグスだ。こちらに気づくと鼻息を荒くして突進してきた。
攻撃のターゲットになったのは・・・・俺かよ!
腰を深く落とし、真っ直ぐに向かってくる相手を受け止めた。
「ぐぉっ」
小学生男子が全力で突進してきたような衝撃。受け止められなくはないが不意をつかれれば軽くふっとぶ程度の威力はありそうだ。俺はピッグスをしっかり受け止めて牙をつかんで動きを封じる。
「ククル、いまだ」
「やぁ!」
ククルは走ってきた勢いのまま俺の脇から槍を叩き込んだ。槍はピッグスの前足の付け根あたりに刺さった。
「グォォオオオオオ」
ピッグスは痛みで暴れ出す。振りほどかれそうになりながらも俺は必至で押さえつける。
「閃光熱」
「あちっ」
エールの魔法でピッグスは叫び声を上げながら息絶えた。俺も若干あぶられたんだが?
「おい、コラ、エール」
「これでは食用にできませんね」
ピクシーがうなずきながら俺の怒りに同意してくれるが、違う、そこじゃない
「倒すのが目的だから大丈夫さ」
エールはあっけらかんとしている
「ねぇ、リューヤン、わたしの攻撃見てた?」
えーい好き勝手に話すんじゃない!俺への労りはどこにもないのか?




