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2章17


「ピクシー!私はリューヤンと一緒に狩りに出るわよ!文句はないわね!」


俺に文句があるかは確認しなくていいのかいククルさん


「先ほどのお話しの事実確認ができて、リューヤンさんがご同行いただけるなら問題ないかと」


「俺の話なのに状況が全然理解できていないんだが?」


「リューヤンはわたしと一緒に魔物狩りに出かけてくれればいいのよ!楽しみね!」


「んー、今はエールと旅をしてるから相談してからでもいいか?」


「そうね、リューヤンが一緒に行ってくれるなら、あいつがおまけで付いてきても我慢するわ」


しぶしぶといった形で了承するククル。

俺が行くのは確定してるらしい。戦力的にはエール99、俺1の状態だから完全に俺がおまけだ


「それではククル様、私はリューヤンさんをお送りして魔族の件の確認をして参ります」


「あら、まだいいじゃない。それにリューヤンを送るならわたしもいくわ」


「ククル様は久しぶりの狩りですので装備の確認をお願いします。リューヤンさんの予定次第では今日中の出発も可能かもしれませんので、準備は早い方がよろしいかと」


「それもそうね!リューヤン、わたしは今日でも大丈夫だから遠慮しなくていいわよ!」


そういってククルはうれしそうに飛び跳ねながら部屋を飛び出していった。


「ではリューヤンさんの宿までお供します。」


そういってピクシーは教会の外に俺を案内して歩き出す


「で、俺に何か用なの?」


明らかにピクシーはククルを追い払った感がある。あいかわらずチョロく追い払われていたが。


「お察しいただき助かります。ククル様の狩りについてです。ククル様は神子として頑張っていらっしゃいますが、身体能力は低い上に<聖地オラクル>に伝わる魔法もほとんど使うことができません。」


物理も魔法も使えないなんて雑魚キャラがいるんですね。って俺も同じ状況じゃねぇか


「教会や町の人々にとっては天真爛漫なククル様は今のままでも尊い存在として愛されていますが・・」


たしかに素直でかわいい愛されキャラだ。


「しかし、ご本人は神子としての才能が開花しない現状に非常に悩んでおります。魔物を倒して器を育てればあるいはとも思っておりますが、はじめての狩りの際にククル様をかばってケガをした者がおりまして」


「それで狩りを禁止されていたってことか?」


「いえ、ケガ自体は不運な事故というか、同行した我々も予測していなかった魔物が発生したことが原因ですのでククル様に一切責任はございません。幸いにもケガは大したことはありませんでしたが、ククル様自身が気に病んでしまいまして、仲間が安全に狩りをできる状況にならなければ狩りに同行しないとお決めになってしまいました」


「難儀な性格だなぁ」


「お優しいのですよ。内心は早く狩りに行きたいとお思いだったのだと思います。そこに神子のリューヤンさんがいらっしゃったうえに魔族を撃退するなどという伝説のようなお話が出たことで、今まで我慢されていたお気持ちが溢れてしまったのかと思います」


ピクシーが我が子を慈しむようにニコっと笑う。くっ、美人が自然にほほ笑むだけでこれほどの威力があるとは・・


俺はククルとピクシーに協力しようと心と下心に誓った。


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