2章16
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「お待たせしました。リューヤンさん、神子についての説明がまだだったかと思いますのでお話しさせていただいてよろしいでしょうか」
ムッとしているククルをスルーしてお茶を並べながら俺に話を振るピクシー
「うん、頼むよ。さっきククルから神様から祝福された人ってことは聞いたところだけど」
「そうでしたか。ククル様ご説明ありがとうございました。」
ククルがしかめ面のままコクコクうなずく。
「神子とは先天的になんらかの才に秀でていることから神の祝福を受けた者として<聖地オラクル>では神事を司る神官の職に就きます。ククル様も私も神官として教会で働いております。外見では頭髪の色が両親と異質なものとなるのが特徴です。」
ピクシーも神子だったのか、確かに他の人とは明らかに髪の明るさが違う。
「神子として生まれたものは自立式を終えると教会に召されます。自立式の年齢において髪色にて選別されますので、成長の度合いによって神の祝福にも差が出てくることがございます。私のように神子となるには祝福が不十分な者はククル様のような真なる神子の世話係として奉仕することとなります。」
察しが良すぎるピクシーが口に出してすらいない疑問に答えてくれる。話を整理すると髪色が違う人は全員神子って呼ぶけど、その中で職業として神子をする人と世話係に分かれる感じか。自立式は成人式的なものだろう
「なるほど、今の話だとエールなんかも神子ってことになるのか?」
エールの名前を出したらククルがふんっと怒っている
「そうですね。彼も神子として奉仕いただきたいのですが、彼の一族は異質な存在ですのでなかなか我々の考えとは異なる思想をお持ちのようです。」
「あんなやつのことは放っとけばいいのよ!それよりもリューヤンのことを聞かせてよ!」
お、ククルが復活してきた
「あー俺のことか。予言の能力があるけど不安定だから使いこなせてないんだ」
「予言ってなに?どんなことがわかるの?そんな魔法聞いたこともないわ!」
「未来に起こることがわかることもあるけど、見たいものが見れるわけでもないから全然役に立たないぞ。この前はたまたま魔族が来る場所がわかって罠で撃退できたけど」
「リューヤンさん、それは真の話でしょうか?」
ピクシーが真剣な眼差しを俺に向けて冷たい声で聞いてきた。いきなりどうしたんだ
「え、本当だけど。エールに聞いてもらえばわかるよ。あーもちろん俺一人で撃退したわけじゃなくてキーフ族のみんなに手伝ってもらったし、俺は予言して作戦を立てたくらいだけどね」
魔族は伝説的な敵だから、突然撃退したとか言い出したからほら吹きだと思われたのだろう。作成成功は99%エールたちのおかげです
「ねぇ!ピクシー!リューヤンと一緒なら大丈夫だと思うわ!魔族にも負けないんだし!うん、もう決めたわ!」
俺の知らないうちに何かが決定したらしい。