2章14
「ねぇ!聞いてるの!謝りなさいよ!」
「あ、あー、ごめん」
俺はぶつかった衝撃よりも女の子の見た目に驚いて言葉を失っていた。
どういうことだ?
<聖地オラクル>の住人、特に女性は華奢で小さい。標準くらいの身長の人もいるが、細身には違いない。
だが、この女の子は身長が俺と同じくらいあるばかりか、細身とは言えない。いや、全体的には細身なんだ。手足は他の人と同じように細い。お腹や足も引き締まっている。だが、お腹の少し上の辺りから首の少し下あたりまでだけに限って異様に膨らんでいる。トップグラビアアイドルにも負けない重量感を感じる。
しかもこの子は他の住人とは違い、髪の色は真っ赤だし、ボディスーツのような服を着ていて、がっつりと谷間がお披露目されているし
おかしい。どういうことだ。しかも顔もめちゃくちゃかわいい。適当女神よりも露骨な幼顔。なんなんだこの子は。そう考えながらまじまじと渓谷の深淵を見定めようとする。
「ちょっと!どこ見てんのよ!」
リアルでどこ見てんのよって言われるとめちゃくちゃ恥ずかしい
「あまりにセクシーだったのでつい」
俺は申し訳なさそうに答えるものの、適当女神との未遂事件からめっきり女性と絡んでいなかったんだ。素晴らしいものをガン見するくらいは許して欲しい。
「あら、そう。あなた変わってるわね。名前は?」
女の子は少し顔を赤らめながらそう答える。今の回答で好感度上がるとかチョロすぎない?
「俺はリューヤン。こんな髪の色だけど魔族じゃないぞ」
ちゃんと否定しておかないと突然喉に槍が刺さることがあるからな
「ふふっあなたも神子なのね。わたしはククル、よろしくね」
「私はピクシー。ククル様の世話係です。よろしく」
俺とククルが自己紹介をしていると、美女が戻ってきていた。ピクシーはククルと対照的に体付きは幼いが顔は大人っぽい美人だ。
「2人はこんなとこで何をしてたんだ?」
鬼ごっこをする年齢でもなさそうだし
「追いかけっこね」
なぜか腰に手をあててエッヘンとドヤ顔で答えるククル。
「ククル様が外出許可を得るための試験をしておりました。制限時間内に私を捕まえられれば狩に同行できることとなっておりました」
俺が頭からハテナマークを出しているとピクシーが教えてくれた。何この子、優秀!エールも解説キャラとして見習ってほしい。
「それを俺が邪魔しちゃったのか、すまなかったな」
「そうよ!あと少しで捕まえられたんだからね!」
またもドヤ顔で胸を張るククル。話の中身はどうでもいいが、胸を張るたびにゆっさゆっさと揺れている。ごちそうさまです。追いかけっこは、ピクシーの様子からして捕まえられるのはまだまだ先のようだ
「ところで神子ってなに?ククルも神子なの?」
「こんなところで立ち話も難ですし、リューヤンさんがよろしければ教会にお越しいただけますか?」
できる女ピクシーの提案により俺は美少女2人と教会へ向かうこととなった。
ところで教会なんてあったの?




