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2章12


最初に町を訪れたときは、人通りがほとんどなかったが昼時だからかたくさんの人が行きかい、緑の看板の飯屋を出入りしている。


店の前にそれぞれメニューが書いてあるようだが、読めないので何やら行列が出来ている店に並んでみた。15人ほどが並んでいたが、回転が速いお店のようで少し待つと店に入ることができた。


中に入るとステーキ屋のような肉の焼けるいい匂いがする。内装は食堂のような造りで、たくさんの机といすが並んだ奥にカウンターがあり、そこで料理を受け取り好きな席で食べる方式らしい。代金は料理を受け取るときに横にあるかごに1ホーンを放り込んでいる。おつりがないのは楽でいいな。


カウンターの列に並んで厨房をのぞき込むと、店の裏手で大きな肉の塊をケバブみたいにして焼きながらそぎ落としている。細切れの焼肉のようなものだ。それを店員が厨房まで運び、ソースを絡めて大き目のトーストのようなものの上にドーンとのせて出来上がりらしい。


俺は料理を受け取って席に着く。肉が山盛り乗っているのでサンドイッチみたいにトーストで挟むこともできない。他の人の様子を眺めてみると、ほとんどの人が小型のナイフで肉を刺したりトーストを切って食べている。どうやらフォークとナイフを兼ねた食器のように使われているようだ。


当然ナイフなど持っていないので俺は素手で食べることにする。肉は熱々で手を火傷しそうになったが構わず口につっこむ。味は・・・うまい!とてもうまい!めちゃくちゃうまい!細切れなのにあふれ出る肉汁と甘辛いソースが混ざり合い、高級な焼肉を食べているような贅沢な味だ。うますぎて2口、3口と止まらない。このおいしさで山盛りお肉が乗ってなんとお値段1ホーン?リピート確定じゃないか


ただ、惜しむらくはここに米がないことだ。1切れで茶碗1杯は食べれそうな激うまお肉があるのに相棒がトーストではウキウキ半減だ。


文句を言っていても仕方がないので、トーストをちぎって食べてみる。


・・・


・・・


何・・だと・・・



これは、米だ。ナンじゃなくて米だ。食感こそボソっとした食パンのようだが、味は米に非常に近い。もしかして米粉パンとかそういうものなのだろうか。シンプルで主張がなくほのかな甘みがおかずをサポートするそんなベストオブ主食お米の味だ。


これまで食べた異世界飯もおいしくはあったがどこかサバイバル飯のような印象があった。だが、これこそが食べる楽しみのために調理されているいわゆる”料理”というものなのだ。


肉、肉、米、肉、米、肉、肉、肉とどんどん口に放り込む。

肉の方が量が多いので米を挟みながら肉を食べることになるが、うますぎて止まらない。あっという間にたいらげてしまった。


期せずして大満足の昼ごはんとなり控えめに言っても、さい&こう、最高だった。明日も来よう。店員はぶっきらぼうなおじさんだけどそれもまた良い。

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