表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
35/98

2章10

宿屋に入ると、エールが主人と話してダニエルの部屋に向かう。宿屋といっても1階は酒場のようなオープンスペースになっており2階に客室があるようだ。そのうち一番手前の扉を開くと見知ったおじさまBことダニエルがベッドに横たわっていた。


「ダニエル、大丈夫でしたか?」


良い子モードのエールが声をかける


「族長!ご無事でしたか!すみません一族の元に向かう途中で魔物にやられてしまいまして」


ダニエルは申し訳なさそうに謝りながら体を起こす。元々40代くらいの見た目だったが顔色が悪くげっそりしているため、10年くらい老けこんだような印象で、起きているのも辛そうだ。


「魔族はリューヤンの活躍で誰一人欠けることなく撃退できましたので、気にしないでください。それよりもダニエルに何があったか教えてください。」


「なんと本当に魔族が!しかも魔族相手に圧勝ですか!リューヤンは只者ではありませんな。」


ダニエルが嬉しそうにほほ笑む。なんか俺が倒した感じになっているが、戦闘ではマジで何もしていない


「そうそう、魔物についてでしたな。集落とここへの分岐にさしかかる少し手前あたりでしょうか、キラービーを引き連れた見たこともない熊の魔物が現れまして。そいつにやられたんですよ」


熊って蜂の天敵じゃなかった?魔物の生態系どうなってんだ


「怪我だけなら何とでもなったんですが、キラービーの毒をもらってしまいまして。集落への道をふさぐように魔物がおりましたので、仕方なく<聖地オラクル>で解毒しようと向かったわけですが、思いの外傷が深く途中で魔力も切れて体力も戻らず死にかけまして、このあり様です。」


4歩あるくと1ダメージみたいなやつを数日間か、地獄だな


「ダニエルの命があってよかったです。どうか安静にしていてください。魔物の特長を伺ってもいいですか?」


「3mほどの大きさで体毛はくすんだ紫の熊の魔物でした。動きはさほど素早くないですが、体毛が厚く槍が通りませんでした。攻撃はキラービーをけしかけてきて、こちらの注意が逸れたところを狙って爪で攻撃してくるのでお気を付けください。私でも一撃で大けがを負いました」


「ありがとうございますダニエル。なんとか対策を考えることにします。傷が癒えるまでゆっくり休んでいてください、それでは」


そう言ってエールは部屋を出る。俺もお大事にと一言伝えて部屋を後にした。


熊の魔物がいるのはキーフ族の若者たちが集落に帰るときに使う道なので、エールは何かしらの対応を考えているのだろう。エールは真剣な顔つきをしながら宿屋を出て俺の方を向いた


「さあリューヤン、あの魔物の倒し方教えてよ」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ