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2章9


いや、なんにも起きないんかい!


あれから数日かけて<聖地オラクル>にたどり着いた。途中にイベントらしいイベントはなく、エールが移動のペースを少し上げたことにより、俺には雑談をする余裕がほとんどなかった。


<聖地オラクル>は高い壁に囲まれていて、町というより城のようだ。軍服らしきものを着た衛兵が扉の横で見張っている。


「やあ、こんにちは。何日か前にうちのダニエルが来ませんでしたか?」


エールが衛兵に尋ねる。


「エール君久しぶりだね。ダニエルさんなら宿で休んでるよ。1週間ちょっと前だったかな?猛毒で死にそうな状態で現れたからビックリしたよ」


「ありがとうございます。とりあえず、今は無事という事ですね。お世話をおかけしました」


エールが族長いい子モードだ。こいつ族長辞めたがってますよみなさん


「あ、ちょっと待って」


エールがお礼を言って、俺と町に入ろうとすると衛兵に呼び止められる


「そちらの方は、何者かな?エール君の知り合いでも一応素性を聞かせてくれるかい?」


久しぶりで忘れていたけど、俺の黒髪はパッと見で魔族感あるらしいからな


「予見の魔法が使える特別な魔法使いで、リューヤンっていいます。僕と世界を旅することになった仲間です」


「世界を旅するなんて伝説の勇者様みたいだね。ほら、通っていいよ」


完全に形だけの尋問で通してくれた。この町セキュリティ大丈夫?


「ありがとうございます」


エールがお礼を言って俺たちは町に入った。



町の中は北欧風の家屋が並んでいる。三角屋根に白い土壁で、シンプルながらおしゃれ感のある建物だ。これがホントに北欧風かは知らんけど

遠くに見える反対側の城壁との距離感から、少なくとも東京ドームよりは余裕で大きそうだ。


「まずは宿屋にいるダニエルに情報を聞きに行こう」


エールは<聖地オラクル>に何度も来た事があるようで、真っ直ぐ宿屋に向かう


俺はキョロキョロしながらエールの後をついていくが、門の近くは民家らしきものが多いが、何軒かにひとつは店らしき建物もある


看板に何やら書いてあるがさっぱり読めない。おそらく異世界の文字だろう


そうかー文字もね、やっぱりね・・・もしかしてアレか?次はリーディング?


[リューヤンの異世界不死身冒険記]のはずが実は[異世界バイリンガル道]だったって話なのか?

死に戻りながら言葉を覚えるのは物語として斬新だけど、命がけで言葉覚える必要なくない?



俺が意味もなく精神ダメージを少々受けながらエールについていくと50mほど歩いたところで宿屋にたどりついたようだ。2階建ての大きな建物で屋根も扉も黄色く染められている。


怪我人の訪問なんて、薬の材料を取りに行くおつかいクエストが発生しそうだなと、どうでもいいことを考えながらエールについて宿屋に入っていく

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