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2章3

初の祝日投稿


エールと旅を続けて数日が経った。<聖地オラクル>まであと半分程というところだ。もうすぐ分岐路があって、<聖地オラクル>とキーフ族の集落それぞれに続く道に分かれるらしい。

毎日歩き続けているので足が棒のようだが、エールが生活に関する雑用をほとんどやってくれているので、何とかなっている。元来の性格か一族の特長かわからないが、世話好きでお人好しなのは変わらないらしい。ちょっと女好きなだけで


「そういえば、夜の間は俺1回も起きてないんだけど、魔物とか大丈夫なのか?エールが見張ってくれてるの?」


今までは疲れもあって、日没後すぐに爆睡していたが寝てる間に襲ってくる魔物のことは考えていなかった


「夜に活動している魔物なんてこの辺にはいないよ。日が暮れてからうろうろしなければ遭遇することはない」


夜は魔物が強くなるイメージだったが、この世界では夜行性の魔物は少ないらしい。


「そういえばリューヤンが毎日死にそうな顔で歩いてたから聞きそびれてたけど、リューヤンって何者?」


最初はケンカしてほとんど話さなかったし、途中から俺は疲れて雑談する体力もなかった。数日歩いた慣れもあって、少し話す程度の余裕は出てきたところだ。


「何者?何者か・・・んー巻き込まれた一般人?」


「なんで疑問形なんだよ。あんな予言ができる人間が一般人なわけないだろ。でも、言葉もほとんどわかんないし、服も変だし、戦いになると子供にも負けそうなくらいめちゃくちゃ弱いし、ホント謎だらけなんだけど」


「あー予言か。たまたま未来が見えるときがあるけど、狙って見れないから使い勝手悪いんだよ。で、俺は予言の能力を買われて違う世界から神様に連れてこられたのさ」


エールとはしばらく一緒にいるだろうし、本当のことを話すことにした。死に戻りだけは安易に話すと、気軽に殺されそうな気がして何となく伏せた。エールはそんなことしないだろうけど


「え!神様に!?じゃあリューヤンって勇者ってことなのか?」


「え!俺って勇者なの?」


「僕が聞いてるんだけど!」


質問に質問で返すのは禁忌だった。気をつけねば


「あーごめんごめん。俺が勇者かどうかはよくわかんないんだけど、多分違うんじゃないかな?予言しかできないし」


「リューヤンの戦力が10歳に勝てるか微妙なレベルってことはわかるんだけどグラント様も弱かったらしいしなぁ」


「おい、こら。ところでグラント様って誰?」


10歳で魔王を倒した勇者もいるんだぞ、なめんなよコラ


「常識は3歳レべ、うわっ、やめろよ。教えてあげないぞ」


またも煽ってきたエールにヘッドロックをかけようとしたが逃げられた。相変わらず素早い


「グラント様は、最後の勇者だよ。大昔に活躍された英雄の1人で、今残っている大きな町は全てグラント様の加護で守られてるから魔族に襲われないらしい」


「いや、ちょっと待って、いきなり情報量が多すぎる。最後の勇者ってなんだ。」


「最後は最後だよ。たしか500年くらい前に魔族を討伐した3人の英雄のことを勇者って呼んでるんだ。」


「さっきの疑問が解消されないうちに新しい情報が入ってくるんだが?子供に話すみたいに1から説明してくれない?」


「えー、めんどくさ・・あーわかったわかったよ」


俺が槍で素振りを始めるとエールは渋々だが説明をする気になったようだ

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