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1章12


コミュ力とはなんだろう


コミュニケーションのパワー


それは伝え合う能力


一方的な愛ではコミュ力は鍛わらなかった


女性と仲良くなりたい同朋達は、このことを強く記憶に刻んで欲しい



俺がしょんぼりしながら(服は着た)テントに返されると、ゴミを見るような目でエールから一瞥されたので「ごめん」と伝える。意図せず謝罪の言葉は先ほどマスターしたからな。


エールは俺の謝罪を聞くと、大きくため息をついて一言俺に声をかける。

反省しろよ的な?いや、気持ちはわかるぞ、かもしれない。エールもぼっちだし


どちらにせよ、明日からは心を入れ替えて頑張ろう。



翌朝



男性達との和気藹々とした生活が始まった。


余所者ではあるものの、女性への決死のアタックで男性陣から同情を買うことができたらしい。朝からめちゃくちゃイジられる。突然両脇を抱えられて、おじさま達に拉致された時の再現とかさせられる。その度に土下座で謝る真似をすると大爆笑だ。


男性達との距離はグッと縮まり、初日で全く進歩のなかったコミュ力が結果的に爆上がりすることになった。


しかも仲良くなったおかげで、前回まで連れて行ってもらえなかった狩りにも同行することができるらしい。

狩りの間は、村の男性陣が手薄になるので「女性との接触禁止」の俺を置いていけないという理由もほんのすこーしだけあるかもしれないが、仲良くなったから連れてってもらえるのだ、そうに違いない。決して危険人物を村に残しておけないという理由ではないはずだ


どんな理由にせよ、俺は狩りに連れてきてもらえてご機嫌だった。なぜなら、この世界にきて初めてとなるまともな武器「鉄の槍」を手に入れた。本当に鉄かどうかは知らないが、金属でできた丈夫な槍だ。ルンルン気分で振り回していると、おじさまAから蹴飛ばされる。あ、あぶないですね、すみません。


狩りは、ある程度散開して村の周りを歩き、少しずつ範囲を広げていくようだ。狩りというより、哨戒的な意味合いなのだろうか?村中心に半径数キロほどで魔物を探し、見つけ次第各々が狩っていく。俺はおじさまAと一緒に村人達の中心に位置づけていたので自分で魔物と戦うことはなかった。


狩りに同行したことで、初めて知ったことが2つ。

1つは男性陣も魔法を使えるということ。男性陣は火炎の魔法が得意なようで、魔族ほどではないがそこそこの威力の炎を放っていた。キノコの魔物が使っていた小型火の玉を強化したような魔法だ。鶏の魔物に有効なようだ。魔族に対して使わなかったのは属性相性的なものがあるのだろうか


もう1つは芋もちについて。芋もちと狩りに何が関係あるかって?俺も知りたくなかったところだが、芋もちの材料は、なんとキノコの魔物の粉だったのだ。そう、俺を爆死させた忌々しき不思議な粉だ。


村人たちはキノコの魔物を見つけると、体の部分を槍で突きさして倒し、レジ袋位の大きさの布袋をキノコの頭のてっぺんに被せてから、頭を何度も踏みつける。見ようによっては酷い拷問だが、実際は息絶えた魔物から素材を採取しているのだ。粉で一杯になった袋は食事の準備で女性達が使っていたものだ。


これに水をかけてよーくこねてから数分焼けば、おいしい芋もち風パンのできあがり。


ってこの粉焼いたら爆発するんじゃなかったの?俺は納得いかずにおじさまAに身振り手振りで聞いてみる。おじさまAの説明によると「水と混ぜたら爆発しないし、めっちゃ美味いだろ」とのことだ。お互いにジェスチャーが基本のコミュニケーションだが、だいたいこんな意味だったと思う。


狩りを終えた俺は芋もちへの若干の苦手意識を抱えて村に戻るのであった。


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