黒色火薬
護衛艦が海賊船に近づき、はしごを垂らして海賊たちを捕虜として確保した。その際に武器、所持品など、服以外は没収して手錠をかけた
「クソッ!こんな強力な軍隊が居るとは聞いてねえぞ!アルクィン!」
「私だってこんな化け物が居るとわかっていたら襲わなかった!」
主謀者はこいつらか…本当はこんなことがあったらあっちの世界では軍事裁判行きだな。さて、処分どうするっかなぁ〜…
「にしても…何でお前らが最新兵器を持っているんだよ!」
「この銃はこちら側ではありふれたものなんですがね。あなた方からして見れば確かに最新兵器です。連射、火力、装填速度、どれを取ってもこちら側が優位です。さて、主謀者はもうわかっていますが、誰が主謀者ですか?」
主謀者はアーノルド・アルクィン・ラジストという男爵らしい。ラジスト家の階級を上げるために新たな土地を占領して王に献上しようとしていたという。その際に兵士の代わりに最強と謳われていた海賊、ヘンガリー・モーラスを連れてこの地にやってきて、略奪、レイプ、奴隷化、殺人を条件に協力したらしい
「なんで魔法が使えるやつらばっかりなんだよ…おかげでこの有様だ…」
どうやらここの村は魔法で長い時間防衛をしていたようだ。今日こそ海賊は総力戦で占領しようとしていたが、我々が来たからそれも敵わなかったと話していた
「とりあえずクラスト国に掛け合ってこの海賊たちをどうするか考えるか…」
73式大型トラックに海賊たちを詰め込み、クラスト王国へ向かった
「…と、言うことがありまして、罪人らを連れてきました」
「状況はわかりました。では我々で牢屋に連れて行くので、お疲れさまでした」
暁はクラスト王国の兵士に海賊を渡すと、また海の村へ戻る
「隊長、お疲れさまです」
「君たちもお疲れ。武器の解析は進んだか?」
「はい。単純な構造で、分類的には火縄銃でした。ただ、火薬は相当に強力でしたね」
「そうだな。この世界に火薬が存在していたとは…」
「いえ、そうではなく…。この黒色火薬の威力が7.62mmに相当する威力でして…」
「ッ?!」
「これが射撃した鉄板です。右が5.56mm、左が黒色火薬です」
実射された金属板には穴が一つだけ…それも黒色火薬の方だった
「おかしい威力だ…ちょっと鑑定してみよう」
鑑定スキルを使って鑑定してみると、黒色火薬とは少し違っていた
「なんだこれ…カバスト木炭粉末?セルカイ粉末?それと硫黄だな。カバスト木炭粉末はカバストと呼ばれる木から作られた木炭で、セルカイ粉末はセルカイと呼ばれる鉱石の粉末か…」
「前の世界には無い木と鉱石ですね。それが威力を高めている…と…」
「可能性はある。だが、実際に作ってみないと分からない。王国側に掛け合ってこの木と鉱石がどこにあるか特定しろ」
「「「了解」」」
さて、私はそろそろここに来た本題に入ろうか
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