探検
「ねぇサファイア、ちょっと探検しない?」
二人は研究所を探検しに部屋を出た。そして、まだ未探索な施設を回った
「ここはなんだろう?」
「多分、ガラスの中に魔物が居るって事は魔物を分析しているのか、養殖しているのかも…」
「ここは魔物にだけ効く武器や毒などの化学兵器を作る場所です」
「「ッ!!」」
後ろに立っていたアストロノムスに二人はビックリした
「いつからいたの?!」
「先程から居ました」
「び、ビックリしちゃいました…」
アストロノムスは、解析室を案内した
「魔物はマスターが捕まえてきたのをこの羊水に入れて保管、解析をしています」
「ねぇアストロノムス」
「はい」
「名前、アストロノムスじぁ長いから、アスって呼んじゃダメ?」
「良いですよ」
「やった!」
ぴょんぴょん喜んでいるルビーの横にいるサファイアが、アストロノムス…アスに質問した
「この研究所はどのぐらい施設があるんですか?」
「今の段階で必要ないのを含めると50以上あります」
「多いですね。電力の方はどうなんですか?」
「太陽光発電、風力発電、地熱発電、いろいろありますが、主な発電は魔力発電で補っています」
「魔力発電?」
「魔素を空気中から吸収、それを使って魔力を溜めて、魔力から電力を得るという発電方法です」
「魔素を大量に消費するってことですか?」
「大体一般人の魔素の消費量で換算すると、12人分です。魔力災害にはなりません」
「それなら良かったです」
「ねぇ!これなに?」
ルビーが言っているのは、前の所有者が趣味で作った兵器だった
「それらは前のマスターが趣味で作った兵器です。ちなみにそれは、超大型重量戦車、マウスと言う戦車です」
※マウスとは、第二次世界大戦中にドイツで開発された超大型戦車だ。弱点は、沼地や砂浜といった場所ではキャタピラが沈んでしまうということだ
「乗ってみてもいい?!」
「はい、弾は抜いていますので、大丈夫です」
中に入ると、銃が飾ってあり、砲弾の薬莢が後ろに積んであった
「その砲弾は空砲です。撃ってみますか?」
「いいの?!」
「音とか大丈夫ですか?」
「それは大丈夫です。扉は閉めてありますから」
薬莢を砲台の中に入れて、トリガーを引いた
ド ゴ ォ ォ ン
密閉空間での発砲は音を逃さないため、普段より大きく聞こえた
「こ、この音やばい…」
「ちゃんと吸収剤は設置したはずなんですがね」
「まだ耳が聞こえません…」
数分経ってみると、発砲音に慣れてしまった
「よいしょ!よいしょ!サファイア、どんどん撃っちゃって!」
「わかったけど、とてつもなくうるさい…」
「点検も兼ねているので、どんどん撃っちゃって大丈夫です」
何発も、何十発も撃っていると、耳が麻痺を起こして慣れてくる
「あ、弾が無くなっちゃった」
「やっと…終わった…」
「結構前の火薬なのですが、正常に撃てましたね」
「”ルビー、サファイア、聞こえるかい?”」
無線から暁が連絡してきた
「”どうしたの、お父さん”」
「”面白いことをするんだが、外に来るかい?”」
「”行く行く!”」
「”あと、アストロノムスも連れてきて貰えないかい?”」
「”うん、わかった!”」
「”それじぁ切るね”」
通信を切ると、三人は外に向かった