訳
注意:全部の物語は私が通勤中に書いているので巻の中に納まっていない場合があります。
屋敷は誰かが管理しているみたいにキレイな状態だった。隊員と2人を別の部屋に待機させ、応接室の扉を開けて両者とも座ると、暗い顔をしながらスレスティアは話してくれた
「まずは手を煩わせて申し訳ない」
「いえいえ、それよりも…」
「あぁ、あのことだな。実際のところあれは意図的に私だけが悪だとワザと噂を流したのだ」
どういうことだ?ワザと流してもメリット性がないではないか。…一応録音しておこう。何かの役に立つはずだ
暁はボイスレコーダーを交換して録音ボタンを押した
「どうして噂を?」
「…帝国は大きくなりすぎてしまった。それを維持するためだった。余は民を愛して生活水準を上げ、できるだけ要望を叶えてしまったお陰で帝国内の信頼度は余だけでなく汚職をしておる貴族までもが対象になってしまった。だから偽の噂を流し帝国内のバランスを維持しようとした。結果的には上手く行ったが、なかなか精神的には辛いものでな…」
胸を押さえながら話してくれたスレスティアの顔は、申し訳ないという感情で沢山だった
「なるほど…そのような過去が…。領主を殺したのと大飢饉については」
「領主は帝国内に名前を変えて住んでもらっている。無論、生活支援などはした。大飢饉は帝国内も酷い有り様だった。均一に食料を回らせることに集中して手紙は読めなかったし、返事もかけなかったんだ」
「領主はなぜ死んだことに?」
「周りの者が領土拡大をするあまり、領主が生きていれば復讐しに来ると学んでしまってな。それで死んだことにして余の監視のできる範囲で過ごしてもらっているのだ」
「それでですか。領土拡大が終わった今、話しても良いのでは?」
「それはできない。話したとて火種が拡大するだけだ」
これは相当にめんどくさいな。確かにまだ言わない方が得策か
「後々メイドと補佐として誰かを送る。2日待っててくれ」
「わかりました」
話が終わると、暁はボイスレコーダーのボタンを押して切り、スレスティアは町にいる自警団に住民を集めるように言った。30分後、町の半分の人数が領主の館に集まった
「よくぞ集まってくれた。余はテレサ・ブラッド・スレスティア、ブラッド国の支配者である。今回、ここにいる自衛隊の暁神楽にここの領主となってもらうこととした。これは命令だ」
領民たちはスレスティアに良くない感情をぶつけるが、本人は気にもとめていない。そして話し終えた後、すぐにそこにいた自衛官1人を連れていき高機動車に乗り帰ってしまった
マジかよ~…その後丸投げ?
「と、とりあえず…私は自衛隊の暁神楽と申します。宜しくお願い致します。私が領主となる上で、この町では魔物や盗賊からも我々が守ります。インフラ整備にも尽力致しますので、どうかご協力宜しくお願い致します」
一礼して顔を上げて領民の顔を見ると、不安、疑心など読み取れるほどに出ていた
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