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新生活2

17話 初出勤

「おはようございます!」

店舗の人:「おはようございます」


「これからお世話になります中川です。よろしくお願いします」

店舗の人:「お願いしますー」

 控え室に入る。見覚えのある何かが横たわっている。

 人だ。しかもd店長? とりあえず俺は朝の準備を進める。


 俺の働く店は100店舗。主食材は人工肉のロブスター、鳥、豚、牛を扱い、人気商品は5cm角の各ロースト肉。あとはサンドイッチ、バーガー。

 バンズは小麦ではなくウルトラフード、さくさくした食感と薄いのに飛び散らない、生地感のあるクッキーと八つ橋を、足して2で割ったようなバンズだ。ドリア、パエリア、グラタンも提供している。

 店はよくある黄色と赤のマークのハンバーガー屋のような感じだ。天井はすこし低め、証明も低め。

 ほんのりブラウンがかった店内はちょっと隠れ家っぽい雰囲気で、年配から、小さい子までわりと多くの方に利用してもらっている。


 製造は80%がオートで20%手仕事。大体昼夜キッチン1に対してフロア3人の、比率だ。ロボはそこまで動き回らない店内は客とスタッフの会話の多い場となっている。1階はそれこそハンバーガー屋のような感じで2階は小人が湧いている。


 2階は予約制になっていて客の情報にあわせて、ホログラムの小人が15体ほど他愛もないバンドや漫才、話し相手になっており、記念日を盛大に盛り上げたりしている。特に子供や年配に人気があるようだ。

 モバイルに小人がたまに遊びに来る(広告)こともおそらく2階の層の人気の要素だと思っている。


 今日の俺はフル勤務。店長は夕方からになっている。いろいろ見ようって魂胆かと思い俺の体調は万全。

 一通りの席番と仕込み具合など朝の流れを確認する。

「じゃあ朝礼します」

 うちの会社の朝礼は円形。6人からなる小さな円ができる。

 朝のメンバーは4人。なぜか目の前にはdが立っている。

 

 朝礼の中で自己紹介をする。

 何事もなく朝礼は終了した。

 

 営業が始まる。

 ガチャガチャ。


 とりあえず昼は挨拶がてら多くの人と話しをしつつ問題なく営業を終える。

 まぁ来店がしれているからな。

 問題はここから。

 夜は俺と店長とスタッフ1名。割合なら40%カットだ。

 

 最低人員は5人。忙しい店は9人から13人で営業していることが多い。

 営業が始まると予想通り手が回らなくなってくる。すると突然dから一言

d:「もうええわ。お客様と話しててくれればええ」

 そしてdはスタッフに声をかけると訳のわからない仕事振りを披露しはじめた。

 神出鬼没。今はそれしかわからなかった。


18話 目まぐるしく過ぎる日々

d:「おつかれさん」

スタッフq:「お疲れさまでした」

 後片付けは機械がやってくれる。終わるまでに数字をまとめたりして確認して店を出るのがこの後の流れだ。

d:「どやった?」

「いや、まぁ、はい。役に立てずすみませんでした」

d:「まぁ最初はしゃーないわ」


 疲れた。俺は家路につく

―――――

「ただいま」

リマ:「お帰りなさい。お風呂へどうぞ」

 ちゃぽん→ガチャ→ブゥーン

 いつもと変わらぬ日々。


 とりあえず成果出さないとな。この調子だと体がやられる。

 MDで解剖学のデータを見始める


「うぅーん」

 疲れている時の集中力の無さは万国共通のはず。意識が遠退いていく


 そして気づけば朝になっていた


「やあ……世界」

リマ:「おはようございます」

リマ:「夢はどうでしたか?」

「夢はみていない」

リマ:「今日の予定は……」


 今日も生きている。仕方ない行くか。

―――――

 いつものようにローカールームに寄り店につく。


「おはようございます」

店舗の人:「おはようございます」

 今日は店長は休みのはずだが……


 横たわる店長を横目にとりあえず朝の準備を済ませる。

「朝礼します」

 また今日も円は6人。

 俺はいつも通り進めていく。

 ガチャガチャ

 昼は問題ない。大丈夫だ。

 

 また問題の夜だ。今日は俺とスタッフ3名

 また徐々に手が回らなくなってくる。

 するとひょこっとdがあらわれた。

「すみません」

d:「いいからお客様とはなしてくればええ」

 

 そんな感じで約1週間があっという間に過ぎていった。

 こんなにあっという間で、夢も見ない日々は人生でそうないだろうと思った。

 明日は休みだぁ!


d:「おつかれさん。明日はゆっくりしーや」

「ありがとうございます」

 体はきついがようやく仕事に慣れてきたと思っていた。

d:「あと……もうちょっとがんばりや」

「はい。がんばります」


d:「もうちょいみえるとええな。俺おらんとほとんど回らんから」

「店長は休まないんですか?」

 そならもっとできるようになり。と怒られた。

 

 なかなかにハードな職場だ。一周回った働き方改革だ。フロアは完全にオートメーション化したあと揺り戻しみたいにまた人の導入が進んだ。

 

 しかし結果を出さねば。

 俺はくたくたになりつつ家路についた。

―――――

「ただいま」

リマ:「お帰りなさい。お風呂へどうぞ」

 ちゃぽん→ガチャ→ブゥーン

 いつもと変わらぬ日々。ふとMDで転職サイトを物色する。

「何も無理しなくとも」

 俺はこの1週間で体が腰痛、肩凝り、背中のはりを強く感じていた。

 慣れない環境、少ない人員。

 どうしても売上の無い店は過酷になりやすい。だが、店長は役割を変えてはくれるがそれ以上何かを言ってこない。

 できないままいるのはなかなかにしんどいもんだ。

「寝るか」

 この後、久々に見る夢は俺をさらに窮地へと誘うのだった。

読んでいただきありがとうございます。

良かったらブクマ、評価おねがいします。


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