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サラリーマン睡眠中

13話 試練

N:「やあ」

「やあ」

N:「あいたかったみたいだね」

「そうなんだ」

N:「どうしたんだい?」


 色の免状の試験についてのことを話す。聞きたいことは山ほどあった。

「合格者数がおかしいんだ。何か特別な試験があるのか?」

N:「ほお。一般試験の100%につられたんだね」

 「つられた?」


N:「あれも1つの実験さ。ちなみに一般試験の合格者はEと数人だけだね」

 Nはすこし可笑しそうに笑った。

N:「一般はきちがいの……」

 ごほんっ

N:「すごい努力家の道さ。あとは諦めるか、君のように別の道を探す」


 俺は一般の道を行こうとしていたことを話そうとした唇を噛む。

 だが喉まできていたそれを抑えきれない。

「んぐっ!」

N:「どうしたんだい?」


 Nは怪訝そうな声でいった。

 俺は話せば大笑いされて、下手したら転げ回って話が進まないと思い切り替える。

「いや、別の道ってのはなんだ?」

N:「試練と呼ばれる方法さ。受験資格は同じだが、合格基準が異なる」

 特別な実技試験のようなものか。


N:「内容は、人の拷問、人の調理、、、」

「いや、まて!人体実験は許可後の話だろ?」

N:「もちろん。これは裏の人間用だな。裏の人材は博士とともに不可欠なのだ。そういう役割が欠員が出るごとに推薦で一定数確保している」

N:「証拠を処理することができるから私たちは人体実験ができるのさ」


 当たり前のように気が狂ったような話をする。

「色の博士達は人をなんだと思ってるんだ?」

N:「他のやつはあまりわからない。話しても真実かどうかを含めてな。私は愛すべき同胞。進化すべき存在としてみているよ」

 そう言って不敵な笑みを浮かべる。

 進化というワードの意味がおそらく違うものでNも大概だと俺は思い、ぞっとする。


N:「Eは違うようで、実験対象を見るだけでいいなんてものを作りおったから組織内でもすこしパニックが起きているぞ」

 まるでEがキチガイみたいな言い方だ。

 俺は突拍子もないことに反応し、話を最後まで聞いていなかったことを思い出した。

「他にはないのか?」

N:「金とコネだな」

「……っおい!その3つじゃ受験者数おかしいだろ!」


N:「ごろつきが多いからな。優秀な処理班を得るためにいろんな試練でつぶしあっているのだ」

「とんだ世界だな」

N:「そのお陰で適材適所、知を発揮してもらう世ができているじゃないか。世の中は一部の人間にコントロールされている。そう感じることは無かったか?」


「30年生きてればな。会社だって決定権を持つ人間がコントロールしてるんだ」

N:「そうだろう。だから私たちはその決定権をもつ人間がどうあるべきかを追い求めているのだよ」

―――――

「やぁ、世界」

リマ:「おはようございます」

リマ:「夢はどうでしたか?」

俺は空間に夢の話をする。

リマ:「「夢」のカテゴリが93になりました」

リマ:「本日の予定は……」


 とんだ悪夢をみていた気分だ。

 だが今日も生きてる。仕方がない。

 さて、行かないと


 肩の疲れを押して俺は準備を終え家を出た。


―――――


 ウィーン

「おはよう」

ロッカーロボ:「おはようございます」

ロッカーロボ:「いつものでよろしいですか?」

「頼む」

 ガチャッ

 このロッカールームは昔のコンビニとよばれる場所だ。

 今じゃ数は減ったようだが、それでもあちらこちらにある。


 人が空を飛ぶなんてことも一時期流行りかけたらしいが、権力者に潰されたのだろう。寄り道は格好の商売の場だからな。


 職場までは10分、健康のためそれ以上近くはできない決まりだ。


―――――

「おはようございます」

店舗の人:「おはようございます」

ガチャガチャ

 「ん?おはようございます」

k:「おはよう!」

「珍しいですね」

kはブロック長といってこの辺りをしきる上司にあたる。普段はリモートワークで店舗に来るときは何かあった時しかない。


k:「あぁ!中川くんに話しだよーん」

 嫌な予感がする。

k:「い、ど、う。だよーん!」

 やはりか。俺は約1年前異動申請をしていた。この腕と事件のことのぶり返しでだ。それまでは実家通いの店を店舗だったのだが、不安もあり売上の低い店に、移してもらったのだ。


k:「リハビリはいいよねっ?数字出てきてるしっ!」

 俺はそこそこやれていると思っている。体も慣れてきた。

 しかし、抜けてそうでみるとこみてんだよなぁ。この人。

「わかりました!」


 生きてくからにはある程度の出世は必要だ。この感触なら今より忙しい店にいくことになるだろう。と思うのはおそらくありふれたことだろう。

k:「つ、ぎ、はっ!s店でーす!明明後日から頼むよっ!」


14話 転勤

「えっ?!」

k:「s店だよーん!さくっと改善して次は店長いけるようにがんばってねーん!」


 o店(ここ)よりぐんと下のs店。立て直しと言われる業務は嫌いじゃない。

 「わかりました!でもだいぶ急ですね。何かあったんですか?」

k:「うーん、、ないしょっ!いってみたらわかるよーん!じゃあよろしくねーん!」

 kはさっさといってしまった。店長にはさっき通達したようで、奥で叫びながらスケジュールを組み直している。ブロックの社員への権限はある程度もっているため、比較的自由にお呼びがかかる。できる人だが読めない。というのがkの評判だ。

「まぁ仕方ないか。店長!」

o店店長「なんだい?」


「明日お休みください」

o店店長「わかってるよ。大丈夫。引っ越し先は探せそうかい?」

「まぁ、何とかします。すみません。助かります」


o店店長「じゃ、僕はもう少し変更と手配しなきゃだから、先あがってね」

 ここ(o店)の店長も見てきた中でかなりの実力だと思っている。割りとどの業種も社員でもどんどん職を変えていく時代。生え抜き(入社からそのまま)でいるのはよっぽど何か適している部分を感じているのだろう。

「お疲れさまでした」

 俺は店を出たところで声をかけられる。

女子高校生M:「中川さん異動ってホント?」

「あぁ」

女子高校生M:「そっか。寂しくなるなぁ。次の店舗でも、がんばってね!」

「ありがとう」

 そういって俺は家路についた。ちょっぴりニコニコしながら。

―――――


「ただいま」

リマ:「お帰りなさい。お風呂へどうぞ」

 ちゃぽん→ガチャ→ブゥーン

「リマ、s店周辺、即入居物件のリストとアポ、あと2台のホバーの手配を頼む」

リマ:「承知しました」

「リマ、あと餞別と挨拶で菓子折りの、手配も頼む」

リマ「承知しました」


「追加で明日の予定変更→o店挨拶、引っ越し、s店挨拶。頼む」

リマ:「……変更しました」

 

一通りの手配はできたはずだ。役所系はあとで大丈夫。それで水などインフラ系は自動で変わる。ここの契約は会社が勝手に行う。


「寝るか」

 物流は空中戦になっていき、家から出ずに生きていくことも可能に。住宅を増築できるスタイルも流行りで、家族型のつくりは、ボックス型の部屋を追加していく機能も増えた。

 吊り上げ式のホバー。ドローンのようなものが家ごと運ぶこともできる。

 家と地理情報が連携し、住所の概念は消失した未来。

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