ただのサラリーマンの日常3
11話 資格
N:「やあ」
「やあ」
N:「南から聞いたよ」
「あぁ、よろしく頼む」
N:「私たちはお互いには無干渉であることが多いから困った時は聞くと良い」
「それは組織としてどうなんだ?」
N:「組織のかたちなんて、あってないようなもの。会社と呼ばれるものもただのcompany 人の集まりって意味でしかないんだ」
「屁理屈じゃないかそれ」
N:「世の中に隷属していてはいけない。いや、それもまた良いか。大切なことは自分で決めることだ」
「そうだったね」
N:「信じるも信じないも、受け入れるも受けれないも自分で決めることだ」
―――――
「やぁ、世界」
リマ:「おはようございます」
リマ:「夢はどうでしたか?」
俺は空間に夢の話をする。
リマ:「「夢」のカテゴリが92になりました」
リマ:「本日の予定は、、、」
今日も生きてるからな。仕方がない。
自分で決めるか。そんなことできてたらきっともっと知らない世界にいるよ。
そう簡単にはいかないよね。
さて、行かないと
俺は準備を終え家を出た。
―――――
ウィーン
「おはよう」
ロッカーロボ:「おはようございます」
ロッカーロボ:「いつものでよろしいですか?」
「頼む」
ガチャッ
このロッカールームは昔のコンビニと言われる場所だ。
料金は月額前払いになっている。
職場までは10分、健康のためそれ以上近くはできない決まりだ。
―――――
「おはようございますっ!」
店舗の人:「おはようございます」
ガチャガチャ
待ちあと6組あります。
なんだってんだ。最近の忙しさは。
「ふぅ」
誰よりも緑で。
こんなに必要とされるなら応えないとな。
ガチャガチャ
―――――
「ただいま」
リマ:「お帰りなさい。お風呂へどうぞ」
ちゃぽん→ガチャ→ブゥーン
色、そういえばあまりちゃんと知らないな。
「リマ、色ってなんだ?」
リマ:「color、可視光の波長の差によって感覚質の差が認められる視知覚である色知覚です」
いや、違うんだ。そういうことじゃない。
「リマ、人の色ってなんだ?」
リマ:「お答えできない項目です。検索履歴から削除します」
そうだった。免状かぁ。
「リマ、人の色の免状」
リマ:「国家資格について検索しますか?」
「頼む」
リマ:「所得方法、試験で各項目70%以上の合格。適性審査(面談)
所得条件、推薦状1通、成人していること、大学卒または準ずる証明書
試験項目 解剖学 心理学 ヒアリング 統計学 色史 倫理学
FP CC スタイリスト 運」
12話 勉強は楽しい。
範囲広くね?なにする資格なんだ。てか運ってどうすりゃいいの?
まず推薦状って怪しい匂いが。国家資格だよな。
リマ:「選択項目 拷問 調理 技術士
一般合格率100%」
100%、陰謀の匂いがするなぁ。
「受験者数」
リマ:「年間3万名」
おおっ!それって上流はみんなもってるんじゃ。
「合格者数」
リマ:「300名」
……ん?
「合格者数」
リマ:「300名」
「合格者数」
リマ:「the number of successful examinees 」
俺が悪かった。どういうことだ。100%じゃないのか?単純計算で100万人くらいいておかしくないはず。
「……まぁいいか」
また夢でNにあったときに聞いてみようと思った。
勉強か。好んでしてはいないが、嫌いでもない。
30年、割りと一人でいることが多く、自分でなにかをすることは苦手じゃなかった。俺はMDでまず過去問を探す。
……検索エラー。
「そうだよな」
検索すら怪しい人の色。その過去問が出回るはずがない。
しらみつぶしに解剖学からどんどん調べていく。技術士まで調べたあとで俺は頭を抱える。
「運ってなんだ!」
運についてはなにやらオカルトチックなものから、占い師の情報。あと運送業がなぜかヒットしただけだった。
まぁ、そんなもんだ。俺は切り替えて内容のわかった部分の計画をたて始めた。
「……解剖学って実技もあるのか!……選択?しなくても行けるのか。何だってんだ」
色史は暗記科目だからと思っていたら、これを検索するのが非常に難しく、論文を見つけては参考文献を漁って自分で時系列に並べていくという作成型だった。
倫理学では脳波を測定しながら実際の倫理感も得点になる。どの必須科目も筆記半分くらいで実技が混じる。どれだけ理解しているかなんて質問をぶつけたときの脳の活性一つでわかるから、従来のテストも半分はこうなっている。
単語と説明。これを機械分析と脳波判定で正確性と確信性を評価していく。個別に進むため莫大なテストデータから本人に合わせて問題が出てくる。触りの大項目から理解があれば中項目、小項目と進む。
大項目を小学、小項目を大学と何とも文字遊び的になっている。そろそろ深学とかにならないだろうか……。
少しすると、こめかみの辺りが光った。
ー新着がありますー
俺はいつものように画面を開く
ウインドウが表示される。
「就寝の時間です」
いつもの健康管理アプリが時間を告げる。
気づけばこんな時間か。
「寝るか」
意識を強くもってそのことだけを考えるように没頭するゾーンという状態。
そこに意図的に到達するためにウィルパワーやエクスタシーなど脳の研究が進んでいます。
時代の進みに合わせて記録は増えていく中で、22世紀までをたどるのは今の私たちより大変なはずです。
世界が統一された場合その歴史は視点一つでねじ曲がり解釈はぶつかります。硫黄島からの手紙と星条旗は個人的に魅力的なテーマです。
だからかこの時代は学ぼうとしなければ何も得られない。No learn No gain