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であい2

7話 白2


南:「一旦色眼鏡を外してみようか」

 俺は言われるがまま眼鏡をはずす。


南:「あぁ!そんな外し方をしたら壊れてしまうじゃないか」

南は少し慌てながら眼鏡の外し方を説明する。

南:「両手で優しくね」

 この時代では健康に関して予防医学が発達し、眼球トレーニング等も進化。

 人は視力の向上をした。と生まれる前予防医学の項目で2048年に眼の予防医学が流行り、今じゃ老眼は70歳ごろ始まる。と習った気がする。


 眼鏡屋はMD(マウントディスプレイ)屋へと9割くらいは変わっている。そう身につける骨董品なのだ。だからつけるところも外すところも見たことない!

南:「さて」


南:「まず色眼鏡は誰の色でも可視化できるようにしたものでね。色を学ぶと他人の色や、自分の色が気になるもので少しずつ見えるようになるんだが、どうしても自分の色の世界が強く、違う色には気づきづらくなっていく。だから色博士にとっての老眼鏡のようなものなのだよ」


 だから作りが骨董品みたいなのか。

 色に関してはまだわからないことが多い。閉じ込めたというよりは、邪魔者が入らないように入り口を閉じたように感じていた俺は、比較的落ち着いていた。

「どうやってこれを開発したんですか?自分より上の人たちは、自分の色で得意な職業を選んで働いている」

 適色診断なんてのも、あるらしい。

「色の研究でも同じような色が集まるのなら、その色の人に使いやすいようになっているだけでは?」

「サングラスのように決まった色調を抑えるよう歪められたものが世界だと俺を欺こうとしているようにも」

南:「さすがは白に近い青年だ!思いの外、冷静だ」


南:「これはE博士が原案でね。彼は透き通るような白であらゆる色の変化を肉眼でとらえることができる。これはその力を具現化した道具なのだよ」

 さらに興奮気味に続ける。

南:「色とは人の心そのものでね。色の変化を見ることはすなわち人の心の変化が見えると言うこと。本当の色の変化は隠すことなんてできないんだ!」


南:「人は裏切る生き物だ。だが、これがあれば裏切りを隠すことなんてできないんだ。Eを中心に私たちの組織は大きくなった。だがその分組織の一人一人に目が届かなくなった。だから色眼鏡は開発されたんだ」

 俺は息をのんだ。

「裏切り者はどうしたんだ?」

南:「私たちは人体実験も可、なのだよ」

 汗が頬をつたう。こいつは危険だ。俺は多分、動揺している。

「ふーっ」

 精一杯、気を落ち着かせた。

「だから俺にこんなにもいろいろ教えてくれるんだね。同意がなければ、消してしまえばいい」

南:「まぁそれも1つ」


南:「だが正解ではない。話していることなんて、組織になんの影響もないのさ」

 嘘はないようにみえる。

南:「白は素晴らしい存在だ。だが危うさもある。小さな色ほど簡単に染まる。その中でも白は特にね」


南:「色とは心を可視化するための方便。黒い人間は世の中どこにでもいる。世界でテロや戦争がなくならないのは、そういった黒い人間が白を操り起こしているんだ。白は色の中心点。だから多くの共感を得やすい。だから純粋な黒はいつも白を狙っているんだ。黒は一時的に陥ることもあるが他の色と違い白はほんの少しでも黒く染まればすべてグレーだからね」


8話 中庸

南:「白は現実には弱い。多くの色で溢れる現実、色を持った方が生きやすい。

 だが、君の根は白へ白へと進んでいると組織の人間から聞いている」

「まさかNもこの組織の人間なのか?」

南:「それを知ったら守らなければならない。援助は約束するが生きづらくなる。さらに君は白のままその色を大きくすると誓わなければならない」


 南ははっと短くため息のような息を吐いた。

南:「なに、ヒーローになれだとか悪を退治しろとかそんなことじゃない。今まで通りの日常を過ごすだけさ」

南:「ただし白である覚悟が、必要なだけさ。覚悟があるなら同じ質問を。宿題にはできない。ここは「電光石火」。人と人とがぶつかり火花を散らすその瞬間を大切にする喫茶店。覚悟がなければすっとかわせばよい」


 俺は……左腕を触る。ここに母がいる。それに俺は気づいている。だからその青を大切にしたいと思ってきた。今までと同じ人生と戦ってきた。

 変えようと思いつつも変わらない日々を、ありふれた日々を、惰性になる日もあるが、変わらない日々と認識し生きるように、反省するようにしてきた。

 ただその思いだけでは青に染まる。その迷いが今まであった。

「1つ教えてほしい。白であり続けるために、大きくするために何をすべきか」

南:「中庸であることだ。誰よりも赤く、誰よりも青く、誰よりも緑で。そして誰よりも黒さをしり、透明さも知ること。それが白を大きくする」

南:「そして知りつつも手放し、拘らず、バランスをとり、真実にのみ目を向ける。それが白であり続けるということだ」


南:「君の父はその身の染まりつつある黒さに気づくのが遅かった。白に戻るには多くを失ってしまった」

「親父が?」

 VRが進化して今後もその勢いは加速していくようですね。Facebook のVRが特に早いですが、ハードとソフトどう進化していくのか楽しみです。

 眼球運動の先には視力検査のようなものも増えるはず。そしてスマートウォッチやスマートリングと連携してさらに健康を携帯するそんな時代はそう遠くないように思います。

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