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とあるサラリーマンの日常2

3話 白


「やぁ、世界」

リマ:「おはようございます」

リマ:「夢はどうでしたか?」

 俺は空間に夢の話をする。


リマ:「「夢」のカテゴリが90になりました」

リマ:「本日の予定は、、、」

 今日も生きてるからな。仕方がない。

 あれから数週間が経つ。

 今月も好調だ。予算も達成できそうだ。

 まぁ体はなかなか言うことを聞かないときもあるがなんとかなってしまっている。

 週末のメンツを鍛えれば恐らく予算は達成するだろう。

 教育はBotが進める時代、人の育成には事足りる。

 働く場はface to face、相手の要望を聞き取る仕事が親父の時代から残っている仕事だ。時代は自己理解。そのために多くの人と関わる仕事が人気になっている。俺の働く飲食もその一つだ。


 さて、行かないと

 俺は準備を終え家を出た。

――――――


ウィーン

「おはよう」

ロッカーロボ:「おはようございます」

ロッカーロボ:「いつものでよろしいですか?」

「頼む」


 ガチャッ

 このロッカールームは昔のコンビニと言われる場所だ。


 生まれた頃は商品が並べてあってワクワクしたが、今じゃこの方が楽だ。

 もう新商品ってのが少なくて。一定のアルゴリズムで月や曜日ごとに最適を選択できるが、めんどいからおすすめを学習してくれている。ってそれはいいや。

 職場までは10分、健康のためそれ以上近くはできない決まりだ。

――――――


「おはようございます」

店舗の人:「おはようございます」

 ガチャガチャ

バイトの女子高生M:「中川さんて、モテそうですねー」

「え、そう?ありがとう」

 今さらだが俺は中川 庸という。って誰にいってるんだろう。

バイトの女子高生M:「でも彼女いなさそう」

 Mはこちらを見ながらニヤニヤしている。


「違う!つくんないんだよ!」

バイトの女子高生M:「あ、ムキになってます?w かわいいとこみつけちゃった!」


 ちなみに、この女性からのモテそう。は遊んでそうの意味だ。

 飲食では未だに社員がバイトにモテる文化が残っている。

 高校生は足を、社員は若い彼女をとこのwin-winの関係は今後もつづいていくのだろう。

 今日は高校生とそんな話題がでるほど暇だった。

 ーーー

「ただいま」

リマ:「お帰りなさい。お風呂へどうぞ」


 ちゃぽん→ガチャ→ブゥーン


MDマウントディスプレイを被りテレビをみる。俺は中流のリベラルオンリー(独身)30歳。ありふれた人間だ。

 ふと今朝の夢の内容を思い出す。

――――――

「やあ」

N:「今回は少し久々だね」

「そうだね」

N:「まだ変われていないようだね。早く何かに囚われたありふれた幸せの日々に戻ると良いのに」

 

 囚われる?あまり、聞かない表現だ。ふと俺はあの日Eから聞いた色の話を思い出した。

「俺は白色みたいだね」

N:「知ってしまったんだね」

 Nは先ほどより急にトーンを落として答えた。唇が軽く震える感じがしてそのあとゆっくりと聞いた。


N:「……それで今後どうしていきたいんだね?」

 その質問はなんだ。高速で頭のなかの何かが壊れたり作られたりした気がした。

 その作られた何かが俺の口を動かした。


4話 灰

「グレーにでもなろうか」

 Nの顔色が変わる。呆れたのか、やっぱりと思ってるのか困った表情にも見える。

 N:「それもまた道か……」


 N:「これだけは忘れないでくれ。『修己治人』そして『電光石火』たとえグレーになってしまっても。忘れないでくれ。き…の…と……」

 最後なにかふと呟いたように思えたがうまく聞き取れなかった。


「リマ、修己治人ってなんだ」

リマ:「己を修めて初めて人を治められるという言葉です」

 「リマ、電光石火ってなんだ」

リマ:「撃石火、閃電光といい……」

 聞いておいて良かった。何かの技の名前かと思っていた。


 俺の焦りに気づくわけもなくリマは飄々と答える。

リマ:「もしくは北へ徒歩5分の地点、オーナー南の喫茶店の店名」

 今じゃ店の名前なんて使い古されたのかとても長く、「コーヒー飲むならここが一番や」とか「日本のベイモンドちゃん」とか名詞単体の店名が珍しく俺はとてもその店に興味が湧いた。


「リマ明日の10時、電光石火を予約してくれ」

リマ:「人数は1名様でよろしいでしょうか?」

「あぁ」

 なぜ聞く。日中のことが頭をよぎる。

 俺は少し苛立ちつつもいつか設定をかえてやろうと心に決めた。

リマ:「明日10時  1名様、予約完了しました」


 こいつわざとか、、、?まぁいい。明日はオフだから、今俺の心は広いのだ。

「寝るか」


――――――


 ザーッ

 からだが重い。

「やあ……世界」

リマ:「おはようございます」

リマ:「夢はどうでしたか?」

「夢はみていない」

リマ:「そうですか。6ヶ月ぶりに寝言を感知しました。再生しますか?」

「頼む」

 予防医学から、前兆を感知する時代、健康に関することはすべて管理されている。

 中でもストレス状態の技術は発展していると聞く。

「なんでそんなに冷静なんだ!なぜ一人だけそんなに無事なんだ!親父!」

 マウントディスプレイはお面みたいな感じで軽く、今のスマホやパソコンでできることは全部でき、目の動きで操作できて、後頭部から首にかけてのセンサーで体の動きを感知、ゲームなども可能。

 腕のバンドとも連携しており、家に帰ったらひとまずこれをつけておくのが日常だ。 

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