64話:母とフンシャル花祭り3
翌、5月3日は朝6時に起き、散歩し朝食をとり7時半過ぎに会場の大きな
通りに行くと、多くの人が来て場所取りをしていた。芝山伸吾が母と夢子に、
ここにいてと言い、10分程で、帰って来て、見物する場所にシートを置いて、
私が待っているから10時のカーニバル開始まで本でも読んで待っていると
言った。そして、その場所へ2人を連れていき、わかりやすいように黄色い
ハンカチをバンダナのようにして巻いて目立つようにしてるから、9時半過ぎに
来いと言った。
そして母と夢子はホテルに戻った。その後、9時半頃にバッグと水筒を持って
会場入りした母と夢子は直ぐに芝山伸吾を見つけて、シートの上に座り水筒を
渡し芝山が水を飲んでから立ち上がって少し屈伸運動した。10時前に小さな
子供達の一団が花を持って行進して来て、おおきな拍手をうけ、その後には
小さな子供と美人のお母さんとのパレードが始まった。
その後から、大きな屋台の上に乗った美女と多くの花で飾られたカーニバルの
一団がやってきた。するとカメラのシャッターの音がして、だんだん祭りの
ムードが盛り上がってきた。男女でペアでバレーや笑顔のダンスの集団が来て、
次に女の子だけの踊り綺麗なドレスに着飾った母と娘の回って踊る姿が可愛いい。
その後、美女だけの踊りのパフォーマンス、男女ベアの本格的ダンス・
パフォーマンス、若い女性達だけの踊り。
やがて多くの花で飾られた山車の車に乗った美女ペアと子供達が沿道の観客に
手を振り笑顔を振りまく。その後も工夫を凝らした素敵な衣装の女の子、
男女ペアの踊り。その後も、延々と続いた。昼になり、昼食をとりながらパレードを
見て午後14時になり早めにホテルに帰り母は部屋でい仮眠した。その後16時過ぎに
起き、少し周りを散歩して18時過ぎから夕食をとり風呂に入った。
今日の花祭りの話をしてビールを飲んで21時には床についた。明日は多くの
とびっきりの美人が笑顔を振りまいてくれる日だとホテルの人が教えてくれ、
明日がメインイベントの初日だと言った。翌5月4日も芝山伸吾が朝食後、8時頃に
場所取りに行った。そして10時に行くと大勢の観客で沿道が埋め尽くされていた。
綺麗な山車の上のとびっきりの美人の笑顔がみられた。しかし、なんで、こんな
美人が多いのか不思議なくらいで、コンテストでもあらかじめして、島以外の人
からも選出してるのかとか、いらぬ心配をした。
しかし、女の子がみんなに見られて踊るときの素敵な笑顔はとても綺麗だった。
まさに一世一代のはあれ舞台ではないだろうか。その美人さんと花はとても似合う。
何てコージャスなのだろう、フンシャル花祭りはマディラ島の女性の晴れ舞台と
いうわけだ。島民が花祭りも冬に行われるカーニバルも同じ様だと話していた。
こう言う幸福感を感じ、当たり前のように生まれ、学校へ行き、卒業し、働き、
結婚して、子供を作り、その子供がまた、結婚し孫を作り、世代が繋がっていく、
これが自然の摂理だ。その自然の流れを世の中の進歩、近代化の名のもとに金に、
まみれた商業主義にのせられて、自分だけが良い生活をと利己的になり、もっと
良い生活、収入の多い彼、苦労せずに裕福になろうと考え、最終的に、結婚せず、
それなりの人生を送り、結婚しない若者が増えるとしたら、本末転倒だと、
芝山伸吾はパレードも見ながら考えていた。