50話:フンシャル花祭り2
翌5月6日、朝7時過ぎに、パレードの通るメインストリートに場所を取り、
最初に芝山夫妻が8時まで、その場所にいて、9時に里山夫妻に交代して、
場所を確保していた。そもそもフンシャル花祭りは、春の訪れとともに、
マデイラ島の中心フンシャルで行われる花の祭典で、街は色とりどりの花々
で彩られ、花で飾られた美しい山車が何台も街の目抜き通りを練り歩く。
あざやかな民族衣装に身を包んだ人たちの底抜けに明るい笑顔が素敵。
メインとなるのは、花をふんだんにあしらい、とびっきの美女が乗った
山車。目にも鮮やかなこの山車とともに、市庁舎広場までの道のりを子供たち
が練り歩くパレードは、祭りのメインイベントになっている。
パレードの他にも、花の絨毯の公開やフラワーエキジビジョン、ショー
など様々な出し物を開催。最終日の今日は、8グループが、それぞれ自慢
の衣装と地区の美人さん達が笑顔を振りまいてくれ、フラワー大パレード
が繰り広げられる。写真やビデオを取る人達で、ごった返して、大変な
混雑だった。
お店も出て、昼食も近くで調達できて便利であったが、午後15時頃に
なると終了が近づき、芝山、里山夫妻もホテルへ帰って、マディラワインと
、つまみを食べながら、今日のパレードの美人さん達や可愛い子供達、親子
のパレードの話をして、疲れもあり21時には床についた。
翌5月7日は観光名所の一つジオラン岬にバスで出かけた、多くの観光客
が来ていたが、ジオラン岬は580mの断崖絶壁の上にあり、世界で2番目の
高さだ。そして、あろうことか、断崖に、せり出すように展望台が作られ、
しかも、足元がガラス張りで、580m下の海岸が見える、そのため高い所
が苦手な芝山夫妻は、そこへ行かず、高い所が好きな里山夫妻は大はしゃぎし
楽しんで、景色を見たり、多くの写真を撮っていた。
しばらくして、今度は植物園に行くことにした。フンシャル市街が一望
できる絶好のロケーションにあるマデイラ植物園では、2千株を超える
植物を鑑賞することができる。特に感激したのが、マデイラ島のシンボル
ともなっている極楽鳥花、ゼラニウム、キンポウゲなど、色とりどりの花々
が美しく園内で咲き誇っていた。花だけではなく、マンゴーやバナナなど
の果樹、サツマイモにヤムイモ、サトウキビなどの、マデイラを代表する
作物も栽培されている。
特に、極楽鳥花の豪華で、優美で、土手も美しい花なので、是非、一度
は見て見た方が良い。最後に、美しい海岸線を、3ケ所行き、多くの写真
を撮って来たが断崖絶壁であり、注意が必要であり、高齢者には奨めない。
宿に帰り、夕食をとり、ワインを飲んで22時に床につき、明日は、
マディラ島を離れて、アソーレス諸島のサンミゲル島へ飛行機で移動する。
翌、5月8日6時半にホテルを出て9時発、マディラ空港発、サンミゲル島
行きの飛行機に乗り2時間ほどでサンミゲルのポンタ・デルガーダ空港
に着いた。