23話:音楽の旅・アメリカ南東部6
これにより、南北戦争へと歴史は進むことになり、南軍、北軍、両軍合わせて
50万人近くの戦死者を出した。これはアメリカがこれ以降、今日まで体験
している戦役史上、最悪の死者数である。なお、北軍の公式戦死者数は36万
4511人であるが、南軍の公式な戦死者数のデータはないが、陸軍憲兵司令官
の報告書には13万3821人とある。
南北戦争に関する武器や旗、制服など多くの展示物があった。この博物館
をじっくり見て昼食を取って、ホテルに戻り一休みして、夕方、ブロード
ウェイミュージカルを見ることができるフォックスシアターを予約してもらい
出かける事にした。フォックスシアターは1929年オープンした由緒ある劇場。
今日は、有名なブロードウェイミュージカル、「キャッツ」が19時半から
上演されると言うことだった。19時半開演であり、18時ホテルを出て、
開演1時間前に入園して、フォックスシアターを見学してから「キャッツ」
を見ようと考えた。1920年代の豪華な建築様式を今に残すフォックス
シアターは、アトランタのダウンタウンにあ、4600 席の座席数を誇る
このシアターでは、世界的に有名なブロードウェイの人気タイトルから
スタンドアップ・コメディまで、年間を通して300 以上もの演目を上演。
かつて映画館であったこのシアターは1929年、フリーメイソンの
付帯団体シュラインによって建てらた。外側にドームとミナレットがある
この建物はモスクをモデルにしており、内部は細部に至るまで見事に装飾
されている。その細やかさは最早アートの領域。なんと、ほうき収納用の
クローゼットまで、細やかな装飾とブロンズ製のオーナメントが施されて
いるという徹底ぶり。
観客席に入ると、そこに広がっているのは、まるで宮殿の中庭にいる様な
錯覚を起こさせる豪華な空間。目にも鮮やかなエレクトリックブルーに
塗られた吹き抜けの円天井にはクリスタルライトが散りばめられ、
あたかも星のまたたく本物の夜空のよう。更にプロジェクターが作り出す
本物そっくりの雲に一瞬、本当に夜空を眺めているような錯覚にとらわれる。
1970年代に地元アトランタの非営利団体に買い取られた後、劇場として
の昔の栄光を取り戻したフォックスシアターは、現在ではアメリカの
国定歴史建造物の 1 つに指定された。そのなかでも一番は天井とそこから
吊り下げられているシャンデリアだろう。
フォックス・シアターをじっくり見学するだけでも十分に価値ある贅沢で
個性的な建物だった。開演までの1時間で、多くの写真を撮りまくった。
やがて、「キャッツ」が始まり、くいいるように見て、終了後、気持ちの
良い疲労感が残り、ホテルに戻り、またもや爆睡した。
翌4月26日、朝8時に起き、朝食後、タクシでアトランタ空港へ
11時半発の飛行機で成田へ、成田まで遠く14時間のフライトだった。
しかし、半分以上、うつらうつらしていて、食事以外の記憶があまりない程
、ぼーっと過ごした。成田に14時半に到着して、スカイライナーから
JR乗換、17時に家に帰って来た。