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1話:夢子の派手なデビューとピンクレディー

 青森県つがる市出身で、実家が民謡、津軽三味線を教える、地元でも有名な十津川屋。父は津軽三味線の名人で・家元の十津川護1925年6月8日、母、十津川麗1935年8月7日で、十津川夢子は、その家の師範代の末っ子として1960年8月9日に生まれた。小さい頃から、美しい高音で、母の声をついだと長女、十津川和子と共に、村では評判だった。


 まだ、この地では、男尊女卑がひどく、最初に生まれた十津川肇が、この家をついで次男の十津川次雄が、民謡の修行のため、北海道函館に渡った。長女の十津川和子は、民謡よりも津軽三味線に興味を持ち、毎日、自分で練習し、わからないところを先輩に聞いていた。次女の十津川夢子は、童謡が好きで、きれいな声で歌い、童謡コンクールでも、数々の賞を取った。


 しかし、民謡、演歌には、興味がなくもっぱら、流行歌、ポップス、一番好きなのがプレスリー、次がビートルズだった。そして、唄を作る、作曲、作詞の才能もあり、自分でいくつものフォークソングを書いて、歌い始めたのが中学1年1974年の春で、父に言ってギターを買ってもらい、弾き語りの練習を自分の部屋で、夜遅くまでやっていた。


 そして、次女という立場から両親も自由にやらせてくれていた。両親は、地元では、裕福な方で、十津川夢子が、東京の日出学園高校へ行きたいと言うと、寮費も含め出してやると言ってくれ、1976年に入学して、上京してきた。時間があると歌作りに励んでいて、日出学園と関係のある音楽関係者にできた曲を送るようになった。


 自分の作った曲の良い点、悪い点、修正するべき点を教えてもらった。その先生役は7歳上で同郷・青森県出身の商業高校を出た芝山伸吾という作曲家志望の男だった。十津川和子は、約1年で30曲の歌を作曲、作詞して芝山伸吾に送った。そして、1年半が過ぎた1977年4月に、十津川和子の曲も50曲を超えた時に、芝山伸吾が3曲を選定して会社に行った。


 それを聞いた社長が、会社で宣伝をかけると言ってくれた。その曲は、「ニレ花の咲く頃」、「海鳴りの港」、「りんごっこ」の3曲だった。すると、最初に、反響があったのが、演歌っぽいポップスの曲「海鳴りの港」で、有線放送でかかりだした。その後、誰が作った曲かとの問い合わせがあり、会社の方針で、詳細を明かさず、津軽の天才少女・津軽夢子と名乗った。


 そして、6月に津軽夢子は、正式にプロダクション会社と契約した。宣伝の仕方がうまい行ったのか、業界関係者が、誰だという話が騒動となり、「海鳴りの港」が評判になった。その津軽夢子の曲として「ニレ花の咲く頃」、「りんごっこ」もリクエストが増えだした。そして、上手く3曲を宣伝した。


 そのお陰で、3枚のシングルレコードB面も、彼女の曲で、くせのない明るい曲をつけて、発売することになった。この時点でも、彼女の顔は、依然として出さないでいた。すると「海鳴りの港」が発売の週の売上ベスト10に入り、翌週ベスト5、その月には、遂に1位と獲得した。翌月1977年11月に、「ニレ花の咲く頃」、「りんごっこ」も急上昇した。


 そして、会社の方も笑いが止まらなくなった。そして、翌月12月、TBSの有名な歌番組に、芸名を津軽夢子として出演させた。その後、人気の張本人が出演したので、TBSの歌謡ベストテン視聴率もぐっと上がった。そして、多くの週刊誌、芸能ニュースで取り上げられた。半年を過ぎた頃、1978年6月、彼女の作品でLPアルバムを出そうと言うことになった。


 その選曲を芝山伸吾が任され、十津川和子と共に、数日、スタジオに缶詰になって選曲した。8月に作り上げることができ10月に発売した。そして、依然として、この話題が続いている時、会社の関係者にNHKの紅白歌合戦に話題の人として出演依頼が舞い込んだ。

 

 もちろん喜んで、了解して、1978年年末の紅白歌合戦に出演した。すると、LPアルバムがヒットチャートを駆け上がり、1月にベスト3に入り、2月にトップを取ったが1週間で陥落して、あの怪物2人組「ピンクレディー」にトップの座を明け渡した。

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