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マ王の異世界生活(仮)  作者: 石白 たんこぶ
4/5

マ王、初めての登校

「馬王くんーおーきーてー。」

あぁ。朝か。今は何時だ。

「今日から学校なんだよ!?。遅刻するじゃん!。」

そういえば、今日から始業式とかいう日だったな。

初めて学校というものに行く。

記念すべき第一日目だ。


「カリバー、今日の朝飯なにー?」

この二週間という間で苅羽と俺の仲はかなり近しいものになった。

苅羽、と端的に呼ぶことはなくなり、カリバーと呼ぶことになったことや、カリバーはカリバーで俺のことを馬鹿だから、という理由でバオウと呼ぶ。

そして、この世界の仕組み、歴史、数学、化学、言語、高校についてなど、多くの知識を得た。


「今日は、バオウの好きな、たこ焼き。」

この世界にはうまいものがあふれている。魔界とは大違いだ。

俺が今はまっているのはこの「たこやき」というボールだ。実に素晴らしくおいしい。

「朝からたこ焼きとか豪華だなぁ。今日はいい一日になりそうだ。」


そういいながら、冷蔵庫の中にあった牛乳をたらふく飲んで、たこ焼きをほおばった。


「さて、それじゃ、行こうぜ。俺の新たな世界へ。」

「大袈裟。ただの学校だよー。。」


そうやって息巻いて家をでたはずなのに、なぜだ。

グギュルルルルルルル

「腹が、腹がいてぇ。」


どうして、こうなった。


家を出て10分後、学校についた。

多くの生徒がその学校という建物に吸い寄せられていく。

「これが、学校。」


校門の前にはスーツを着た男性が2人、女性が2人。

「あれが、先生。」


ふふふ、ここがわが拠点となるのか。フハハハハ


「恥ずかしいからきょろきょろするのやめて。バオウ」

「なぁ、今からここで、俺は勉強をするのか。」


「そうだよ。2年間、ほとんど毎日。」

2年など、あっという間ではないか。

「楽しく、なりそうだ!」


「バオウはまず手続きしないとだから、事務室に行ってこなきゃだね。私は、始業式だからここからは別々。じゃあまたあとで。」


カリバー、いいやつだった。

ここからは、俺の戦い。俺一人で戦っていかなければいけないのだ。


事務室とやらに行くのであったな。

「今日からここで通わせてもらうことになった馬飼馬王です」


無事に手続きは終わった。

それにしても、馬飼馬王という名前で定着してしまったが。。いまさら違うとは言えないからなにもゆえないが。でも、なんか、ダサい。。。


さて、そろそろ教室というところに行くのであったか、、、、


「っな、、、、、」

なんだこの痛みは。


激痛だ。

腹がねじれる。魔法か。誰かの術なのか。

やばい。痛い痛い。


「と、といれえぇ」


回想終わり

そして今に至る。

トイレにこもること10分が経過したくらいか。


「やっと痛みから解放された。」


安心するのは、まだ早い。

どこかで誰がこのような術をしかけてきたのか、そして今もまだ狙われている可能性もある。

安心するな。

とりあえず教室とやらに行かねばならぬ。


ガラッ

そこには多くの人間がいた。

カリバーは前のほうに座っている。一人で、一人で、だ!


「さて、俺の席は、っと、、、」


「君が〈うまかい〉くん?隣の凩雄紗こがらしゆうしゃ。よろしく。」

どうやら俺の隣に座っている男は馬鹿のようだ。

うまかい、じゃない。

「まかい、だ」

うまかいとはなんだ、トナカイじゃないんだぞ俺は。

「お?そうかぁ。まぁ細かいことは気にするなよ。バオウ。」

くっ、こいつわざとやっているのか。

「バオウじゃない。まおうだ」



「おらー、みんな席につけぇ。先生様の登場だぞぉ」

「ぶふぉっ」

ユウシャは吹き出して、笑いを我慢している。我慢できていないが。


「バオウ、なんだよあれ。小さすぎだろ。小学生かよ。幼女かよ。」

確かに、ちんちくりんだ。こういうのを正真正銘のちんちくりんというのだろう。推定8歳くらいだろうか。

席が後ろのほうでよかったな。

先生というものをあまり知らないが、そんなことを言えば何かしらのバツが与えられるのだろう。

幸運だったなユウシャ。


「あの体系容姿で態度でかすぎだろ、先生様ってなんだよ」

必死に笑いをこらえながら、笑っているが、普通に笑っているな。


だが本当に後ろのほうの席でよかったなと思う。


チュンっスコーーーーーーーーーーーーン


「・・・」

全然、よくなかった。


先生が持ってたチョークとよばれるものが凶器となってユウシャの眉間に命中した。


「何か、言ったかぁ?ユウシャコガラシよ」


「いえ、なにも」

頭をくらくらさせながら、ユウシャが答えている。

先生、おそるべし。


ユウシャのおかげで、先生に逆らってはいけないということを俺は学んだ。

お前の犠牲を俺は忘れない。

死んでないけどな。


「私の名前はぁ、カミナリ先生ってよべぇ。」

いや、それ名前じゃないし、ただの呼び名だし。


口に出しては言わないが。


「それでは、さっそくだがぁ、2年になったんだ。一人ずつひとことずつ勝手に適当に自己紹介やってくれ」


自己紹介、カリバーに話を聞いててよかった。

いう内容はさまざまらしいが、無難なのは

名前、好きなこと、趣味、自分のあだ名。そのようなことを言えばいいらしい。


実に緩い試練だ。




とうとう、俺の番だ!

「ふ、俺の名前は、馬飼馬王まかいまおう。魔界より転移してきた、魔王である。好きなことは蹂躙。趣味は蹂躙。そして、あだ名はバオウ。カリバーが、俺につけた呼び名だ。。。。くっぅぅぅぅ」


まただ、また激痛だ。

なんだこれは。先ほどまで収まっていたのに、なぜまた術が発動したのだ。

腸をねじる魔法だと。かなり強力ではないか。


このままでは自己紹介という試練を完遂する前にトイレというシェルターに逃げ込まなくてはいけなくなる。


どうする。どうすれば。。。

「バオウ、顔色、悪いぞ。」

うるさい、黙ってろユウシャ。

「腹、痛いんで、トイレ行きます。」


・・・

我慢の限界じゃああああああああああああ。

俺は教室を抜け出し走った。

ただひたすらトイレまでの道を走った。


「はぁ。。。出だしから失敗した。。」


トイレから出ると、教室はもぬけの殻だった。

始業式ということで今日は午前中だけだったようだ。

カリバーの姿もユウシャの姿も見当たらなかった。


「俺も、帰るか。」

今日、初めて学校というものに行った。

そして、今日初めて下校というものをする。


道が、、、分からない。。。。





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