表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
AIOライト  作者: 栗木下
10章:創門街・タイバン

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

581/621

581:109-10-S19

「グルアアッ!」

「『レウ・ギィ』」

 ペトロワイバーンが大きく口を開けながら、こっちに向かって突っ込んでくる。

 対する俺は『レウ・ギィ』を発動、自重を大きく増やす。

 そして右手の斧を大きく振りかぶり……


「『ティラノス・ミデン』!」

「グギッ!?」

 ペトロワイバーンの顔面を横から強打。

 突っ込んできたペトロワイバーンは体勢を崩す。

 が、そのまま突っ込んできたので、俺はワイバーンの脚と翼の間をすり抜けて、ワイバーンの後方に移動する。


「使うか……エヴァンゲーリオ・ハルモニアー」

 今の一撃で与えたダメージは最大HPの1%ほど、どうやらペトロワイバーンのHPは見た目通りの高さであるらしい。

 なので俺はここは少しではあるが普段以上に力を入れるべきだと判断。

 インベントリからカプノスを取り出し、素早く煙を吸い込むと、変身をする。

 ただし、今回変身するのは脚でも、腕でも、ましてや頭や胴でもなく、内臓である。


「行くぞ……ふんっ!」

「グギッ!?」

 俺はペトロワイバーンの尾を全力で踏みつける。

 すると、ペトロワイバーンは妙な声を上げると共に逃げようともがきだすも、『レウ・ギィ』で重量が増している俺を退かす事が出来ずに逃げられなくなる。


「グガアアァァ!」

 となれば必然ペトロワイバーンは俺に向かって襲い掛かるしかなくなり、再びこちらに噛みついて来ようとする。


「グルアッ!グラアッ!」

 そして噛み付きだけでなく、両翼に付いている爪も使って攻撃を仕掛けてくるし、尻尾を抑えられているので厳しそうだが、隙さえあれば鋭い鉤爪の付いた両足での攻撃も仕掛けてこようとする。


「そう簡単に受ける気はない」

 だが、攻撃を仕掛けてくる方向が限られている上に一対一の戦いで相手の攻撃を素直に受ける程、俺の反応は悪くない。

 淡々と両手の武器でペトロワイバーンの攻撃を捌いていく。

 そして時々罹患する状態異常:ペトロも、ペトロスィンクセルハマーで攻撃を弾くついでに回復していく。


「スゥ……」

 と、ここで、いい加減に焦れたのだろう。

 ペトロワイバーンが大きく息を吸い込むと同時に、ペトロワイバーンの口内から赤い光が漏れ出す。

 どうやら、その見た目に相応しくブレス攻撃を持っているらしい。


「させる気はない」

「グバッ!?」

 が、撃たせてやる理由はないので、『ドーステの魔眼』を撃ちこみ、口内と喉で暴発させてやる。

 するとそれだけで、ペトロワイバーンのHPバーが5%ほど減少すると同時に、大きく天を仰ぎ、口から煙を吐き出しつつ怯む。

 進行性の状態異常:ペトロにかかっていると言う表示もあるが……


「ふんっ、よっ!せいっ!」

「グギッ!?」

 うん、当たり前だがペトロスィンクセルハマーで殴った瞬間に治ったな。

 翼の石化も解除されているようだし、このままだといつ飛び立ってもおかしくない。

 と言うわけで、尻尾を踏みつけている方の足はしっかりと地面と結び付けておく。


「グ、グガアアァァ!」

「むっ……」

 と、ここでペトロワイバーンが叫び声を上げる。

 そして、それと同時に背中側に鈍い違和感を覚えると共に、幾らかのダメージと状態異常:ポイズン、状態異常:ディレイ、状態異常:ペトロを俺は受ける。


「毒針か」

 どうやら尾に付いている毒針を上手く動かす事で、俺に毒を与えてきたらしい。

 だがそれは想定済みの行動でもある。


「グガアァァ……ギャイン!?」

「今の俺に並の状態異常が通じると思うな」

 エヴァンゲーリオによって内臓が本来の姿に戻っている俺の身体は、だいたいの毒は無毒化すると同時に自らの糧にする事が出来る。

 その証拠に俺の関節や口からは特性:バーサークのエフェクトに混じる形で、僅かではあるが赤黒い炎のような物が漏れだしている。

 そして、その炎を斧に注ぎ込むことによって、俺の攻撃は威力を増す。


「グ、グ、グガアァァ!」

「おう、とっとと来い。次の地吹雪が怖いからな」

 勿論、内臓変身の効果はそれだけではない。

 ステータス面で言えば回復力や持久力が大きく上がっており、ペトロワイバーンがこれまでずっと暴れているにもかかわらず、俺のHPバーは大して減る事は無く、足はペトロワイバーンの尾を抑え続けることに成功している。

 それ以外にも、今は意味がないが、スィンク種やゴースト種に対して何かしらの影響を与える事も出来るだろう。

 なにせ、俺の本来の内臓とはそう言うものなのだから。


「グ、グギアアァァッ……」

「よし、終わったな」

 そうして一度も飛び上がらせる事も無く10分ほど殴り続けた結果。

 ペトロワイバーンのHPバーは底を突き、倒れたのだった。


「さて、剥ぎ取りは……ペトロワイバーンの吐息袋か」

 まあ、今回は運が良かった。

 地吹雪に巻き込まれたのだろうが、最初の時点ではペトロワイバーンは空を飛べない状態になっていたからな。

 仮に最初が十全な状態だった場合、何かしらの方法で撃ち落とす事から始めなければいけなかったから、相当の苦戦を強いられたことだろう。

 で、剥ぎ取ったペトロワイバーンの吐息袋だが、こんなアイテムだった。



△△△△△

ペトロワイバーンの吐息袋

レア度:4

種別:素材

耐久度:100/100

特性:ペトロ(石へと変化させる)


ペトロワイバーンのブレス攻撃の源になっている内臓。

非常に強靭であり、万が一の暴発があっても誘爆するような事は無いようになっている。

個体ごとに異なる属性を秘めており、この吐息袋は火の属性を秘めている。

▽▽▽▽▽



「ふうん、良いアイテムだな」

 繋がりは……現状では見えない。

 だが、有用なアイテムである事は間違いないだろうし、この感じだといずれ見えるかもしれないな。


【ゾッタの戦闘レベルが39に上昇した。戦闘ステータスの中から上げたい項目を一つ選んでください】

「と、レベルアップか」

 と、ここでレベルアップのインフォが流れたため、俺は生命力を24に上げる。

 一人旅のおかげだろうか、流石にレベルアップが早いな。



△△△△△

ゾッタ レベル39/40


戦闘ステータス

肉体-生命力24・攻撃力10・防御力10・持久力9+4・瞬発力10・体幹力10

精神-魔法力10・撃魔力10・抗魔力7・回復力40+20+10+4・感知力10・精神力11


錬金ステータス

属性-火属性10・水属性10・風属性10・地属性10・光属性7・闇属性10

分類-武器類20・防具類15・装飾品15・助道具20・撃道具15・素材類20

▽▽▽▽▽



「さて行くか」

 そうして俺は再び移動を始めた。

10/31誤字訂正

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ