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AIOライト  作者: 栗木下
10章:創門街・タイバン

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575:109-4-S13

【AIOライト 109日目 09:57 (満月・晴れ) BL1・『?湿地の迷宮』】


「さて、とっとと作るか」

 俺は周囲の安全を確認すると、携帯錬金炉を取り出す。

 そして、つい先ほど手に入れた壊れた装備品(大槍)と『?デュラハン』の蹄鉄を携帯錬金炉に投入する。


『kA8ew0 bReaksuln0hA 5out31nAi te=kA siNaitO mend0i2a』

「んー、難易度はやっぱり高くないな」

 未識別アイテムを使った錬金ではあるが、難易度は高くない。

 この辺りは錬金レベルの高さのおかげだろうな。

 また、妙な反応も見えていないので、出来上がる品は極々普通の装備品になるだろう。

 なお、壊れた装備品(大槍)を使ってはいるが、作るのは大槍種別の武器にする気はない。

 大槍では壁を壊すのに不適当なので当然だが。

 で、錬金が終わって出来上がったのがこれである。



△△△△△

『?デュラハンハンマー』

レア度:3

種別:武器-鎚

攻撃力:350

耐久度:100/100

特性:?(???)


未識別状態のため、詳細は不明。

▽▽▽▽▽



「うん、いい感じだな」

 俺は出来上がった『?デュラハンハンマー』を斧の代わりに装備すると、軽く振り回してみるが、いい感じに空を切っている感覚がする。

 これならば、目的は達することはできるだろう。

 なお、長さは『?デュラハン』が使っていたランスが元になっているので、おおよそ2メートルほど。

 見た目の特徴としては全体的に黒く、打撃部が『?デュラハン』の蹄鉄を模した形になっている。

 特性不明の為に細かい諸々が分かっていないが……まあ、この階層の特性は特性干渉特性だろうし、何も問題はないな。


「じゃ、行きますか。『エファス・フォティア』『レウ・ギィ』『ティラノス・ミデン』」

 と言うわけで、俺は次の階層に繋がる階段に向かうにあたって壊すべき壁を見据えると、両手で『?デュラハンハンマー』の持ち手を握って振りかぶり、グリスィナ・スィンバシの持つ起動文を発動。

 その上で……


「かあっ!」

 全力で壁を叩いた。


「……」

 結果は?


「よしっ」

 轟音と共に『?湿地の迷宮』の壁は崩れ落ち、人一人が通るには十分な幅の穴が開いた。

 ま、開いた穴のサイズが幅1メートル半、高さが3メートルほどで、壊したにしては穴の縁が綺麗なあたりからして、GMも想定している攻略法ではあるんだろうな。

 GMが想定していないであろう部分は……


「じゃあ次だ!」

 俺が繋がりを見ることによって、次の階層に繋がる階段に辿り着くための最短ルートを知る事が出来、それによって壊す壁の枚数を最低限にする事が出来る部分だろう。


「さあ、どんどん行くぞっ!」

 いずれにしても迷宮マップなんてマトモに探索していたら、丸一日かかっても攻略できるかは分からないしな。

 利用できるものは利用して、とっとと次の階層に抜けてしまうとしよう。


「ふははははっ!」

 と言うわけで、敵に見つからず、階段にも素早く辿りつけるルートをしっかりと認識した俺は『?デュラハンハンマー』でひたすらに壁を叩き割って進み続けた。



----------



【AIOライト 109日目 11:32 (満月・晴れ) BL1・『反転する湿地の迷宮』】


「そぉい!」

 俺は十数枚目の壁を叩き割る。

 これで『?デュラハンハンマー』改めアンチデュラハンハンマーの耐久度は残り10程、次の壁を叩き割ったら壊れてしまうだろう。

 が、何も問題はない。

 なにせもう叩き割るべき壁はないのだから。


「さて、装備を斧に戻してっと」

 なお、この階層の特性が特性:アンチと分かったのは、壁を叩き割っている間に『?デュラハンハンマー』の耐久度回復に第一階層の『夜の草原の洞窟』で手に入れたミドナイトオーガの角を使った錬金を行い、その後の戦闘で何度か敵……アンチデュラハンを叩いてみた結果からである。

 具体的に言えば、特性:アンチと特性:ミドナイトが組み合わさった結果として、正午に近づくにつれて威力が上がっていった。

 何と言うか、普通に便利な武器になってしまった感じはあるな。


「お前を倒せば階段だな」

「……」

 さて、目の前の状況に話を進めよう。

 今、俺は曲がり角を後一つ曲がれば次の階層に移動できるところまで来ている。

 だが、そんな俺の前には道中で見かけた一体のモンスターが立ち塞がっている。


「しかし、お前の名前はまるで見当がつかないな。ヘクトアイズではないようだし」

 高さは約3メートルほどで、幅も2メートル近いために無視することは出来ない。

 巨大な銀色のプリンとでも称すべきその身体には六個の眼と一つの口が付けられており、それらは体表を自由に移動している。

 なお、見た目は巨大な銀色プリンであるが、その表面はかなり硬そうな感じがある。

 名前は『アンチ?』Lv.34。

 正しい名前はおろか、攻撃方法も何も分からない、未知しかない敵である。


「まあ、それでもやる事は変わらないな。『エファス・フォティア』」

 俺は斧に炎を纏わせると、銀色プリンに切りかかろうとする。

 だがそれよりも早く銀色プリンの六つの眼が俺の方に向けられる。

 そして次の瞬間。


「ガンジャ!」

 銀色プリンが声を上げると同時に、目から俺に向けて魔力が放たれ……


「っつ!?」

 胸元で爆発。

 俺は幾らかのHPダメージと同時に橙色の障壁が砕け散るのを目撃した。

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