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AIOライト  作者: 栗木下
9章:双肺都市-後編

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518/621

518:100-2-S1

【AIOライト 100日目 08:15 (半月・晴れ) RS1・???】


「さて、攻略開始ね」

 俺たちは『同盟の彩砂-1の洞』に着くと、アライアンスを調整して突入した。

 メンバーは予定通りで、グランギニョル、シュヴァリエ、ソフィアの三人が第一PT、俺、ロラ助、リュドミラ、ボンピュクスさんの四人を第二PTとしてアライアンスを組んだ。

 役割としては第一PTが遊撃を主体とし、第二PTが防御を主体とする感じか。

 戦闘レベルが低めなために支援を中心とした立ち回りにならざるを得ないリュドミラとボンピュクスさんが第二PTに居る辺りからもそれは窺える。


「コンソールはこれですね」

 ロラ助がコンソールを見つけて操作を開始する。

 今更な話だが、『同盟の彩砂』の第一階層については無条件で一通りの情報が得られるらしい。

 これは討伐モンスター数によって得られる情報が増えると言う『同盟の彩砂』の仕様に合わせた結果だろうな。


「では、一通り情報言いますね」

 さて、ロラ助に依ればだ。

 特性は特性:エンデュ、持久力を上昇させる特性。

 出現するモンスターは4種類で、エンデュホース、エンデュリギア、エンデュスライム、エンデュグラップラー。

 次の階層に移動するための討伐モンスター数はPT数かプレイヤーの人数を反映してなのか20、次の階層の事を考えたら、実質的には30程度だろうか。


「で、構造は……おっと」

「まあ、船みたいだな」

「より正確に言えば『持久力溢れる砂漠の船』、でしょうね。窓の外に砂漠が広がっているのが見えるわ」

 正式なダンジョン名はグランギニョルの言うとおり『持久力溢れる砂漠の船』だろう。

 窓が船のそれである上に揺れもある。

 おまけに窓の外には砂漠が広がっていて、窓からは厳しい日差しが射し込んでいるのだから、間違いない。


「ま、とりあえずは安全に戦える場所と次の階層に繋がる階段を見つける事だな」

「そう言えば『同盟の彩砂』だと最初の部屋に階段が無いんだったわね。忘れていたわ」

「じゃ、気を付けながら探索開始だね」

 注意するべきは船の揺れと穴によるエリア外移動で起こされる即死罠と、強烈な日差しと暑さによる体力の消耗、それから特性:エンデュが何かしらの影響を及ぼす可能性についても考えてはおくべきだろうな。

 まあ、ダンジョンの持久力が上がったところで何が出来るんだと言うのは疑問ではあるが。


「頑張るのじゃ」

「足手まといにはならんようにせんとな」

「みんなでサポートするから大丈夫です。ね、マスター」

「そうだな。ヘイト管理は任せておいてくれ」

 そうして『同盟の彩砂』第一階層『持久力溢れる砂漠の船』の探索は始まった。



----------



【AIOライト 100日目 08:27 (半月・晴れ) RS1・『持久力溢れる砂漠の船』】


「早速みたいね」

「「「リギリギ……」」」

 探索を始めて暫く。

 人が五人ほど横に並んで歩ける通路を行く俺たちの前にエンデュリギアが三体現れる。

 レベルは低い方から順に26、27、30。

 サイズは……だいぶ昔に出会ったものと比べて二回りほど大きく、2メートル近い体長になっているな。

 うん、体長2メートル近いフナムシとかかなり気持ち悪いな。


「「「リギイイィィ!」」」

「戦闘開始!」

「おうっ」

「はいっ!」

 エンデュリギアたちが一斉に突っ込んでくる。

 それに合わせて、俺とロラ助が前進する。


「「リギアッ!」」

「よっと!」

「せいっ!」

「『癒しをもたらせ』『大地の恩寵をその身に』!」

 二体のエンデュリギアたちの突進が俺とロラ助に当たる。

 が、レベル差もあってか受けるダメージは大したことが無く、シアの支援もあって受けたダメージは直ぐに回復し始める。


「リギイイィィ……リギャ!?」

「うん、いい感じだよ。師匠」

「ふふふ、流石は師父ですわー」

「さ、節約して仕留めるわよ」

 で、俺とロラ助の間を予定通りにすり抜けて俺たちの後方に辿り着いたエンデュリギアは他の面々によってタコ殴りにされて、倒される。


「リギュ!?」

「おっと、状態異常:ポイズンが入ったか」

「今更ですけど、ゾッタさんの装備、本当にエグイですね」

 と、ここで俺が足止めしている方のエンデュリギアに状態異常:ポイズンが発生する。

 どうやら防具のどれかの効果によって罹ったらしい。


「そうか?」

「攻撃しても毒、防御しても毒、持久戦が得意なゾッタさんが持つと本当にエグイですよ」

「ふうん、そんな物か」

「リ、リギィ……」

 俺はロラ助と会話をしつつ、ネクタールと協力してエンデュリギアを適当にあしらい続ける。

 それだけでエンデュリギアのHPバーは状態異常:ポイズンによって削られ続けていき、やがて倒れる。


「そう言うロラ助も地味に状態異常を使っているんだな」

「どうしてかタンク役を任される事が多くて、気が付いたらこう言う装備になっていただけです」

 と、ここでロラ助が戦っている方のエンデュリギアを見てみると、いつの間にか状態異常:バーンと攻撃力低下、撃魔力低下が入っていた。

 どうやらロラ助の持っている刀と二体のフェアリー型ホムンクルス……ヴィエントとブリサのどちらかがそう言う事が出来るようになっているらしい。

 そうしている間にシュヴァリエとソフィアの攻撃も入り始め、最後のエンデュリアギアも呆気なく倒された。

 何と言うか、この間のナイトビュアラクネたちの印象が強すぎるのもあって、戦闘になったと言う気すら碌にしないな、これ。


「じゃ、消耗も特にないようだし、剥ぎ取ったら次に行きましょ」

「分かった」

 なお、剥ぎ取りについてはエンデュリギアの牙、甲殻、触覚が一つずつ手に入った。

09/13誤字訂正

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