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【AIOライト 87日目 19:32 (4/6・雨) ドウの地・南西の草原-ヘスペリデス】
「さて……」
夕食後。
シアから装備を受け取った俺はミデンの前に立つと、ミニラドンたちに運び込ませた素材をミデンへと投下、とあるアイテムを作成する。
そして出来上がったアイテムの詳細を俺は確認する。
△△△△△
『回復力溢れる多頭蛇の王』の鱗
レア度:4
種別:素材
耐久度:100/100
特性:リジェネ(回復力を強化する)
ディスペル(魔の力を打ち砕く)
『回復力溢れる多頭蛇の王』の全身を覆う鱗の一つ。
炎、毒、酸、衝撃など様々な外部刺激に対して極めて高い耐性を有している。
ヒュドラはドラゴンの一種でもあるため、そのポテンシャルは他の生物種とは比べ物にならないが、それは同時に、それだけ扱うのが難しいと言う事でもある。
通常個体であるリジェネヒュドラのものよりも質が良い。
▽▽▽▽▽
「いい感じだな」
出来上がった鱗は綺麗な緑色をしており、その表面は非常に滑らかである。
感触としては硬くも無く柔らかくもないが、それは説明文通りに大抵の攻撃を難なく凌げるだけの堅さでもあり柔らかさでもある。
間違いない、これはレア度:PMを作るのに使えないだけで、防具の素材としては現状における最高位にあると言っていいだろう。
「じゃ、早速作りますかね」
俺は『回復力溢れる多頭蛇の王』の鱗の状態を確認し終えると、同じアイテムを更に2つ作成。
そしてシアの装備との錬金を始める。
『kAngeNlo maN1 ma2y cattu0u sHiteiruyOud2xa a,KatuoeaT Dead^\^』
『s3asAn8utUHa tOtemo Rare deM0 n03nala mocHikonde nOpleNoPre』
『ToIuwakeDe a3bRo5iagA hulo cAra aGattara m0tt3ikuKara yoOlo49』
作り上げるのは頭防具を除く防具……つまりは胴、腕、脚の部位の防具。
当然基本的なデザインは変えない。
俺がデザインするよりも、ボンピュクスさんデザインの方がシアに似合っているのは言うまでも無いからだ。
そうして無事に出来上がったのがこれらのアイテムである。
△△△△△
『回復力溢れる多頭蛇の王』の鱗衣
レア度:4
種別:防具-胴
防御力:120
耐久度:100/100
特性:リジェネ(回復力を強化する)
ディスペル(魔の力を打ち砕く)
『回復力溢れる多頭蛇の王』の鱗による補強を行ったローブ。
様々な外部刺激に対して極めて高い耐性を有しており、その見た目からは想像できない程の防御力と強靭さを持つ。
防御力+2
抗魔力+2
状態異常耐性:ポイズン、ルスト、ペイン、バーン
▽▽▽▽▽
△△△△△
『回復力溢れる多頭蛇の王』の鱗手袋
レア度:4
種別:防具-腕
防御力:120
耐久度:100/100
特性:リジェネ(回復力を強化する)
ディスペル(魔の力を打ち砕く)
『回復力溢れる多頭蛇の王』の鱗による補強を行った手袋。
様々な外部刺激に対して極めて高い耐性を有しており、その見た目からは想像できない程の防御力と強靭さを持つ。
防御力+2
抗魔力+2
状態異常耐性:ポイズン、ルスト、ペイン、バーン
▽▽▽▽▽
△△△△△
『回復力溢れる多頭蛇の王』の鱗靴
レア度:4
種別:防具-脚
防御力:120
耐久度:100/100
特性:リジェネ(回復力を強化する)
ディスペル(魔の力を打ち砕く)
『回復力溢れる多頭蛇の王』の鱗による補強を行った靴。
様々な外部刺激に対して極めて高い耐性を有しており、その見た目からは想像できない程の防御力と強靭さを持つ。
防御力+2
抗魔力+2
状態異常耐性:ポイズン、ルスト
地形ダメージ耐性:熱
▽▽▽▽▽
「うん、これなら問題ないな」
出来上がった装備の見た目は今までの物と殆ど変らない。
細かい装飾の内、緑色の部分に『回復力溢れる多頭蛇の王』の鱗によると思しき綺麗な緑が出ているぐらいだろうか。
だがその性能は飛躍的に上がっている。
特に目を見張るべきは、着用するだけで防御力と抗魔力が上昇し、ズィズィマ・デクシアとズィズィマ・アリステラによって上昇している状態異常耐性をさらに上げるような追加効果が出ている事。
これによって、状態異常:ポイズンと状態異常:ルストはほぼ確実に防げるだろうし、状態異常:ペインと状態異常:バーンが通る事もまずないだろう。
「それにしても地形ダメージ耐性か。珍しいが、有用な追加効果だな」
それと、こちらは靴限定だが、火山マップや砂漠マップのような地面からの熱によってダメージを受けるような環境で、その受けるダメージを抑える効果を持っている事も注目するべき点だろう。
今のレア度:3の自動生成ダンジョン程度であればこう言った耐性は必要が無いものだが、レア度:4の素材でこういう物が付く辺り……そう言うことなのかもしれない。
まあ、実際にそう言う事になった時にどうするかは、その時に考えるとしよう。
「いずれにしてもこれでシアの安全は更に高まった。シアに攻撃を通す気はないが、その機会を完全に無くすことが出来る訳でも無いからな。良い装備が出来て何よりだ」
そして俺は作業を終え、シアに装備を返した。
で、その後は何故か新鮮なカツオを持ってきたGMと一緒に酒を飲むことになったのだった。
今のヘスペリデスには他のプレイヤーが居ないとはいえ、正直GMがそれでいいのかと思わなくはない。
まあ、カツオの刺身もパイも美味かったので、とやかく言わないでおくとしよう。
08/07誤字訂正




