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AIOライト  作者: 栗木下
9章:双肺都市-後編

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470/621

470:86-5

本日は二話更新になります。

こちらは一話目です。

【AIOライト 86日目 12:15 (5/6・晴れ) 鉱山街・ケイカ】


「よし、それじゃあ出発だな」

「はい、マスター」

「ーーーーー」

 ケイカに移動した俺たちは昼食を取り終えると、錬金術師(アルケミスト)ギルド・ケイカ支部を出発する。


「ケイカの中は戦闘を避けるぞ」

「シャーク種が来ると、移動どころじゃなくなっちゃいますもんね」

 さて、まずはケイカから西の荒野への移動だが、ここはネクタールの能力を使ってとっとと駆け抜けてしまう。

 と言うのも、ケイカに辿り着いたプレイヤーがだいぶ増えて来て、街中で見掛けるモンスターの数はだいぶ少なくなってきているが、それでもプレンシャークと言うHPダメージに反応して寄ってくるモンスターが居るからだ。

 流石に大量のプレンシャークを相手にしていると、移動する時間が無くなってしまうし、剥ぎ取りの時間も碌に取れず、経験値稼ぎ以外の面において効率が悪すぎるのである。



----------



【AIOライト 86日目 12:37 (5/6・晴れ) ドウの地・西の荒野】


「それでマスター、ここからは?」

「戦闘と採取をこなしながらいく……のは話したが、どこまで移動を優先するのかって話だな」

 ケイカの外に出た俺たちは、直ぐに真南の方向に向かって移動を始める。


「そうだな……とりあえずワンダリングモンスターは避ける」

「戦える相手じゃないですから、当然ですね」

 さて、此処からは事前に決めた通り、同盟街・ウハイに向かいつつ戦闘と採取を行っていく。

 振り分けの範囲としては……まず、ワンダリングモンスターは逃げる。

 シアの言うとおり、戦ってもこちらが蹂躙されるだけだからだ。


「採取については移動ルートに重なったらだな」

 俺は採取ポイントを見つけると、採取を行う。

 取れたのは普通の石ころで、レア度:3。

 うん、還元炉行きだな。


「戦闘については?」

「相手次第な面もあるな。パンプキン種とかなら迷わず逃げだ」

 なお、今日の俺たちは採取と剥ぎ取りを行う関係上、装備品の他は最低限のアイテムだけを持つようにしている。

 なので、同レベル帯でも面倒な相手だと、逃げる方が適切な場合もある。


「「「シャアアアアァァァァ!」」」

 と、ここでプレンスネークLv.20が三体襲ってくる。


「ふんっ」

「ーーー!」

「『ブート』」

 だが、不意討ちになっていない不意討ちだったため、俺は右手の斧で一番近かったプレンスネークを攻撃、ネクタールが次に来たのを槍で弾き、最後のをシアが『ブート』で怯ませる。

 で、与えたダメージは明らかに俺だけ多いな。

 たった一撃で、プレンスネークのHPが最大HPの40%ほど削れている。


「シャ……」

「動くな」

 俺は反撃を試みようとしたプレンスネークに向けて『ドーステの魔眼』を放って怯ませる。


「よっ」

「!?」

 そして即座に左手の短剣で攻撃。

 プレンスネークの現在HPが最大HPの20%以下になると同時、状態異常:イルネスによって最大HPの60%程の所に新たな上限が設定される。

 これで、何かしらの方法で回復を図っても、状態異常:イルネスから回復しない限りは、この新たな上限以上にHPが回復することは無い、と言う事であるらしい。


「せいっ」

「ジャガ!?」

 まあ、相手が格下かつ今の状況で、そんな余裕を相手に与えることなど有り得ないのだが。

 と言うわけで、更にもう一撃加えてプレンスネークを仕留める。


「「シャガアアァァァ!!」」

「ちょっと試すぞ」

「あ、はい」

 と、ここで残り二匹のプレンスネークが牙をむき出しにして、噛み付いてくる。

 なので俺は敢えて防御をせずに二匹の攻撃をそのまま受け止める。


「ジャガ!?」

「ふうん……」

 すると通常のダメージエフェクトである紅い燐光と同時に、若干紫がかった燐光が生じる。

 そして、そのエフェクトが表示されると同時に、プレンスネークの片方に状態異常:ポイズンが表示される。


「ジャ、ジャ……」

「よっと」

 俺は二体のプレンスネークを弾き飛ばすと、HPバーの動きを確認しつつトドメを刺すべく攻撃を仕掛けていく。

 で、分かった事だが、どうやら俺の防具にある状態異常:ポイズン付与によって付与される状態異常:ポイズンはかなり強烈な毒であるらしい。

 『呑気な多頭蛇の王』から受けた状態異常:ポイズン程ではないようだが、それでもかかったプレンスネークにそうだと分かるレベルのダメージを与えていく。


「トドメっと」

「ジャガー……」

 と言うわけで、呆気なくプレンスネークとの戦闘は終了。

 受けた僅かなダメージは戦闘中に全回復したので、被害は一切なしである。

 剥ぎ取りは……うん、レア度:3の皮が二つに、レア度:2の牙が一つか。

 牙はハズレだな。

 還元炉の仕様として、異なるレア度のアイテムを同時に素材にする事は何故か出来ないようになっているから。


「あっさりでしたね」

「まあ、俺が最新の装備になった上に、戦闘レベルもだいぶ上がっているからな。これで苦戦したらそっちの方が問題だ」

 剥ぎ取りを終えた俺たちはそのまま直ぐに南下を再開。

 そうして、道中幾つかの戦闘と採取によってアイテムを30個近く回収した上で、マップの表記がドウの地・南西の草原に変わるところまで、一気に移動することに成功したのだった。

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