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AIOライト  作者: 栗木下
8章:双肺都市-前編

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438/621

438:81-14-S20

【AIOライト 81日目 18:15 (2/6・晴れ) WB3・『?火山の巣』】


「はぁー……どうにか倒せたな」

「本当ですねー……」

 戦闘終了後。

 俺は次の階層に移動するためのコンソールが出現したのを横目で確認しつつ、目の前のキメラの死体を剥ぎ取り用ナイフで突く。

 取れたアイテムは……当然ながら未識別だ。



△△△△△

??の尾

レア度:3

種別:素材

耐久度:100/100

特性:?(???)


未識別状態のため、詳細は不明。

▽▽▽▽▽



「分かるのはこれがキメラの尾と言う名の蛇の部分である事だけか」

 一応、インベントリから取り出して見てみるが、こうして見てみるとただの途中で千切れた蛇の身体にしか見えないな、うん。

 と言うか、油断していると本当にそんな名前に変わりかねない気配すらある。

 まあ、今回は繋がりが見えているので、そんな事はないだろうが。


【ゾッタの戦闘レベルが32に上昇した。戦闘ステータスの中から上げたい項目を一つ選んでください】

「おっと、レベルアップか」

 と、此処で戦闘レベルが上昇した事を告げるインフォが流れる。

 なので俺はいつも通りに回復力を上昇させる。



△△△△△

ゾッタ レベル32/36


戦闘ステータス

肉体-生命力20・攻撃力10・防御力10+3・持久力9・瞬発力10・体幹力10

精神-魔法力10・撃魔力10・抗魔力7+6・回復力37+12・感知力10・精神力11


錬金ステータス

属性-火属性10・水属性10・風属性10・地属性10・光属性7・闇属性10

分類-武器類20・防具類15・装飾品15・助道具20・撃道具15・素材類16

▽▽▽▽▽



「それでマスター、この後は?」

「とりあえず残っている死体と採取ポイントからアイテムを回収。で、最低限のHPとMPが回復したら次の階層に移動だな」

「えーと、次って最終階層なんですよね。そうなると、ボスが居ると思うんですけど……」

「巣マップじゃなければ、準備のための空間ぐらいは用意されていると思うぞ。まあ、そうでなくとも無理矢理にでも視線を切れば、ヘスペリデスに逃げ込む事ぐらいは出来ると思う」

「なるほど」

 俺はシアと会話をしつつ、回収出来るアイテムを回収していく。

 だが流石に時間が経ち過ぎていたのだろう。

 溶岩に突き落としたモンスターだけでなく、普通に倒したオストリッチの大半とエルフの全てからアイテムの剥ぎ取りをする事は出来なかった。

 まあ、此処で手に入るのは正式名称不明の行動を強化する代わりにHPを消費する特性。

 特性の名称が分かって、その詳細が判明してもなお使うには一工夫どころではない工夫が必要になるアイテムだしな。

 繋がりが見えた??の尾以外は回収出来なくてもさほど問題はないだろう。


「さて、それじゃあ次の階層に行くぞ」

「はい、マスター」

「ーーーーー」

 そうして一通りのアイテムを回収し、最低限の休憩を終えた俺はコンソールを操作。

 要らないアイテムをレア度の和が20以上になるように捧げる事で次の階層に繋がる階段を開放し、次の階層へと移動した。

 この階層の特性が何だったかは……まあ、脱出してから調べればいいだろう。



----------



【AIOライト 81日目 19:00 (2/6・晴れ) WB3・『???』】


「さて、最終階層は……まあ、大方の予想通りって感じだな」

「ちょっとホッとしました」

「ーーー……」

 『還元の白枝-3の塔』第十階層。

 そこには情報収集のためのコンソールと、自動生成ダンジョンの最深部やケイカ北坑道の奥で見たような錠前付きの大扉以外には人影も物らしい物も無い空間だった。


「しかしまあ、微妙に厄介な事をしてくれるな」

「厄介……ですか?」

「ああ、この部屋の状態じゃボス戦のマップの予想がつかない」

「言われてみればそうですね」

 そう本当に何も無い空間だった。

 床も壁も天井も白一色の無機質極まりない部屋。

 それが今俺たちが居る空間だった。

 これでは、ボス戦がどのようなマップで行われるのかは分からないし、特性を判断することも不可能と言わざるを得ない。


「となるとマスター」

「まあ、その為のコンソールなんだろうな」

 勿論、調べる方法はある。

 コンソールにアイテムを幾つか捧げれば、特性も、マップの構造も、それどころかボスの情報だって調べることが出来るだろう。

 そして、わざわざ調べられるようになっているという事は、扉の方は触れた時点でボス戦用のマップに強制移動させられ、この空間には戻る事が出来ない仕様になっているに違いない。

 それは、あのGMだからというのもあるが、これまでのダンジョンの流れからして必然であるとも言える。


「しょうがない。調べるか」

 俺はコンソールに触れると、とりあえずこの階層の特性を開示しておく。

 他の情報と比べて、特性の情報の重要性は極めて高いからだ。


「……。またキツいのが来たな」

「……。これ、マスターの天敵なんじゃ」

「……。ーーー……」

 表示された特性の名称は光力溢れる……特性:シャイン。

 それは光属性を強化する特性。

 俺の錬金ステータスの属性において、唯一へこんでいる属性。


「とりあえずヘスペリデスに退くぞ」

「はいマスター」

「ーーー」

 はっきり言ってしまえば、俺との相性がかなり悪い属性だった。

07/13誤字訂正

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