259:53-1
【AIOライト 53日目 07:00 (2/6・晴れ) パイライト・ドーム】
「無事到着っと」
「ですね」
「ーーーーー」
翌日。
俺たちは食料や薬などのアイテムを持って、錬金術師ギルドの転移機能を使ってパイライト・ドームに移動した。
「ん?」
で、移動した先。
パイライト・ドームのロビーには多数のプレイヤーとホムンクルスが集まっていた。
その合計は……恐らく100を超えている。
そしてその中には……
「あっ」
「師匠だ」
「おっ」
「ゾッタ君か」
俺の顔見知りもかなりの数で居た。
と言うか、俺の攻略関係で顔を知っているメンバーはほぼ……いや、全員揃っていた。
「うおっ、久しぶりだな。ゾッタ」
「顔を合わせるのも久しぶりだな」
「お、おう。久しぶり。クリームブランにマンダリン」
グランギニョル、シュヴァリエ、トロヘル、番茶さん、ブルカノさん、ジャックさん、マンダリンにクリームブラン、うん、ロラ助にFC灯叫さんも居るし、全員で間違いないな。
それに名前は分からないが、装備や顔に見覚えのあるプレイヤーもそれなりに居る。
状況からして、どうやらアライアンスを組んで、パイライト・ドームまでやって来たらしい。
「ゾッタ兄、ちょっといいかしら?」
「えーと……何でしょうか?グランギニョルさん」
まあ、その辺りについては特に気にすることはないだろう。
どう攻略するのも、個人の自由なのだから。
それよりも問題なのは……
「マンダリン、クリームブラン」
「はいはい、おおせのままにー」
「すまんな、ゾッタ。あれには逆らえん」
「……」
何故か異様な雰囲気を放って、俺の事を威圧してきているグランギニョルの方だろう。
しかも俺が逃げられないようにマンダリンとクリームブランが俺の両脇に腕を回し、逃げられないようにしてきている。
「あ、あのギニョール。何をそんなに……」
「これを見れば分かるわ」
グランギニョルの行動にシアが恐る恐ると言った様子で抗議の声を上げる。
それに対して、グランギニョルはシアに何かの画像を見せる。
で、それを見た結果。
「……。HPが削れないならギニョールが満足行くまで好きにして構いません。私は止めませんから」
「シア!?」
何故かシアまで俺の敵に回る。
え、てか、マジでこれ何がどうなっているし!?
グランギニョルが俺に対して微妙な目を向けて来るなら分かるとして、何故シアまで!?
「あー、グランギニョル君。質問は私の方でするよ。流石にこの状況は見ていられない」
「ちっ、しょうがないわね」
と、此処で救いの手かは分からないが、番茶さんが俺たちの会話に割り込んできて、それに合わせるようにマンダリンとクリームブランの二人も腕を抜いてくれる。
そして番茶さんの促しで、俺はその場に座る。
「えーと、それでどうして今のような事態に?」
「あー、詳しく話すと長くなりそうかな。そうだね、簡潔にまとめるなら……パイライト・ドーム攻略に関するあれこれについて、直接質問をしたい。と言う事になる」
「はあ?それなら別に何も問題はありませんけど……」
「その、質問はだいぶ多いから、覚悟しておいてくれたまえ。ゾッタ君」
「えーと?分かりました?」
んー?グランギニョルは結局パイライト・ドームについて聞きたかったという事か?
でも分かっている情報は全部掲示板に書き込んだはずなんだけどなぁ……。
まあ、番茶さん主導で質疑応答をするなら別に構わないか。
どうせ先を急いでいるわけでもないしな。
「では、始めようか」
そうして俺に対する番茶さんの質問は始まった。
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【AIOライト 53日目 08:52 (2/6・晴れ) パイライト・ドーム】
「で、どうしてあんなイカれた動画を掲示板に載せたのよ」
「折角運営が送ってくれたものだし?証拠映像があった方が信用してもらえるかな、と」
「マスター。せめて一言先にください……」
「むしろあの映像のせいで、色々と真偽が怪しくなってんのよ……」
番茶さんの言うとおり、質問は長引いた。
だがまあ、仕方がない事と言えば仕方がない事だろう。
番茶さんたちは昨夜パイライト・ドームに到着して、今朝から挑むところであり、情報が少しでも多く欲しい状況に有ったのだから。
と言うわけで、俺に出せる限りの情報は出す事にする。
尤も、分からない情報も相当数あるので、そう言う物については素直に分からないと言わせてもらったが。
「そうか?」
「そうよ……特に最後。明らかに何も無いところを切って、ボスを倒しているじゃない。アレはどう考えてもおかしいわ」
で、現在は番茶さんからの質問が一通り終わり、グランギニョルと雑談に近い形で質疑応答をしている状態である。
「あー、あれなぁ……」
さてグランギニョルの説明だが……どう答えるべきだろうな?
例の繋がりについては説明した所で訳が分からないだろうしなぁ……。
んー、まあ、それでもこれだけは言っておくか。
「あそこには『黄金の錬金術師』の本体あるいは魂とでもいうべきものがあった。だから、武器に自分の魔力を込めつつ切ったんだよ。そしたら見事に切れた。だから倒せた。そう言う事だ」
と言うわけで、俺はグランギニョルに見えるかどうかは分からないが、右手の斧に自分の魔力を流し込み、纏わせる。
これでまあ、効率はともかくとして、部分的には魔法属性の攻撃になっているはずだ。
で、それを見せた結果。
「武器に自分の魔力を……」
「ん?あれ?」
「あー、もしかして……」
「ん?どういう事だい?」
どうやらこの場に居る何人かには既に覚えがあるようだった。
よし、これなら話は早いかもしれないな。
02/03誤字訂正




