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AIOライト  作者: 栗木下
4章:左角山
189/621

189:38-6-D5

「クウゥゥン……」

「よし、片付いた」

 地形と構造については特に第一階層と変わりない『不死殺しの火山の屋敷』第二階層の探索を始めた俺たちが最初に遭遇したのはキルデッドハウンドLv,17だった。

 ハウンド種の習性に従って、当然のように一匹だけで現れたソイツは難なく片付いた。

 被害らしい被害は一切無しである。


「ここまで一方的だと可哀相になりますね」

「まあ、その気持ちは分からなくもない」

 圧倒的な数の差を前にしても逃げずに挑みかかるその意思は買うが、正直ハウンド種は良い獲物としか思えないな。

 何処までも追ってくるとは言え、常時単独行動は流石に弱いと言わざるを得ない。


「まあ、とりあえず剥ぎ取りを……」

 いずれにしても倒した事には違いないので、俺は武器をしまって、代わりに剥ぎ取り用ナイフを取りだそうとする。


「足音?」

「……。なるほど、そう言う事か」

 が、その前にこちらに向かって走ってくるような足音が一つ、それと足音に混じって鳥の羽音のような物が二つ、俺の耳に届く。


「シア、ネクタール、構えろ」

「はい」

「……」

 俺は剥ぎ取り用ナイフを取り出すのを止めて武器を構え直す。

 シアたちも戦闘態勢を取る。


「来たか」

「チチッ」

「ピピッ」

「……」

 俺たちの前に現れたのは三体のモンスター、キルデッドバードLv.17とLv.18、キルデッドプリーストLv.19。

 その頭上には俺たちから遠く離れた場所に居たにもかかわらず、アクティブである事を示す赤いマーカーが出ている。


「……」

「とりあえず、どういう仕掛けかは分かった」

「キルデッドハウンドが呼んだ……ですよね」

 右手に十字架型の鎚とも杖とも取れる武器を持った禿頭の男、キルデッドプリーストは俺の方を憎そうに見ている。

 まあ、こんな反応を見せるならまず間違いないだろう。

 正確な条件までは不明だが、キルデッドハウンドには周囲に存在するノンアクティブモンスターをアクティブ状態にして、呼び寄せる能力があった。

 そして今回はその能力によって目の前の三体が呼びよせられた。

 なるほどこれならば猟犬(ハウンド)の名に恥じないと言えるだろう。


「ーーー!」

「「ピピッ!」」

 キルデッドプリーストが何かの魔法を発動しようとすると同時に、キルデッドバードたちがこちらに向かって飛び立とうとする。


「やる事は変わらないがな!」

「『癒しをもたらせ』『大地の恩寵をその身に』!」

 対する俺たちは俺は特性:バーサークの発動、シアは補助魔法を掛け、ネクタールはその色彩を変化して敵の注目が俺に向くように仕向ける。


「カミノ……!?」

「おせえ!」

 そしてキルデッドバードたちが俺に攻撃を仕掛けようとするよりも早くその間を通り抜けて、魔法を使おうとしたキルデッドプリーストに肉薄。

 右手に持った斧をその顔面に叩き込む。


「ーー!?」

 キルデッドプリーストは大きく吹き飛ぶ。

 そのHPは今の一撃で30%ほど削れている。

 どうやら後衛職らしく、耐久力はないようだ。

 となれば逆に支援能力は高い事になるが……まあ、関係ないな。


「ピピッ!」

「ピキュ!」

「ふはははっ!回復職は真っ先に潰さないとなぁ!!」

「『ブート』!」

「……!?」

 キルデッドバードたちは俺に攻撃を仕掛け、少しずつHPを削っている。

 が、その攻撃は鋭くはあっても重くはないため、俺は気にせずキルデッドプリーストに接近。

 十字架を盾のように構えて身を守ろうとするキルデッドプリーストに向けて何度も斧を振り下ろす。

 そして、俺の攻撃に追撃するように、シアが『ブート』による魔法弾を放ち、ネクタールが短剣でチクチクと刺し続ける。


「これで終わりっ!」

「!?」

 そうして何度目かの攻撃でキルデッドプリーストのHPバーは底を突き、力なく倒れる。

 途中何度か回復魔法のような物でHPを回復されたが、大した時間稼ぎにもなっていなかった。


「さて……」

「「ピキュ!?」」

「後はお前らだな」

「ですね」

「……」

 で、その後については支援役を失ったキルデッドバードを一方的に倒すだけだった。

 攻撃は全て俺とネクタールが引き受け、自然治癒で治せる範囲に抑えた為、被害はゼロである。

 まあ、キルデッドバードも火力役とは言えないモンスターであるし、妥当な結末だろう。


「さて、改めて剥ぎ取りだな」

「ですね」

 戦闘が完全に終わったところで、俺は剥ぎ取りを行う。

 その結果、キルデッドハウンドの牙、キルデッドバードの羽根、キルデッドバードの肉、壊れた装備品(腕輪)を手に入れる。

 正直微妙な剥ぎ取り結果だが……まあ、人型モンスターの剥ぎ取りはあんまり美味しくないからな。

 仕方がない。


【ゾッタの戦闘レベルが17に上昇した。戦闘ステータスの中から上げたい項目を一つ選んでください】

「おっと」

「レベルアップですね」

 と、ここで戦闘レベルが上がったか。

 恐らくは今までの地道な蓄積が実った結果だろうな。

 なので、予定通りに回復力を上げる事にする。



△△△△△

ゾッタ レベル17/22


戦闘ステータス

肉体-生命力20・攻撃力10・防御力10+2・持久力9・瞬発力10・体幹力10

精神-魔法力10・撃魔力10・抗魔力7・回復力22+6+2・感知力10・精神力11


錬金ステータス

属性-火属性10・水属性10・風属性10・地属性10+6・光属性7・闇属性10

分類-武器類15・防具類15・装飾品15・助道具14・撃道具13・素材類15

▽▽▽▽▽



「これでよし。じゃ、探索再開だな」

「はい」

 これで戦闘後の処理は完了である。

 と言うわけで、俺たちは探索を再開した。

11/25誤字訂正

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