179:37-9-E5
『g0Atha tyaShucuwilD yue2 Akuman0 sinb0ltonAl』
「はいはい、いつも通りいつも通り」
俺はガードデーモンナイフを錬金鍋に投入すると、回復力溢れる小麦粉を使って特性:リジェネを付与していく。
その数は四本。
一本は俺が装備するものであり、残り三本はネクタールに持たせるものである。
「で、出来上がりっと」
「お疲れ様です」
で、四本出来上がったところで、俺はガードデーモンナイフの詳細を確認する。
△△△△△
ガードデーモンナイフ
レア度:2
種別:武器-短剣
攻撃力:220
耐久度:100/100
特性:ガード(防御力を強化する)
リジェネ(回復力を強化する)
ガードデーモンの角を加工して、持ち手と刃を付けたナイフ。
強度は十分だが、癖がある。
発光機能があり、光源としても使用可能。
▽▽▽▽▽
「うん、いい感じだな」
ネクタールに持たせた三本のガードデーモンナイフも、俺自身が持つガードデーモンナイフもスペックは同じだ。
なので使い勝手も変わらず、俺から使用の経験やコツを感じ取ったのだろう、ネクタールも布の端の方を上手く使って握れている。
これならば問題はないだろう。
【ゾッタの錬金レベルが21に上昇した。錬金ステータスの中から上げたい項目を一つ選んでください】
「と、レベルも上がったか」
「ネクタールを作った影響……ですよね?」
「たぶんな」
俺はステータス操作画面を開き、前回と同じく装飾品を上げる。
これで装飾品も15、後は助道具と撃道具を上げるだけだな。
それが終わったら……まあ、それはその時に考えるとしよう。
△△△△△
ゾッタ レベル16/21
戦闘ステータス
肉体-生命力20・攻撃力10・防御力10+2・持久力9・瞬発力10・体幹力10
精神-魔法力10・撃魔力10・抗魔力7・回復力21+6+2・感知力10・精神力11
錬金ステータス
属性-火属性10・水属性10・風属性10・地属性10+6・光属性7・闇属性10
分類-武器類15・防具類15・装飾品15・助道具13・撃道具13・素材類15
▽▽▽▽▽
△△△△△
ゾッタ レベル16/21
攻撃力430:210/220
防御力230:0/0/65/55/55/55
右手:バーサークスチールタバルジン(特性バーサーク・リジェネ)
左手:ガードデーモンナイフ(特性ガード・リジェネ)
頭:『狂戦士の鬼人の王』の仮面(回復力+1・特性バーサーク・リジェネ)
胴:ソイルバイソンシャツ(特性バーサーク・ソイル)
腕:ソイルホースアーム(特性バーサーク・ソイル)
脚:ソイルホースズボン(特性バーサーク・ソイル)
装飾品1:プレンウッドリング(回復力+1)
装飾品2:ネクタール(ホムンクルス)
▽▽▽▽▽
「ふむ……」
「マスター?」
「いや、ネクタールのステータスの幾らかが俺にも加算されていると思うんだが、具体的な数字では出ないんだなと思って」
「それは仕方がないと思いますよ」
「まあ、レア度:PMだしな」
ネクタールと俺は肋骨を通じて繋がっている。
それは今もだ。
だからネクタールには俺の感覚が伝わっているし、その逆もある。
そして、繋がりは感覚面だけでなく、ステータスの面でもある。
要するに装飾品の枠一つを潰してもまるで惜しくないだけのスペックがあるという事だ。
他にも色々と出来る事はあるが……まあ、それはいずれ一つ一つ確認するとしよう。
「さて、後作る物は薬の類に……」
「マスター、出来ればですが……」
さて、ネクタールについてはこれぐらいしておくとして、後はそれ以外に作るものを作らないとな。
と言うわけで、リジェネメディパウダーを初めとする回復アイテムを。
そして念のためにではあるが、シアの求めを受けてリジェネダメジブックを作っておく。
ちなみにリジェネダメジブックの効果はダメージに加えて、特性:リジェネによる一時的な回復力低下効果があるらしい。
まあ、回復力低下効果はおまけだな。
回復力特化の敵なんて殆ど居ないし、普通の敵相手だとわざわざ回復力を下げる意味なんてないしな。
「これで後はシアの料理か」
「そうですね。全力で造らせてもらいます」
最後にシアが回復力溢れる小麦粉とガードチキンの肉でガードチキンパイを作成。
俺とシアの二人で仲良く食べる。
で、俺を通じてネクタールにもシアの料理の効果を付与する。
「じゃ、行くか」
「はい」
そして俺たちは部屋を後にした。
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【AIOライト 37日目 17:00 (満月・雨) 赤紐の間】
「さてと、だ」
俺とシアは赤紐の間に設置された碧玉の板の前に立っていた。
他のプレイヤーの姿はない。
どうやらだいたいのプレイヤーは挑むか、準備を整えるべくまだ引き籠っているか、赤紐の間の外に転移したらしい。
「シア、一応聞いておくが、何が書いてあるか読めるか?」
「いえ、全く」
俺はまず碧玉の板をよく観察する。
高さは3メートル以上、幅も2メートル近い。
裏側には何も無いが、表側には何か文字のような物が彫られている。
が、何処の言語で書かれているかも分からないし、シアにも読めないようだ。
「ふむ……」
後は繋がりだが……当然だが何処かに通じている気配はあるな。
まあ、きっとこれについては俺だけが感じているだけだろう。
「ま、やれるだけやってみようか。シア、ネクタール」
「はい」
「……」
そして俺は二人に呼びかけてから、碧玉の板に触れた。