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AIOライト  作者: 栗木下
3章:右角山
167/621

167:36-7-D7

【AIOライト 36日目 13:45 (5/6・晴れ) 『防御力溢れる清流の船』】


「と、どうやら到着したようだね」

「今回は俺たちが最後か」

「お疲れ、トロヘル」

「死に戻りが出たって聞いたけど、大丈夫?」

 ガードグローバグは発見次第叩き潰す。

 そう4PTで決めてからの探索は、時間こそかかるものの、内容的には特に支障なく進んだ。

 で、現在は第三階層に繋がる階段の前で4PTが合流したところである。


「ああ問題ない。そっちも問題は……ないみたいだな」

「何度かガードデーモンが迷い込んだくらいだな。まあ、瞬殺させてもらったが」

 なお、今回の階段の発見は番茶さんのPTで、当着順は番茶さん、グランギニョル、俺たち、トロヘルの順である。

 まあ、トロヘルのPTが遅くなるのは仕方がないな。

 一人死に戻りを出してしまったわけだし。


「それでトロヘル君。PTの調整はいるかい?」

「いや、大丈夫だ。火力と支援が少し薄くなっただけだからな。問題なく戦闘も探索も出来る」

 さて、トロヘルのPTに調整がいるかどうかの判断は、トロヘルたち自身と番茶さんに任せるとしてだ。

 俺は俺でやるべき事をやるとしよう。


「えーと、インベントリの中身で要らないアイテムは……」

 と言うわけで、これまでのダンジョン探索で限界まで膨らみ、これ以上は今あるアイテムとの入れ替えをする事になってしまっているインベントリの中を俺は検める。


「とりあえずガードチキンの羽根を普喰(あまねくらい)に叩き込んでっと」

「ボソッ……(シア、普喰って?)」

「ボソッ……(マスターの作ったレア度:PMのアイテムです)」

 で、まずは今この場では用途が無いガードチキンの羽根を奇箱・普喰に投入して、耐久度を回復する。

 これで耐久度は150オーバー、暫くは俺の回復力が上昇し続けるな。


「ゾッタ、その箱は一体……」

「ん?奇箱・普喰だ。詳細は……シア、説明しておいてくれ」

「あ、はい。分かりました。奇箱・普喰と言うのは……」

 他にもやる事があるので、奇箱・普喰の説明についてはシアに任せる。

 で、シアが説明をしている間に俺は携帯錬金炉を取りだす。


「さて……」

「ボソッ……(待て、それって呪われてるというんじゃないか?)」

「ボソッ……(流石はゾッタ先生)」

「ボソッ……(やっぱり師匠は師匠だね)」

「ボソッ……(GMが受け取り拒否しましたね。これは)」

 アイテムの処分方法その二は、携帯錬金炉を使った錬金術によって、余ったアイテムを何かしらのアイテムに変えてしまう形だ。

 理想は消耗品、特に耐性上昇系のアイテムにしてしまう事だが……今回は特性:ガードで、状態異常系の特性じゃないしな。

 普通に高く売れそうなアイテムにしてしまうのが良いか。


「となるとだ」

「ボソッ……(と、と言いますか、外付けステータスアップアイテムって有りなんですか?)」

「ボソッ……(そこはほら、デメリットがあるからギリセーフなんじゃね?)」

「ボソッ……(と言うかゾッタ兄のマント、さっきから動いてるわよね。アレももしかして……)」

「ボソッ……(骸套(がいとう)三手千織(みつてちおり)。お察しの通りです)」

「「「!?」」」

 外野が何やら騒がしいが、無視しよう。

 気にするだけ無駄だしな。

 と言うわけで、俺はインベントリからガードデーモンの角とガードグローバグの発光器を四つずつ取り出した。

 繋がりは……うん、見えないな。

 なら、遠慮なく使ってしまうとしよう。


「ふんふんふ~ん♪」

「ボソッ……(い、一応、聞いておくけど、今この場でレア度:PMの錬金を始めたりはしないはしないわよね)」

「ボソッ……(た、たぶん大丈夫です。やる時はそれなりに気合を入れますから)」

「ボソッ……(ふ、不安にしかならねぇ……)」

「ボソッ……(でも師匠なら、やれるならこの場でもやりそうだよねぇ……)」

 俺は普通に携帯錬金炉を操作して、ガードデーモンの角とガードグローバグの発光器を投入。

 操作は合成を選択し、最終的な形状は短剣を目指す。

 で、十分な魔力を注ぎ込み、打ちこみは……


『sUcoshiha MawaliWo kiN1suru8^\~) coN0inSaniaxe』

 うん、妙な記号が入って来ただけで、何の問題もないな。

 と言うわけでまずは一本作成し、同じ材料と操作でもう三本、同じように作る。

 そうして出来上がったのがこれだ。



△△△△△

ガードデーモンナイフ

レア度:2

種別:武器-短剣

攻撃力:220

耐久度:100/100

特性:ガード(防御力を強化する)


ガードデーモンの角を加工して、持ち手と刃を付けたナイフ。

強度は十分だが、癖がある。

発光機能があり、光源としても使用可能。

▽▽▽▽▽



「ふむ、悪くはないな」

 俺は出来上がったガードデーモンナイフを装備すると、軽く素振りしてみる。

 攻撃力が棘刀(きょくとう)隠燕尾(かくれえんび)より低いので、メインの武器にはならないだろうが、サブの武器としては良さそうな感じだ。

 光源としての機能は……まあ、いずれ確かめるとしよう。


【ゾッタの錬金レベルが19に上昇した。錬金ステータスの中から上げたい項目を一つ選んでください】

「お、レベルも上がったか」

 と、ここで錬金レベルが上がる。

 なので俺はステータス画面を操作して、防具類を上昇させる。



△△△△△

ゾッタ レベル14/19


戦闘ステータス

肉体-生命力19・攻撃力10・防御力10・持久力9・瞬発力10・体幹力10

精神-魔法力10・撃魔力10・抗魔力7・回復力20+4+3・感知力10・精神力11


錬金ステータス

属性-火属性10・水属性10・風属性10+1・地属性10+6・光属性7・闇属性10

分類-武器類15・防具類15・装飾品13・助道具13・撃道具13・素材類15

▽▽▽▽▽



「ん?」

 そうして操作が終わったところで気づく。


「ボソッ……(と言うかなんでゾッタの奴はそんなにほいほいとレア度:PMを作れるんだ)」

「ボソッ……(師匠が言うには、自分の心に素直になるのが秘訣らしいよ)」

「ボソッ……(自分の心に素直になっただけで造れたら苦労しねえよ!)」

 いつの間にか多くのプレイヤーが攻略には関係なさそうな議論をしていた。

 一体何が有ったのだろうか?


「まあ、暫く待つか」

 まあ、話し合う事があるなら急かすべきではない。

 そう判断した俺は、暫くの間、暇を持て余す事にしたのだった。

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