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AIOライト  作者: 栗木下
3章:右角山
166/621

166:36-6-D6

【ゾッタの戦闘レベルが14に上昇した。戦闘ステータスの中から上げたい項目を一つ選んでください】

「うん、美味しい!」

「あらゆる意味でね!」

「今日の昼食は頑張らせてもらいます!」

 ガードチキンとの戦闘は呆気なく終了した。

 まあ、チキン種は元々弱いからな。

 特性:ガードで防御力を上げ、数を集めた所で、多少時間がかかるだけだ。

 と言うわけで、戦闘レベルが上がったので、生命力を上昇させる。



△△△△△

ゾッタ レベル14/18


戦闘ステータス

肉体-生命力19・攻撃力10・防御力10・持久力9・瞬発力10・体幹力10

精神-魔法力10・撃魔力10・抗魔力7・回復力20+4+3・感知力10・精神力11


錬金ステータス

属性-火属性10・水属性10・風属性10+1・地属性10+6・光属性7・闇属性10

分類-武器類15・防具類14・装飾品13・助道具13・撃道具13・素材類15

▽▽▽▽▽



「よ、容赦ねぇ……」

「そうか?」

「モンスター相手だし、こんな物だと思うぞ?」

 で、剥ぎ取りの方だが、ガードグローバグからは翅と甲殻、それに発光器が、ガードチキンからは羽根と肉が剥げた。

 うん、これはもう今日の昼食はシアのチキンパイで決定だな。


「さて、戦闘後の処理も終わった事だし、ガードグローバグについての情報を掲示板に……ん?」

「どうしました?」

「どうやら他のPTもガードグローバグに遭遇したらしい。報告が上がっている」

「ほう、具体的には?」

「……。かなり面倒な事になっているな。一度腰を落ち着けて話したい。適当な部屋に入ろう」

「分かりました。ちょっと早いですけど、昼食を食べつつ話をしましょうか」

 さて、ガードチキンの肉に少々浮かれていた俺たちだが、FC灯叫さんの表情から察するに、どうやら相応に面倒な、あるいは深刻な事態が発生したようだ。

 となれば、FC灯叫さんの言うとおり、一度腰を落ち着けて、じっくり話すとしよう。


「あ、師匠。こっちに部屋があるよ。倉庫みたい」

「分かった」

 そんなわけで、俺たちは近くの部屋に移動。

 その部屋の安全を確かめたところで、FC灯叫さんの話を聞くことにした。



----------



【AIOライト 36日目 11:12 (5/6・晴れ) 『防御力溢れる清流の船』】


「はい、出来ました」

「ありがとうな、シア」

 シア特製のリジェネチキンパイ(特性:リジェネ・ガード)が出来上がり、切り分けられたところで話を始める。


「それでFC灯叫さん。掲示板にどういう情報がありました?」

「これがそうだ」

 FC灯叫さんはそう言うと、掲示板の情報を誰にでも見れるように画面に出し、俺たちに見せる。

 そこにはこう書かれていた。



■■■■■



26:トロヘル

 ガードデーモンとの戦闘中にガードグローバグが乱入。

 本人の戦闘能力は低いが、ガードグローバグがその場にいるだけで、防御力上昇のバフが敵に入る模様。

 ダメージ計算が狂わされて、アンバターが死に戻りした。

 戦闘開始時周囲には居なかったはずなので、どこか遠くからやって来たものと思われる。



■■■■■



「うわっ、死に戻り一名っすか」

「ああ」

 アンバター……たしか『秩序の羊(アンヘル)』所属のプレイヤーで、メイス使いだったかな?

 腕は悪くなさそうだったんだけど……うーん、トロヘルの書き込みからして、トドメを刺せると思ったところでガードグローバグのせいでトドメを刺せずに反撃で倒された、と言う所かな。


「だがそれよりも問題なのは、戦闘中に乱入されたという点だ」

「そうだな。そちらの方が問題だ」

「モグモグっ、まあ、俺の想像通りなら、相当面倒な事になるでしょうね」

 ああそれにしてもシアの作ったチキンパイは美味しいなぁ……ガードチキンの肉は勿論の事、肉汁が染み込んだパイ生地もこの上なく美味しい。

 幸せな事この上ないな。


「モグモグ。面倒って?」

「モグモグ、トロヘルたちは戦闘開始時に周囲には居なかったと言っている。なのに乱入してきた。となるとだ」

「遠くで起きている戦闘を感知して、自発的に近寄ってきた。と言う事だろうな」

「ゴクン、そう言う事ですね」

 ガードグローバグについては……まあ、かなり厄介ではある。

 この情報での書き込みだから、情報の信頼性は十分あるし、この情報については事実であるとしていい。

 そして、先程の戦闘での一件。

 これを組み合わせて考えるとだ。


「あー、そうなると、無視をしても先に潰しても、面倒な事態になるんですね」

「そうだ。先に潰せば仲間を呼ばれる。無視をしても、戦闘になったら寄ってくる。面倒な事この上ないな」

 まあ、ジャックさんの言うとおりになる。

 うん、面倒くさいな。


「モグモグ、でも対処法が無いわけじゃないですよ」

「モグモグ、先に潰す。だね」

「キュイキューイ」

「ああ、本体の戦闘能力は俺やシュヴァリエの一撃で片付くレベルだからな。ガードグローバグとの戦闘は直ぐに終わる」

「まあ、それが妥当な対応だろうな」

 だが、どちらがより面倒かと言えば、戦闘中に合流される方だ。

 と言うわけで、俺はガードグローバグを見つけ次第潰し、その後にやってくるモンスターに対処する方法を提案。

 PTの皆から賛同を貰ったところで、先程の戦闘についての報告を掲示板に上げ、対処法についても書き込んでおく。

 これでまあ……たぶん今後は大丈夫だろう。

 うん、アンバターの尊い犠牲を無駄にしない為にも頑張らないとな。

11/02誤字訂正

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