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AIOライト  作者: 栗木下
3章:右角山
157/621

157:33-8

【AIOライト 33日目 19:17 (2/6・晴れ) 始まりの街・ヒタイ】


「少し遅くなったな……」

「ですねぇ……」

 すっかり陽も暮れた頃。

 俺とシアは街に戻って来ていた。


「今日はもう休むだけですよね」

「んー、そうしたい所ではあるけれど、装備の修復とギルドショップの登録ぐらいはしておきたいな」

「ギルドショップの登録ですか。枠足りますかね?」

「たぶん足りない。だからちょっと見直す」

「なるほど」

 で、手近な『巌の開拓者(ノーム)』の支部から『巌の開拓者』ヒタイ第24支部に移動。

 そちらで色々な処理……装備の修復をしたり、ダンジョンから街までの間に回収した適当なアイテムを錬金して状態を整えたり、依頼をこなしたり、売却したりする。


「さて……」

 そうしてそれらの行動が終わったところで、俺は軽く悩み始める。


「何を残し、何を加えるかね」

「ギルドショップの登録って十枠しかないんですよね」

「ああそうだ。だから必要ない物を置いておく余裕はない」

 ギルドショップに登録したアイテムはギルドが複製して売ってくれる。

 実をいうと、俺はこのシステムを今まであまり使っていなかった。

 理由は……まあ、複製してまで数を必要とするアイテムがそんなになかったからだ。

 だが、今日からは違う。


「まず、回復力溢れる小麦粉、回復力溢れる木の実、豊富な小麦粉、豊富な木の実の四つは確定だな」

「えっ、それ全部私しか使いませんよ」

「でも安定供給する必要はあるだろう」

「それは……そうですけど」

 まず、回復力溢れる小麦粉、回復力溢れる木の実、豊富な小麦粉、豊富な木の実の四つは確定。

 この四つがあれば、特性:リジェネあるいはアブン、またはその両方を持った料理をシアが作る事が出来る。

 この選択はシアの為でもあるが、この先の攻略においても大きな助けになるだろう。

 と言うわけで、この四つについては何があっても確定だ。

 なお、豊富な小麦粉については、今日手に入れた豊富な小麦を錬金して、製粉した代物である。


「後は……バーサークゴーレムの石材はそのままでいいか」

「特性:バーサークの安定確保の為ですね」

「そうそう。それと水着の性質を付与した普通の白い花もだな」

「こっちは消したくても消せないですよね」

 バーサークゴーレムの石材と水着の性質を付与した普通の白い花についてはそのままにしておく。

 こちらを残す理由はシアの言った通りだな。

 どちらも再入手は面倒だが、確実に入手できる手段を残しておきたいものだ。


「それに……ハイドライの棘、ハイドオクトパスの墨はそのままでいいか」

「使います?」

「んー……金に余裕が出来れば、ハイドライの棘は武器の素材として使うかも」

「なるほど」

 ハイドライの棘とハイドオクトパスの墨についてもそのまま残しておく。

 棘刀・隠燕尾(かくれえんび)のスペックを考えたら、ハイドライの棘を普通に加工して短剣にするだけでも、それなりの武器にはなるだろうしな。


「後は……誘引する石英にソイルロックダガーを登録しておくか」

「ぶっちゃけ適当ですね」

「ああ、適当だ」

 最後の二枠には、誘引する石英にソイルロックダガーを登録する。

 誘引する石英は特性:デコイ、ソイルロックダガーには特性:ソイルが付いていて、どちらも特性抜きなら値段は安めのアイテムだ。

 だから、この二つを登録しておけば、その二つの特性が欲しくなった時にはきっと便利だろう。

 使うかどうかは正直微妙な所だが。


「じゃ、本決定、っと」

「アイテムの登録ありがとうございます」

「お疲れ様です。マスター」

 俺は決定のボタンを押して、登録内容を確定する。

 これで、ギルドショップの内容はこうなった。


・回復力溢れる小麦粉

・回復力溢れる木の実

・豊富な小麦粉

・豊富な木の実

・バーサークゴーレムの石材

・普通の白い花(水着の性質付与済)

・ハイドライの棘

・ハイドオクトパスの墨

・誘引する石英

・ソイルロックダガー


 うん、これならまあ、だいたい必要な物は揃っているだろう。


「さて、これで後は飯を食ったら、今日はもう終わりでいいな。シア、ご飯を頼めるか」

「はい大丈夫です。あっ」

 俺はシアに夕食を頼み、シアは何処か嬉しそうな様子でそれに応えてくれる。

 が、何かに気づいたようで、はっとした様子を見せる。


「どうした?シア」

「あの……マスター。折角なので、昨日マスターのスマフォ?に居る間に、『ねっとさーふぃん』という物をして、見つけたレシピを試してみても良いですか?」

「へぇ……」

 現実にもあった料理の再現か。

 ちょっと気になるな。


「それでその、必要な材料が少し足りないので、一度ハナサキの方に行きたいんですけど……」

「ああそう言う事か。なら問題はない。一緒に行こう」

「はい、ありがとうございます。マスター」

 と言うわけで、俺はシアと一緒にハナサキに行って材料を購入。

 自室に戻った後にシアが錬金術によって造り出したリジェネスターゲイザーパイという物を食べたのだった。

 味?勿論良かったに決まっているとも。



△△△△△

リジェネスターゲイザーパイ

レア度:2

種別:道具-食料

耐久度:100/100

特性:リジェネ(回復力を強化する)


パイの一種。

パイから顔を出す魚の顔が星を見つめているようだと言う所から、その名が付けられたという。

味は悪くない。

ところで魚は本当に星を見つめているのだろうか?

魚が見つめているのは……

▽▽▽▽▽



 何故か説明文は不穏な感じだったが。

登録アイテムについては少しずつ変化することになるでしょう。

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