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AIOライト  作者: 栗木下
3章:右角山
139/621

139:30-4-D1

【AIOライト 30日目 17:30 (1/6・晴れ) 『誘引する岩の洞窟』】


「ふむ、そこまで変わった感じはしないな」

「ですね。普通の洞窟と言う感じです」

 『誘引する岩の洞窟』の中は壁に目を惹く紋様が描かれている事を除けば、極々普通の洞窟だった。

 いつものように灯りは何処からともなく入って来ているし、地面や壁は普通の岩で出来ている。

 そして湿っていたり、濡れていたり、暑かったり、寒かったりはしない。

 うん、一夜を明かすには理想的な環境と言ってもいいだろう。


「扉は……とりあえず勝手に開いたりはしなさそうだな」

 さて、他に見るべき点として、次の部屋に繋がる扉は木と鉄を組み合わせた、こちらも街などによく有りそうな普通の扉だ。

 勝手に開いたりはしないだろうし、俺たちが見つけたダンジョンだから当然だが、開けられた形跡もない。

 これならばこちらから奥に進まなければ、モンスターに遭遇することはないだろう。


「それじゃあマスター。携帯錬金炉を」

「分かった」

 では、安全な事が確認できたところでまずは食事を摂る事にしよう。

 道中で色々と回収もしているし、実に楽しみだ。



----------



「御馳走様でした」

「お粗末様でした」

 今日の食事であるミートパイもとても美味しかった。

 あの美味しさでありながら、回復力まで上がるのだから、やっぱりシアの料理は素晴らしいものである。


「さて、食事も終わったし、こっちも始めますか」

「後ろで見てますね」

 さて、食事が終わったなら、次は俺の方の作業である。

 と言うわけで、まずは道中で回収したレア度:2の普通の鉄鉱石を、携帯錬金炉を使って回復力溢れる鉄の鋳塊にしていく。

 で、無事に回復力溢れる鉄の鋳塊が三つ出来上がったところで、バーサークゴレムタバルジンと『狂戦士の鬼人の王』の仮面を装備から外す。


「上手くいくと良いですね」

「ま、そこは俺の腕の見せ所だな」

 まず俺はバーサークゴレムタバルジンと回復力溢れる鉄の鋳塊を合成する。

 イメージとしては鉄の刃をより良いものにする感じか。

 当然、魔力の注ぎ込みは問題なし。


『geNchidE WeaP0nwo tUkuler kOreHaSubalashi1kOtodA』

「ふむふむ」

 打ちこみは……これなら大丈夫だな。


「出来上がりっと。じゃ次だな」

「預かっておきます」

 一つ目の錬金が成功した所で、俺は続けて二つ目の錬金を始める。

 投入するのは『狂戦士の鬼人の王』の仮面と回復力溢れる鉄の鋳塊。

 操作は合成。

 イメージとしては質のいい鉄で各部……特に額と顎の辺りを補強する感じか。

 で、魔力の注ぎ込みはいつも通りに済ませまして……っと。


『Iwan0 Docuthutoha 1vAn2 StandaRdnA danjyOndeaLu』

「はいはい、何の問題もなしっと」

 打ちこみも大丈夫だな。

 相変わらず文章としては意味が分からないが。


「よし、出来上がりっと」

「おめでとうございます。マスター」

 そうしてアイテムが二つ出来上がったところで、俺は二つのアイテムの説明文を表示させる。



△△△△△

バーサークスチールタバルジン

レア度:2

種別:武器-斧

攻撃力:210

耐久度:100/100

特性:バーサーク(猛り狂う者に祝福を)

   リジェネ(回復力を強化する)


鉄製の両刃の斧をバーサークゴーレムの石材によって補強した斧。

刃の鋭さではなく、刃の重さをもって断ち切る武器である。

▽▽▽▽▽


△△△△△

『狂戦士の鬼人の王』の仮面

レア度:2

種別:防具-頭

防御力:65

耐久度:100/100

特性:バーサーク(猛り狂う者に祝福を)

   リジェネ(回復力を強化する)


『狂戦士の鬼人の王』の頭骨を加工し、仮面にした防具。

天に向かって伸びる角と牙はかつての頭骨の主の強さを示すと同時に、見る者を強く威圧する。

回復力+1

▽▽▽▽▽



「ふうむ?」

「特性:ノイズが消えちゃいましたね」

「まあ、それは別に良いんだけどな」

 出来上がった新たな装備品は、数字自体は上がっていたが、説明文に変化は見られなかった。

 うーん、まあ、仕方がないのかもな。

 レア度:1の普通の鉄の鋳塊をレア度:2の回復力溢れる鉄の鋳塊で置き換えたような形だろうし。

 まあ、いずれにしても強化された事は確かなので、装備しても問題はないだろう。

 デザインもまるで変わってないしな。


【ゾッタの錬金レベルが16に上昇した。錬金ステータスの中から上げたい項目を一つ選んでください】

「おっと」

 と、ここで錬金レベルが上昇したので、ステータス画面を操作して適当に武器類を上昇させる。



△△△△△

ゾッタ レベル11/16


戦闘ステータス

肉体-生命力16・攻撃力10・防御力10・持久力9・瞬発力10・体幹力10

精神-魔法力10・撃魔力10・抗魔力7・回復力20+4+3・感知力10・精神力11


錬金ステータス

属性-火属性10・水属性10・風属性10+1・地属性10+6・光属性7・闇属性10

分類-武器類14・防具類13・装飾品13・助道具13・撃道具13・素材類15

▽▽▽▽▽


△△△△△

ゾッタ レベル11/16

総攻撃力455

総防御力230


右手:バーサークスチールタバルジン(特性バーサーク・リジェネ)

左手:棘刀・隠燕尾(回復力+1・毒付与・特性ハイド・ノイズ)

頭:『狂戦士の鬼人の王』の仮面(回復力+1・特性バーサーク・リジェネ)

胴:ソイルバイソンシャツ(特性バーサーク・ソイル)

腕:ソイルホースアーム(特性バーサーク・ソイル)

脚:ソイルホースズボン(特性バーサーク・ソイル)

装飾品1:プレンウッドリング(回復力+1)

装飾品2:ノイズシムンレインコート(風属性+1・特性ノイズ)

▽▽▽▽▽



「回復力の実数値27か」

「随分と上がりましたね」

「だな。目に見えて回復していってる」

 軽く体を動かしてみるが、バランスなどに違和感はない。

 やはり問題はないらしい。

 そして回復力27の効果は既に出ている。

 視界左上隅に表示されている俺のMPバーが目に見える勢いで回復しているからだ。

 シアの料理によって回復力が底上げされている事を含めても、かなり速い。


「じゃ、レベルも上がったし……と、寝る前にアレを見ておくか」

「アレ?」

 と、今日はもう休むだけだったのだが、此処で俺はプレンイーターの胃袋を入れたリジェネウッドボックスの事が気になったので、俺はインベントリから取り出してみる。


「さて、大丈夫……じゃないな」

「ですね」

 プレンイーターの胃袋を入れたリジェネウッドボックスは……、



△△△△△

リジェネウッドボックス

レア度:2

種別:容器

容量:5(種別:素材限定)

耐久度:70/100

特性:リジェネ(回復力を強化する)


普通の木で出来た箱。

プレンイーターの胃酸の働きによって内部が半端に溶けだしており、密閉性は高まったが、何時穴が開いてもおかしくなくなっている。

容器の中に入っている物は容器含めて一つの物として扱われる。

なお、種別:容器のアイテムは錬金レベル/10(小数点以下切り上げ)の個数しか持てない。

▽▽▽▽▽



「完全に溶けてますね」

 プレンイーターの胃袋から染み出た胃酸によって内側が溶け、溶けた部分を特性:リジェネが回復して補おうとした結果なのか、隙間が無い液体でも入れられる器になっていた。

 そして今も酸によって溶けているのだろう。

 小さく、焼けるような音が聞こえていた。

 そう、それこそ説明文通りに、何時穴が開いてもおかしくなさそうな感じになってしまっていた。


「ああ、おまけに……」

「おまけに?」

「あの繋がりが見えてる」

「!?」

 しかも、そんな状態でありながら、あの繋がりが……レア度:PMのアイテムを作れる繋がりが見えていた。

 溶けかけのリジェネウッドボックス、回復力溢れる鉄の鋳塊、プレンイーターの胃袋の間で。

10/06誤字訂正

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