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AIOライト  作者: 栗木下
3章:右角山
123/621

123:27-7-D6

「ゾッタ、アンブロシア、レベルが低い方の足止めを頼む」

「分かった」

「はい」

 敵は二体。

 となれば上策は片方に攻撃を集中させ、素早く倒してしまう事である。

 トロヘルも俺と同じ考えだったのだろう。

 トロヘルは俺とシアの二人にLv.15の方のソイルホースを任せ、残りの面子で一気にソイルホースを倒すつもりであるらしい。

 と言うわけで、俺とシアの二人は他の面々から少し距離を取ると、得物を構える。


「ヒヒーン!」

「ブルルル!」

「来るぞ!」

 二頭のソイルホースがトロヘルたちに向かって突進を仕掛けようとする。

 が、その内の一頭、Lv.17の方は盾を構えたトロヘルと真正面からぶつかり合い、その動きを止める。


「『ブート』!」

「ふんっ!」

「!?」

 そしてもう一頭、俺とシアの担当する方のソイルホースは加速が乗る前にシアの攻撃が当たって、こちらに注意を向け、そこに俺が攻撃を加えることによって完全にこちらへと注意を向けさせることに成功する。

 二頭の距離は……いつの間にか離れているな。

 どうやらトロヘルが上手くやってくれたらしい。


「ブルルル……」

「さて、足止めだな」

「ですね」

 さて、ソイルホース……いや、ホース型のモンスターの特徴は、素早い動きに強烈な蹴り攻撃だったか。

 で、特に後ろ脚を使った後方の相手への蹴り攻撃は強力だったはずだ。

 となれば、足の動きに気をつけつつ、ソイルホースの前に居る様にすれば基本的には問題ないか。


「ヒッヒーン!」

「これは……」

「……」

 前言撤回。

 ソイルホースの前もヤバいらしい。

 ソイルホースが一鳴きすると同時に、ソイルホースの左右と前に岩で出来た杭みたいものが出現して、浮いている。

 こんな攻撃が使えるようになったのは……特性:ソイルのおかげだと考えるべきだな。


「ヒヒーン!」

 さて、そんな事を考えている間にソイルホースが突撃してくる。


「ここだ……!?」

「マスター!?」

「ブルッ!?」

 避ければ避けただけ相手に加速する時間を与えてしまう。

 そう判断した俺は岩の杭の隙間を縫うようにして接近、斧と短剣を構えてソイルホースの身体と衝突。

 多少のダメージと引き換えにソイルホースの動きを止めることに成功する。


「ヒ……ヒグ!?」

「させるかよっ!」

 ソイルホースが動こうとしたので、左手の短剣を動かそうとした足にねじ込み、ダメージを与える。

 そして右腕を首の方に回し、その動きを制限してやる。

 この場から動く事は許さず、蹄鉄付きの足を動かそうとするたびに、短剣をねじ込んでやる。


「ヒヒッ、ブルッ、ヒヒン!?」

「暴れてんじゃねえよ……」

「『癒しをもたらせ』『力を和らげよ』」

 さて、一瞬面食らったが、どうやらソイルホースの岩の杭は出現させる場所を選んだり、向きを操ったりは出来ないらしい。

 先程から軽く暴れつつ何度も岩の杭を出しては消しているが、俺の身体には僅かに掠る程度だ。

 そして、掠る程度ではシアの料理と魔法によって耐久力が大幅に向上している俺には通じない。

 ダメージを受けても、直ぐに回復している。


「マスター!来ました!」

「『ブート』!」

「投げるぞ!」

「おっと」

「ヒヒン!?」

 と、あちらの方が片付いたらしい。

 俺がシアの警告に合わせて退くのと同時に、グランギニョルの魔法とブルカノさんの爆弾が俺が抑えていた方のソイルホースに飛んできて、そのHPを一気に削り取っていく。


「よし、後は任せておけ!」

「ようし後一匹ぃ!」

「走れない馬に脅威なんて無い!」

「!?」

 そしてダメージで怯んだところにトロヘルたちが突撃。

 三方を囲ってタコ殴りにする事で、あっという間にソイルホースのHPを減らしていく。

 これは……うん、もう俺の出番はないな。


「ヒヒーン!?」

「よし、終わりだ!」

 と言うわけで、最後の戦闘と言う事でリソースを惜しみなくつぎ込んだこともあり、あっという間に戦闘は終わった。


【ゾッタの戦闘レベルが11に上昇した。戦闘ステータスの中から上げたい項目を一つ選んでください】

「と、珍しいな」

 珍しく戦闘終了直後にレベルアップの表示が出現する。

 とりあえず上がった以上は操作すべきなので、俺は生命力を上昇させて16にする。



△△△△△

ゾッタ レベル11/14


戦闘ステータス

肉体-生命力16・攻撃力10・防御力10・持久力9・瞬発力10・体幹力10

精神-魔法力10・撃魔力10・抗魔力7・回復力20+3・感知力10・精神力11


錬金ステータス

属性-火属性10・水属性10・風属性10+1・地属性10・光属性7・闇属性10

分類-武器類13・防具類13・装飾品13・助道具13・撃道具13・素材類14

▽▽▽▽▽



「ゾッタ、いい足止めだったぞ」

「そっちこそいい火力だったぞ」

 で、レベルアップの処理が終わったところで、俺は二頭のソイルホースから剥ぎ取りを行う。

 その結果としてこんな物が取れた。



△△△△△

ソイルホースの毛皮

レア度:2

種別:素材

耐久度:100/100

特性:ソイル(地属性の力を宿している)


ソイルホースの毛皮。

やや柔らかい繊維を持った毛皮。

加工次第で、様々な姿を見せる。

▽▽▽▽▽


△△△△△

ソイルホースの蹄鉄

レア度:2

種別:素材

耐久度:100/100

特性:ソイル(地属性の力を宿している)


ソイルホースの蹄に付いている蹄鉄。

野生のモンスターであるはずなのに、人工物である蹄鉄が何故付いているのかは長年の謎とされている。

▽▽▽▽▽



「蹄鉄……」

「言われてみれば確かに妙ですね」

 戦闘中は気にしていなかったが、確かに妙と言えば妙である。

 深い意味などない気もするが。


「全員剥ぎ取りは終わったか?終わったなら脱出するぞ!」

「まあ、詳しい事は街に帰ってからだな」

「ですね」

 他に得たアイテムの使い道含めて、この場で考える事ではない。

 そう判断した俺とシアは、トロヘルに大丈夫だと告げて、ダンジョンを脱出した。

09/20誤字訂正

09/21誤字訂正

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