101:20-8
【AIOライト 20日目 14:12 (1/6・晴れ) 始まりの街・ヒタイ】
「さて、そろそろいいか」
「そうですね。もう始めてもいいと思います」
シュヴァリエとの会話後、自分の部屋に戻った俺とシアは適当に昼食を摂りつつHPとMPが回復するのを待っていた。
で、昼食後にひと眠りしたぐらいで、無事に全回復していた。
「青い左目在りし場の涙こと普通のガンカ湖の水以外にも色々と入手したからなぁ……うーん、どう使うか」
「『狂戦士の砂漠の塔』のモンスター素材の事ですよね」
「そうそう、シアの方は何か希望とかはあるか?」
「いえ、私の方には特に何も。特性:バーサークは私には合わないでしょうし」
「それはまあ……そうだろうな」
俺は倉庫ボックスの中身を検めながら、どうするかを考える。
まあとりあえず、シア自身も言っている通り、シアの装備にこれらの素材は使えないな。
シアの立ち回りを考えたら、特性:バーサークの効果が単純な特定条件下でのステータス強化でも発動機会が無さそうだ。
逆に俺が使うとなったら……うん、色々と良さそうだな。
自分の装備品に付けた時の効果の詳細がどうなるのか分からないという不安要素はあるが。
「……。いっそ全更新してしまうか」
「えっ!?」
うん、これもいい機会だし、そうしてしまおう。
レア度:2の装備品を作って装備するまでの繋ぎになってしまう可能性もあるが、きっとそれがいい。
「えと、マスター、本気ですか?」
「本気本気」
と言うわけで、俺は怒涛の錬金術ラッシュを始めることにした。
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【AIOライト 20日目 19:20 (1/6・晴れ) 始まりの街・ヒタイ】
『iYa1ya shucoCha jiTyosyoukA ThuculiSug1Dakara』
「はいはいっと」
タイピングを終えた俺の前で最後のアイテムが出来上がる。
「お疲れ様です、マスター」
「うん、頑張った」
錬金回数六回、出来上がったアイテムの数は五つ。
と言うわけで、出来上がったそれらのアイテムの詳細を並べると同時に、一つずつ装備していく。
△△△△△
バーサークイグアナシャツ
レア度:1
種別:防具-胴
防御力:40
耐久度:100/100
特性:バーサーク(猛り狂う者に祝福を)
バーサークイグアナの皮で造られたシャツに、バーサークスカラベの甲殻による補強を施したシャツ。
重量の割に高い防御力を備えている。
▽▽▽▽▽
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バーサークイグアナズボン
レア度:1
種別:防具-脚
防御力:40
耐久度:100/100
特性:バーサーク(猛り狂う者に祝福を)
バーサークイグアナの皮で造られたズボンに、バーサークスカラベの甲殻による補強を施したズボン。
重量の割に高い防御力を備えている。
▽▽▽▽▽
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バーサークゴレムアーム
レア度:1
種別:防具-腕
防御力:45
耐久度:100/100
特性:バーサーク(猛り狂う者に祝福を)
バーサークゴーレムの石材とバーサークラクーンの皮を組み合わせて作られた重厚な籠手。
重量に相応しいだけの防御力を備えている。
▽▽▽▽▽
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『狂戦士の鬼人の王』の仮面
レア度:1
種別:防具-頭
防御力:50
耐久度:100/100
特性:バーサーク(猛り狂う者に祝福を)
ノイズ(聞き取れない雑多な音を持つ)
『狂戦士の鬼人の王』の頭骨を加工し、仮面にした防具。
天に向かって伸びる角と牙はかつての頭骨の主の強さを示すと同時に、見る者を強く威圧する。
回復力+1
▽▽▽▽▽
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バーサークゴレムタバルジン
レア度:1
種別:武器-斧
攻撃力:160
耐久度:100/100
特性:バーサーク(猛り狂う者に祝福を)
鉄製の両刃の斧をバーサークゴーレムの石材によって補強した斧。
刃の鋭さではなく、刃の重さをもって断ち切る武器である。
▽▽▽▽▽
「これでよし、と」
【ゾッタの錬金レベルが12に上昇した。錬金ステータスの中から上げたい項目を一つ選んでください】
装備を変えた所で、錬金レベルも上昇する。
と言うわけで、撃道具の方を1上げる。
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ゾッタ レベル9/12
戦闘ステータス
肉体-生命力14・攻撃力10・防御力10・持久力9・瞬発力10・体幹力10
精神-魔法力10・撃魔力10・抗魔力7・回復力20+3・感知力10・精神力11
錬金ステータス
属性-火属性10・水属性10・風属性10+1・地属性10・光属性7・闇属性10
分類-武器類13・防具類13・装飾品13・助道具13・撃道具12・素材類13
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△△△△△
ゾッタ レベル9/12
総攻撃力405
総防御力175
右手:バーサークゴレムタバルジン(特性バーサーク)
左手:棘刀・隠燕尾(回復力+1・毒付与・特性ハイド・ノイズ)
頭:『狂戦士の鬼人の王』の仮面(回復力+1・特性バーサーク・ノイズ)
胴:バーサークイグアナシャツ(特性バーサーク)
腕:バーサークゴレムアーム(特性バーサーク)
脚:バーサークイグアナズボン(特性バーサーク)
装飾品1:プレンウッドリング(回復力+1)
装飾品2:ノイズシムンレインコート(風属性+1・特性ノイズ)
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「一気に見た目が変わりましたね」
「どうだ、これでやっと亀ヘルメット卒業だ」
「その亀ヘルメット自体は仮面を作るのに使ってますけどね」
「まあな」
装備変更をした結果、俺の姿は両腕と頭は白くて硬質な物体で覆われ、それ以外の部分は要所を光で微妙に反射する虫の甲殻で守られた普通の服と言う感じなった。
全体で見た場合にかっこいいかどうかは分からないが、少なくとも仮面についてはかっこいいだろう。
牙とか角とかが特に。
なお、他の装備は説明に書いてある通りの材料で作られているが、『狂戦士の鬼人の王』の仮面については、『狂戦士の鬼人の王』の頭骨とプレントータスメットを組み合わせて仮面を作った後、雑音招く薬草を付与することで特性:ノイズと回復力+1を付けてある。
仮面に特性:ノイズを付けたのは……頭防具に付けたら、何となくノイズ状態を防御する能力が上がるかもしれないと思ったからだ。
それ以上の意味はない。
「さて、性能の確認は明日以降にするとして……今日はもう休みでいいか」
「そうですね。朝からダンジョンの攻略をして、帰ってきたら錬金術での装備作成と忙しかったですし、それでいいと思います」
とりあえず今日やるべきことはやった。
そう判断した俺は、シアの作ってくれた夕食を食べると、今日はもう眠る事にしたのだった。
08/31誤字訂正