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第六層 (挿絵あり)

「…さて。昨日はスキル獲得して終わってしまいましたが!今日は…スキル確認が終わり次第ダンジョンの方をやって行きたいと思います!!」

「おー!やっと本格的に始めるんですね。」

「はい。それでは、スキル確認からやっていきましょう!」

「何から確認するんですか?」


 まずは、《性質付与》から確かめていくか…。…嫌な予感がする《着ぐるみ作製〔リアル〕》は後回しで。


「まずは、《性質付与》からやっていきます。」

「優秀そうなスキルの予感がします!」

「じゃぁ、いきます!」


 おれは、そう掛け声をだして、部屋の岩壁に触れた。心臓ドキドキだ。


「《性質付与》、スロット充填!」

『スロット:岩 充填されました。空きスロットがありません。』

「…うぉ!」

「どうしました?」


 今、頭のなかでアナウンスみたいのが流れた。ビビったわ。感情のない声が頭の中で響くのは勘弁してほしいな。心臓に悪い。


「いやアナウンスに戸惑っただけだ。」

「そうですか。アナウンスというのはよくわかりませんが、危険がなければ大丈夫そうですね。」

「ああ。…しかし魔力は消費したのか?何も感じなかったが。」

「……多分、そのスキルは何かに性質を付与したら消費される感じじゃないですかね。」

「そうか。じゃあこの箸なんかに付与してみるか。」


 そう言って、昨日使った木製の箸を手に持ちスキルを使ってみる。


「《性質付与》 岩!!」


 スキルを使うと体の中から何か引き抜かれるような感覚を感じた後、箸がだんだんと変色していき岩から削り出した箸みたいになった。


「おぉ~!すごいなこれ!カチカチだ。このスキル大当たりだな!…ちょっと魔力消費の感覚は気持ち悪いけど。」

「すごいですね~。このスキル応用が利くと思いますし、ほんと当たりですね!」

「そうだな。…そういえば魔力ってどのくらいで回復するんだ?」

「そうですね、一時間に10ほど回復します。ちなみに、魔力が0になると気を失うので気を付けてください。」

「そうなのか。じゃあ次のスキルの確認は一時間休憩してからやるか。」

「はい。その方がいいと思います。」


 《性質付与》の確認が終わったので、休憩がてらに次の準備をしておく。準備中は外野がうるさかったが…まぁなんとか準備を終えた。


 ~一時間後~


「さて、お次は《着ぐるみ作製〔リアル〕》です!」

「マスターは鬼畜です!」

「そうですね。ですが、明日の未来のためです。やらなければいけません。」


 俺が先ほど、笑顔d……げふんっげふんっ…苦心の思いで準備していたら、レイナに「かわいそうだからやめてあげて!」と言われた。だが、かまわずプチプチ潰したイモやんズ(計40匹)。20ぐらいからレイナは、何も言ってこなくなったが。

 まぁ、あいつらイモやんズは葉っぱがあればすぐに分裂して増えるから問題ない。


「…では、イモやんズ(遺体)を選択し、《着ぐるみ作製〔リアル〕》!!」


 そして、イモやんズの内臓が飛び散っている殺害現場を指さしながら、俺は叫んだ。


 するとイモやんズ(遺体)が空中に浮かび出し、ぐちゃぐちゃとミキサーの中に入れたみたいに高速で回転しながらゆっくり近寄ってくる!?


「…おい!なにあれ!?レイナなにあれ!?ゆっくりと近づいてくるんですけど!!」

「…知りません。……報いですかね?ご愁傷様です。」

「…ちょ!?無理!無理だから!来ないで!お願いだから来ないで!!」


 そうそうにレイナが裏切った。くそっ!もう逃げ場がない。隅に追い詰められた!……もう目の前だ。…なんかぎゅいぎゅい言ってるきがするし、幻聴かな?そうだといいな。…ってか、とまれよ!止まってくれ!


「止まって!止まってください!…止まれ、止まれとまれとまれとまれとまれとまれとまれーーー!!」


 夕夜は土下座しながら時をかける某少女のように、ぶつぶつと唱えたが結果は無慈悲だった。


 土下座中の夕夜に襲いかかるイモやんズ(回転群体)……。取り込まれた夕夜、日本での部屋着が千切られ、あられもない姿でイモやんズと一緒に宙に浮かび回転しだす変態。大事なところは謎の光で隠され、光り輝く夕夜。少し頬を赤らめ息遣いも荒くなってきた…。一体何があの中で起こっているのか……。誰もわからない。変態を除き。


 …ぶにぶにのお肉に包まれるような安心感とフィット感。自分の手足が何本も増え、周囲を見ずともわかる全能感。そして何より、耳の中に少し異物感があるが。それが何かをやっているのだろう。脳が最高にハイになってるぜ!!


「………んんんんんんぎぎぎぎいいもっちいいいいいいぃぃぃぃぃぃ!!」


「…変態完了!はっはーーーーーーーー!俺、爆誕!!」


 ぶにょんっと効果音がつきそうな弾力で、地面に降り立った変態。


「…きゃああああああああああああああああ!!」


 大絶叫するレイナ。


 それもそのはず、はち切れんばかりの紫の体に所々に黄色い斑点。うにょうにょと蠢く触手。頭部からは輝かんばかりの笑顔の夕夜の顔面に、白目の部分が青白く変色しよだれを垂らしまくっていた。……もう、カオスだった。


 *


 ちなみに、この万能スーツの性能は以下の通り。


 名 称:「全能感溢れるイモやんきぐるみ」


 特殊能力:「触手完全操作」

  己の手足のように扱うことが出来、長さ、太さ、形を自由自在に変えることが出来る。


 備 考:この着ぐるみを着用すると、沸々と全能感が湧き上がり、状態異常「興奮」になるので、扱いには十分注意すること。


 *


「…ごめんって!驚かしちゃったのは悪かったって。ほんとにすいませんでした。」

「…グスッ……しょうがないですね。許してあげます。」


 俺は、あの後全能感溢れるボディーで近づいていったら、泣きわめかられたのでしょうがなく完全なるボディーを捨て、1DPで作った麻の服上下を着て土下座をしていた。

 その最中に新しいスキルを獲得したと脳内で聞こえたが、後で確認してみようと思う。


「…フ~。さてそろそろ真面目にやりますか。」

「それがいいです。」


 レイナの機嫌もなおってきたしダンジョン作っていきますか。


「よし。まずは、高さ3メートル、横3メートル、奥行き50メートルほどの通路と入り口に入って十メートルの場所、直径二メートル、高さ五メートルの落とし穴を通路中央に作製。」

「高さ3メートル、横3メートル、奥行き50メートルの通路450DP/(3×3×50で450DP)、落とし穴20DP/(2×5で10DP+10DP)。計470DPで作製しますか?」

「…きついな。だがしょうがない、承認!」


「……ズズズズズズズッ」


「…ん?何も変わってないぞ?」

「はい。まだマスタールームに繋げていないので当然です。」

「そうなのか。じゃあ、今作ったダンジョン内部を見せてくれ。」

「了解しました。」


 すると、いきなり目の前に立体的な通路と落とし穴が現れる。青いホログラムで構成され、指で小さくしたり大きくしたりできる。


「お~!すごいなこれは。」

「こんなの当り前です!」

「そういえば残りのDPは?」

「残りDPは、414DPです。」

「ありがとう。」


 …やばいな。もうDPが半分切っちまった。考えて使わないと。


「…レイナ、落とし穴の手前に高さ10センチ、横2メートル、奥行き10センチの出っ張りと落とし穴の両側後方から緩やかなかカーブをつけて穴の淵まで壁を作ってくれ。」

「出っ張り2DP、カーブをつけた壁2DP。計4DPで作製しますか?」

「承認。」


 …よし。これで穴にモンスターで追い込めばいいだけになったな。あとは5メートルの高さでも落ち方によっては生き残るかもしれないから、ここは確殺だな。


「落とし穴の底に高さ1メートル、直径30センチの紙製の円錐形の槍を5本作製して、通路の奥にマスタールームを繋げてくれ。」

「了解しました。紙製の円錐形の槍を5本、10DPで作製しますか?」

「承認。」


「ズズズズズズッ」


 そんな音をたてて、マスタールームが通路と繋がった。


「暗い!なんも見えねえな。…だがしかし、わたしにはコレがあるのだよ。」

「えっ?なにがあるんですか?……ヒィッ!」


 そう言って、先ほど脱ぎ捨てたアレを着用する。レイナが引きつった悲鳴を上げたが気にしない。気にしたら負けだ。


 さっそく、触手全開で穴の底に降り、そこにある槍に岩の性質を付与していく。この時、穂先の1部分に少し切れ目を入れ、その部分を摘み上げてから付与していくのがコツだ。この工程により返しの付いた岩槍になる。


 そして、この作業に一日費やした。…だって、1時間に10MPしか回復しないんだもの。ひどいわ。プンプンッ!…うん。キモかったな。めんご、めんご。


第1階層



挿絵(By みてみん)









第1階層の構造はっつけました!!


ダンジョン3日目が終了しました。残DPは399です。


主人公が新スキル獲得!詳細は次回で!お楽しみに!!

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