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第五層

 ~夕夜と!レイナの!三分間クッキング!!~


「さあ!やってまいりましたね。レイナさん。」

「はい!楽しみです!」

「はははっ!そうですね。どれだけ美味しく作るかが私たちの腕の見せ所ですね。」

「いやだな!私は腕ないですよ!」

「おっと!これは失礼しました。」

「「あはははははははは!!」」


 一名引きつった顔で笑いながら50DPで召喚したキッチン、皿、コップ、フライパン、調味料をテキパキと用意していた。


「ところでマスター?今日の夕飯は何を作るのですか?」

「今日はですね、イモやんズの醤油体液ソテーを作りたいと思います!」

「ほうほう、使う材料は?」

「材料は、イモやん 4~6匹、魔木の葉 3~4枚、イモやんを絞った体液 大さじ1強、塩コショウ 少々、醤油 小さじ2、調理酒 小さじ2、イモやんの消化液 少々です!!」

「これは期待できそうですね!」


 一番用意が大変だったのは、体液だ。あいつら絞ろうとすると、指の間からぎゅいぎゅい鳴きながらはみ出してくるからな。しかも感触はナマコを触ってるみたいだし、体液の色は青白いし、触手は手のひらに引っ付いてくるし…キモかった。


「そうですね。それでは始めていきましょう!」

「「レッツクッキング!!」」

「まずは、フライパンに青白い体液を引き、強火でイモやんズを焼きます。」

「「「「「ぎゅいっ!ぎゅぎゅぎゅっ!ぎゅっ…!ぎゅいぃっぃいぃい…い……いぃ!」」」」」

「あ、あのマスター?すごいかわいそうになってきたんですが。」

「…ナニヲイッテルンデスカ?レイナサン。…コノ!ドコガ!カワイソウダッテイウンダ!!」


 レイナサンがおかしなことを言うから、触手を震えながら伸ばしてたイモやんズを三回ほどぶすぶす菜箸で刺しちゃったよ。ハハッ!ショウガナイネ!


「…おっと!ぼ~っとしていたようだ。」

「目が怖かったヨ。マスター。」

「なんのことだい?…さて、イモやんズに焦げ目がついたら塩コショウをして、魔木の葉を入れます。塩コショウが終わったら調理酒を入れて少し蒸し焼きにします。」

「……。」


 なんか、薄い紫色の煙が出てきたが気にしない。気にしない。刺激臭もするが気にしない。気にしない。なんとかなるさ!!


「最後に醤油をかけてイモやんズに絡ませたらお皿に盛ります。消化液をかけるのはご自由に。」

「さぁ!出来上がりました!どうです?レイナさん?美味しそうでしょう?」

「…は、はい!美味しそう…ですね!」

「…じゃあ!食えやぁ!」

「ぴぃっ!!……え、えっとですね。私は食べる必要が…ないので…いただけません。」

「…っちぃ!!」


 俺は、激しく舌打ちした後、目の前にある皿…の上にあるものを凝視する。


 少し焦げ目がついた紫の物体にしなれた青黒い葉がベタッとくっついている。物体には穴がところどころに開き、そこからカピカピの青白いナニカが出ていた。周りからは刺激臭?硫黄の臭い?が漂い、薄紫の煙が立ち上る。……うん。なにこれ?


「…なんなんだ!!これは!!…この物体Xを喰えと?無理、無理じゃけん!!」


 混乱のあまり、変な方言が出てしまった。…しっかし、どうしたものか。こんなもの廃棄物もいいところだ。……ん?いや、まて。見た目に騙されるな!さっき無理やり喰わされたイモやんはうまかった!だから…これもいける…はず!


「…見た目通りじゃないはずだ!」

「あっ!ほんとに食べるんだ…。」


 右手にもった箸で、物体Xをぶっ刺し、一気に口の中に突っ込む!!…サクッ…サクッ…うん。触感は許容範囲だ。味は…お菓子のように甘ったるいが、醤油の香ばしさと葉の苦味がいい感じで…打消しあ……。


「……っんまあああぁぁぁぁっぁああっじいいいいいいいい!!」


 強烈に不味かった。なんだあれは?全然打ち消しあってねぇよ!むしろ相乗効果だよ!!…先ほどの俺はなぜ食べてしまったのか。そんな後悔の念が頭を過ぎった。


  *


「っぱぁ!水はうめぇな!」


 夕夜は口直しにキッチンの水を飲んでいた。


 いや~慣れないことはやるもんじゃないね。おかげでひどい目にあったよ。…まぁ、今回は成果があったな。イモやんは焼けばふがしみたいになるってわかったからな。少し甘すぎるかもしれんが。誤差の範囲内だな。


「…そろそろ真面目にやるか!そういえば、レイナ。スキルチケットがあったよな。」

「はい。使用するとランダムでマスターにスキルが付与されます。」

「よし!スキルチケット2枚使用!!」

「スキルチケット2枚使用します。承認しますか。」

「承認!!」

「リィン!」


 …ん?今ので終わり?なんかもうちょっとなんかないの?まぁ、いいけどさ。


「ステータス!」


 ステータス


 ダンジョンマスター

 LV:1


 種族:人間


 性別:男


 名前:斎藤さいとう 夕夜ゆうや


 職業:なし


 能力値

 HP:100/100

 MP:100/100

 STR(筋力):10(20)  +10

 VIT(耐久):10

 INT(知力):10

 MIN(精神):10(20)  +10

 AGI(俊敏):10

 DEX(器用):10

 LUK(幸運):10(00)  ー10 


 所持スキル

 ・《蟲喰い》


 ・《性質付与》 LV:1 NEW!

 アクティブスキル:このスキルを覚えた時から触れたことのある物の性質(制限有)を他の物に付与することが出来る。ただし、生物は適用外。

 ストック:〇

 消費MP:50

 備考:スキルチケットでのみ取得可能。


 ・《着ぐるみ作製〔リアル〕》 LV:1 NEW!

 アクティブスキル:スキル保持者が素材を指定し、半自動的に着ぐるみを作製する。その際、その着ぐるみにあった特殊能力を一つ付与する。特殊能力はLVによって拡張可能。耐久力はスキルLVに依存。

 消費MP:50

 備考:スキル《鎧作製》から派生するかもしれないスキル。全人類に不人気のスキル。


 称号

 ・《蟲を喰らう者》



「わ~。微妙なのが一つありますね。リアルってなんですかね。」

「あ、あぁ。《性質付与》はなかなか使えるとおもうが、もう一つのはな~。《鎧作製》の方がよかったよ。」


 《着ぐるみ作製〔リアル〕》か、嫌な予感しかしないな。特に、全人類に不人気というところが。

 さぁ!ダンジョン作製二日目が終わりました。二日も経ってまだダンジョンも、モンスターにも手をつけていない現状。ですが、次は最後のちょっとだけ真面目にやります!

 ちなみに、パッシブスキルはMP消費なしの代わりLVなし、アクティブスキルはMP消費ありでLVありです。

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