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第四層

 おぼろげながらベッドの硬い感触で目を覚ます。


 …ん。眩しいな。なんだよ、電気点けっぱなしで寝ちゃったのか…。…さて、今日もゲーム三昧か…な…?


 半分まぶたを閉じながら周りを見回すと、いつもの見慣れたごみ屋敷のような部屋ではなく、ゴツゴツとした岩肌がのぞく正方形の部屋。


 …あ!?…そうだ、ダンジョンだっけか?まったく嫌になるぜ。俺はただチートもらって異世界でハーレムしたかっただけなのに、それをこんな殺し合いに参加させやがって!クソ幼女が!


「おはようございます。マスター。」


 イライラしながら起き上がった夕夜に対して柔和な声でレイナが挨拶をし、ささくれだった夕夜を落ち着けた。


「おはよう。レイナ。なんか、安い食べ物ないか?昨日食べずに寝ちゃったから腹が減ってきついわ。」

「それでしたら、日替わり弁当が10DP、食用スライムセットが5DP、食用…芋虫セットが1DPですがどれにしましょうか?」

「…え?マジっすか?」

「はい。」


 イライラも落ち着き、腹が減った夕夜に厳しい現実が突き付けられた。


「…あの、なんでそんなに弁当がお高いんですか?」

「それは日本から取り寄せるものだからです。ちなみにおススメは食用…芋虫セットです。栄養価も高く、成長させると肉壁にもなりますし、葉があれば、勝手に増えるお世話いらずの食糧です。しかも、セットですので芋虫10匹に、魔葉の木〔小〕が付いてきます。この魔葉の木ですが、魔力を与えると成長して新しい葉をつけますのでエサも心配ないです。お財布にも、体にも優しい商品です。これ一択ですね!」

「…あぁ。そ、そうだな。」

「承認されたので、召喚します。」

「ちょっちょっとまってくれ承認なんてひとことも「リィン」…あぁ、終わった。」


 …終了した。俺の食生活が…。つか、なんでこんなに芋虫推しだったんだよ。しかも食用と芋虫のあの間は何?嫌な予感がする。…クソッ!食いたかねぇよ…。


 夕夜が地面で膝を抱えて俯いていると、コロコロと毒々しい紫色の体表に黄色い斑点の模様をした柔らかそうな物体が足にコテンとぶつかった。しかも体中に触手みたいのがっがががががっがっが!!


「ぬああああぁっぁぁぁぁぁっぁぁっぁああああ!!」

「キ、キモイ!!なんだこの生物は!」

「食糧ですが?」

「レイナ!こんなのを喰えと!?触手!触手だぞ!?無理だろ!!どう考えても!」

「いえ、問題ないです。マスター。イモやんズ、1匹だけ残して行ってください。」

「問題ありありだろ!!……ん?いま…何て…?」

「なんでもありません。」


 悪魔の言葉が耳から離れない。悪魔は今なんと言った?イモやん?行ってこい?どこに?…どこにだ!?


 悪魔の言葉に恐怖しながら下を向くとイモやんズがその触手を伸ばしてそろそろとよじ登り、すでに胸のあたりまで到達したところだった。


「んぎいぁっぁぁぁぁぁぁぁぁっぁぁあああああ!!」


 叫び声を上げ口を開けた時、ヌルッと口の中に何かが入ってきた感触がした。その瞬間、俺の意識はブラックアウトした。


 *


 プチッとした感触が楽しめ、甘くてトロトロした紫色のナニカを食べていた。なぜかわからないが、そのナニカはモザイクがかかっておりどんなものかわからない。だが、何だろう?なぜ、涙が出てくるのだろうか?なぜ、悲しいのだろうか?あんなにもおいしいのに。


「……は!?」

「おはようございます。マスター。イモやんが順調に増えていますよ。」

「あぁ。おはようレイナ。聞いてくれよ。さっき夢でさ、紫色のナニカを食べててさぁ。うまかったんだけど、なんか辛くてな、涙が止まら………なぁ、レイナ。そのテーブルの上にある青黒い木にいる紫色の…それは…なんだ?」


 その紫色のナニカを見た瞬間、頭痛と吐き気がきたがなんとか抑え込み、あくm…レイナに聞いてみる。


「何をおっしゃっているんですか、マスター。イモやんですよ。さっき、泣きながら美味しそうに食べていたじゃないですか。」

「うぷっ!?うおぇあああああああぁぁあぁぁああああ!!」


 初めて、知らない方が幸せなこともあったのだとイモやんズ(死骸)を吐き出しながら知った。


 *


「レイナ!もうこんな勝手なことはしないと約束してくれ!」


 俺は、イモやんズ(死骸)とその他もろもろをDPに変換/(ちなみに、0DP)した後、二度と同じ悲劇を起こさないようにレイナに厳重注意をしていた。


「…ごめんなさい。…マスター。…ほん…とに…ごめ…ヒック…んな…ヒック…。」

「わかった。わかった。もういいから、許すから。もう泣き止んでくれ。な?お願いだ。」


 なぜ俺は、震えてるひし形の結晶を撫でながらこんなことを言っているのだろうか。…まぁいい。レイナが泣き止むなら。


「…グスッ…ありがとうございます。マスター。」

「よし!泣き止んだな。仕事をしよう。な?…それで何をやったらいいんだ?」

「えっと、まずは、ステータスを確認した方がよろしいかと。」


 鼻声で言ってくるレイナ。いろいろとおかしいが、つっこまないぞ。…それでステータスだったか?…クックック…これで俺の隠された能力が明かされるわけだな。腰を抜かすなよ、レイナ!!腰ないけど。


「ステータス!!」


 夕夜はニヤニヤしながらコアを見た後、大声で叫んだ。


 ステータス


 ダンジョンマスター

 LV:1


 種族:人間


 性別:男


 名前:斎藤さいとう 夕夜ゆうや


 職業:なし


 能力値

 HP:100/100

 MP:100/100

 STR(筋力):10(20)  +10

 VIT(耐久):10

 INT(知力):10

 MIN(精神):10(20)  +10

 AGI(俊敏):10

 DEX(器用):10

 LUK(幸運):10(00)  ー10 


 所持スキル

 ・《蟲喰い》

 パッシブスキル:蟲と対峙した場合のみ、威圧〔小〕、食した場合、HP小回復。

 わざわざ蟲を喰った者に与えられるスキル。


 称号

 ・《蟲を喰らう者》

 MIN(精神)とSTR(筋力)に+10の上昇、LCK(幸運)にー10の下降補正。

 この称号を持つ者は、顎の筋肉が発達しやすくなり、蟲を一日一度は食べなければ生きていけなくなる。なお、吐き出した場合は、カウントされない。稀に蟲が下僕……いや、仲間になることも。


「あー。大変ですね、マスター。」


 遠くで誰かが何かを言っている。腰を抜かして地べたに座り込む俺には、ノイズにしか聞こえない。なんだ?なんだこれは?一日に一度?カウントされない?…誰か嘘だと言ってくれ。


「…誰か嘘だと言ってくれえええぇっぇぇぇっぇええええ!!」

「本日の夕食はイモやんのソテーになりまっす!」

「あ゛あ゛あぁっぁあぁぁっぁぁあぁあああああああ!!」


 *


 ちなみにイモやんのステータスは以下の通り


 種族名:食用触手芋虫テンタクルキャタピラー


 群体名:イモやんズ


 属 性:蟲


 ランク:1


 能力値

 HP:10/10

 MP:0/0

 STR(筋力):1

 VIT(耐久):1

 INT(知力):1

 MIN(精神):1

 AGI(俊敏):1

 DEX(器用):10

 LUK(幸運):0


 所持スキル

 ・《触手操作》

 アクティブスキル:触手を自由自在に操る。


 備考:成長すれば肉の盾くらいにはなる。…特殊な環境に置けば、突然変異もあるかも…。

 だんだんとコアのレイナちゃんが打ち解けてきましたね。まぁ、やりすぎな点もありますが…。

 そんなレイナちゃんに振り回される主人公!いやー、こんな役回りは嫌ですね。…ですが、まだまだ困難は待ち受ける!どうする?イモやんズ!!


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