幼馴染が泣いているのには理由がある
湿度が高い‼︎
鼻が高いなら文句はない。しかし、湿度が高くてもオレにメリットなんか、これっぽっちもない。
湿度計は、七十度越えだ。
湿度マシマシキャンペーン中とか、無料でもお断りだ。
地球からの挑戦状を、オレは受けるつもりは、ない‼︎
そんな、湿度とたたかう勇者、律サマの前に現れたのは…
「おじゃまー」
「…でたな、ただの村人幼馴染エー」
「ちょいちょいちょいと、だれが村人のエースだって?」
「言ってない。てか、今日はどうした?村人よ」
「あー、実は…魔法師さんに相談が」
…
「オレ…いま、魔法使えない。」
「あんたは、今も昔も魔法なんか使えないんだよ」
…
「あね。で?相談とは?一応耳と脳みそは、兼ね備えてあるから、聞いてもよき」
「うん…実は…アイムセッド」
?
…悲しいのか?
「どうして悲しいの?」
「まぁ…あれよ。わたしの心もお財布も悲しいわけよ」
ぐう〜っと、優実花のお腹がなった。
…
「あー、散財しすぎなんだよ…寿司くらいなら奢ってやるから、元気だせよ」
「わーい」
優実花は、喜んだ。
単純だなぁ。
そんな優実花と、寿司を堪能中…また優実花がどうかしだした…
⁉︎
な、泣いてる⁇
「えっ⁉︎どうした?な、なんで泣いてんだよ⁉︎」
「ごめん…わたし、欲張りで…」
?
いまさらだ。
「…いや、安定のいつも通りじゃん」
「違うの…わさびがっ‼︎」
「あー…ほれ、お茶」
「サンキュ」
まったく…驚いたぜ。
満腹になり、家に帰る途中…
優実花をみると、スーッと涙を流した。
えっ⁉︎
今度は…ガチ泣き⁈
「おい…どうしたんだよ⁉︎」
慌てて、優実花に詰めよると
「わたし…実は…」
と言いながら、バッグに手を突っ込んだ。
そして…ハンカチと、とあるものを取り出した。
「わたしね、ドライアイなの」
っていうじゃん‼︎
「あー、そうかよ。頻繁にまばたきしとけ」
「うん」
泣いてんのかと思ったぜ…。
びっくりさせんなし。
もうすぐ家に着くってなったところで、優実花がオレの手を掴んだ。
「捕獲‼︎」
って目をバッキバキにして。
「え…どうした?」
…
「うん…どぅもしなぃけど?」
「いや、どうもしないわけないな。どうした?ほんとは、なんか…あったんだろ?」
…
「わたし…わたし…飛行機に乗って、ずっと…別の家に…行くの。だから、律に会えなくなる」
⁉︎
転校すんのかよ…
「そんな…急だな」
「うん、わたしも昨日聞いて…」
「そっか。で、どこに転校すんの?」
「えっ?転校しない…移住」
「だから、どこに?」
「田舎のおばあちゃんとこ」
「あー、結構遠いな…」
「うん。」
…
「オレ…長い休みのときは、会いにいくよ」
「おばあちゃんに?」
…
「なんでだよ…優実花に決まってんだろ」
「え?長い休み?」
「うん、夏休みとかさ」
「わたしが行くのは、明後日からだよ?まだ、三月だよ?」
「えっ⁉︎明後日⁈早すぎね⁉︎」
「うん…」
「引っ越しの準備とか、間に合うの?」
「引っ越し?しないよ?」
「だって、移住…するんでしょ?」
「え、衣食住だよ?」
…
「ん?何日くらいおばあちゃんち行くの?」
「三日」
「は?そしたら、帰ってくるの?」
「もちろん。」
…
「あ、おつかれ。じゃあな」
「な、なんで⁈三日も会えないんだよ?辛くないの⁈」
「うん。べつに」
「律…浮気するつもりなんだ⁇羽ビョンビョン伸ばすつもりなんだ?」
「なんか…羽ビョンビョン伸ばすって、きたねーな。毛並み悪そ」
「話…そらさないで‼︎」
「あー…てか、浮気ってなんだよ…。そもそもオレたち付き合ってないじゃん。優実花がオレと交際しないって言い張ってんじゃん」
「だって…」
優実花は、ボロボロポロポロとたくさんの涙をこぼした。
「なぁ、優実花…そんなに泣くくらいなら、オレたち付き合おうよ。なんでダメなんだよ…優実花、オレのこと好きなんだろ?自分で言うのもなんだけど…めっちゃオレのこと大好きじゃん‼︎」
…
「好きだよ!大好きすぎるくらい大大大好きだよ‼︎三日会えないくらいで、どうにかなっちゃうくらい大好きすぎるよ‼︎だから、付き合えないんじゃん‼︎」
?
「なんで?」
…
「だって…だってね、考えてみてよ。もしも付き合ったら、カレカノになるんだよ?恋人ってくくりになるの。恋人ってね、別れたりするんだわ。でもね‼︎幼馴染って、別れ話しなくない⁉︎わたし達、幼馴染やめましょうって、あんまり聞かないでしょ⁉︎だから、幼馴染がいいの‼︎別れ話とか…絶対イヤ‼︎」
…そうだったのか。
「ならさ、別れなきゃいいんでしょ?オレは、優実花のこと大好きだし、これからも愛し続けるよ…って、なんかこれって誓いの言葉みたいだな。てか、それでもいい‼︎オレは、ずっと優実花が好きなんだ!いまさら、オレが目移りすると思うか?そんなの、わかんねーって言われるかもしれないけど、オレは、優実花と結婚したい!まだまだ学生だけど、オレ…建築の勉強しながら、いつも考えてるんだ。この部屋はああしようこうしようって思うと、いつも優実花が頭に浮かぶんだ。ここは、優実花のお気に部屋かなとか、優実花の好きな大きな窓は、ここがいいなとか。優実花は、オレの心に住みついてるんだよ。心に一緒にいるんだよ。優実花は、もういるんだ。ずっとずっとオレの心に。」
「律…わたし、いつのまにか不法侵入してるじゃないの。契約更新とかないの?」
「ないよ。ずっと安心して住んでて。」
「律ー‼︎ほんと大好きー‼︎」
「オレも大好き‼︎」
と、言いながら両手を広げた。
「ふふ、それじゃあ、あらためておじゃまします♡」
「ようこそ、マイハートへいらっしゃい♡」
ギュ〜♡
おしまい♡




