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第七話 薊
第七話 アザミ
なんであいつあんなにタフなんだ?ー
吹っ飛ぶ世良
また立ち上がり敵に
立ち向かっていく
「やっぱ人間チャンは
人間チャンとお手々つなぎたいよねー」
異形が嗤う
「うるせー気が変わったんだよ!」
単なる暴力だった
素手
蹴り
頭突き
乱暴過ぎる…
野生味に溢れ血に飢えた狼
バケモノに近い世良に
灯は呆気にとられていた
同時にはじめて
胸の奥一つ熱くなるものも
感じた
「タフだねー
あのラーメンヤンキー」
まるで景色見るかのように
世良を眺める千夜
異形の余裕は世良に
削り取られていく
今だー
ーーーーえっ?
世良が戦ってるから良いんじゃないのか?
「僕」の敵じゃないだろ?
胸の奥が少しだけうるさい
僕には関係なーーー
千夜が手で制する
首を横に振る
僕には関係ない
脳を焼く
息切れする世良を抜く
異形を破壊する
「こぞ…灯…」
「関係ない」
そういう声は
自分のものじゃないみたいだった
千夜が静止する
強くなっていく灯
笑顔を送ってみるが
鼓動はどこか
虚空へと呑み込まれる気がした




